テレワークが残業を生む背景とその対応策

安倍内閣の下、働き方改革の一環で推進され、新型コロナウイルスの感染拡大を機に大きな広がりを見せたテレワークという働き方ですが、隠れ残業が問題になっています。自宅で業務にあたるためオンオフの切り替えが難しく、終業時刻を過ぎている夜遅くや、休日にも仕事をしてしまう人が多いとされています。

業務時間内の勤務状況が見えにくいこともあり、テレワーク勤務者の残業を認めない企業もありますが、仕事量が出社時と変わらなければ、サービス残業が増加することも考えられます。テレワークの導入を政府が力強く求める中、テレワーク勤務者の働き方の管理がより重要になっていると言えます。

残業代を申告しなかった人は65.1%にのぼる

労働組合の中央組織「連合」2020年6月に発表した「テレワークに関する調査2020」によると、四月以降にテレワークを経験した全国千人を対象に行った調査では、「通常の勤務より長時間労働になることがあった」と答えた人は51.5%でした。

「テレワークで時間外や休日労働をした」と回答した381人のうち、「時間管理がされていない」「申告しづらい雰囲気がある」などの理由で、「残業代を申告しないことがあった」という回答は65.1%と非常に多く、「勤務先に残業代を認められないことがあった」とした人も56.4%と半数を超える結果となりました。従業員の規模が小さい企業ほど残業代が認められない傾向が強く、勤怠管理がされていない現実もこの調査で浮き彫りになりました。

テレワークの勤怠管理の難しさ

テレワーク勤務の場合、会社がテレワーク勤務者の労働時間の把握し管理することが困難であることから、みなし裁量労働時間制という特別な労働時間制度を採用する企業もあります。この場合には、実労働時間のに関係なく、勤務時間が一定時間とみなされるため、実労働時間に対応する残業代が発生しないということがあります。

テレワークを実施する場合、企業としては労働者の労働時間管理をどのように捉えれば良いのでしょうか。在宅勤務中の労働時間について、テレワーク勤務者に全面的に委ねてしまうと、勤務していないにもかかわらず、勤務をしたと虚偽の報告され、その上、過剰な残業代が請求される可能性もあるというリスクがあります。

他方で、テレワーク勤務者の労働時間を全く管理せず、一律に定時と取り扱うことも問題があります。そのため、テレワーク勤務者の労働時間をどのように管理するかは、企業にとって切実な問題といえます。

テレワークもオフィス勤務も同等の法律が適用される

会社の指示による時間外労働や休日労働に対し、労使協定に基づく割増賃金の支払い義務はテレワーク勤務者もオフィス勤務者も同等に扱われます。たとえ指示がなかったとしても、残業せざるを得ないほどの仕事量がある場合に残業代を認めないのは、労働基準法違反となります。テレワークの特徴として、姿が見えない分、働く側は成果主義的に仕事量で評価を求める傾向にあり長時間労働に陥るケースも少なくありません。

長時間労働を抑制する4つの方法

この問題は残業代を払えば解決する性質のものではなく、求められるのは長時間労働を減らす仕組み作りです。厚生労働省は2018年にテレワークを実施する企業に向けて、長時間労働を予防するためのガイドラインを提示しています。これを参考に長時間労働や残業削減に繋げましょう。

勤務時間外の外部との連絡を抑制

テレワークにおいて長時間労働が生じる要因として、時間外、休日又は深夜に業務に関する指示や報告がメール送付されることが挙げられます。そのため、役職者等から時間外、休日又は深夜におけるメールを送付することの自粛を命ずること等が有効です。

勤務時間外のシステムへのアクセスを制限

テレワークの場合、自宅から自社のシステムへアクセスしたり、ネットワーク上のデータを使用することもありえます。しかし、深夜や休日にもアクセスできる状態にしておくと、勤務時間以外の時間に働くことができてしまいます。休日や深夜にはアクセスできない設定にしておくことが、長時間残業を防ぐ方法の一つです。

勤務時間外の労働の原則的禁止

業務効率化やワークライフバランスの確保を目的としてテレワークを導入する場合、、残業自体を原則的に禁止するやりかたもあります。残業を禁止する場合は、事前に従業員に対してテレワークを導入する趣旨をしっかりと説明することが求められます。

長時間労働が続いている従業員へ注意喚起をする

テレワークにより長時間労働が生じるおそれのある労働者や、休日・深夜労働が生じた 労働者に対して、注意喚起を行うことが有効です。  具体的には、管理者が労働時間の記録を踏まえて行う方法や、労務管理のシステムを 活用して対象者に自動で警告を表示するような方法があります。

テレワーク導入前に制度設計を入念に行いましょう

現在テレワークを導入している企業の中には、十分な制度設計がないまま実施へと動いた企業もあると思います。テレワーク勤務者が定時で業務を終了できるようにするためには労務管理も重要な要素となります。

また過度な成果主義を敷いてテレワークを行うことによって、評価を気にするあまり時間外の労働を行ってしまう勤務者も出てしまうことでしょう。隠れ残業、サービス残業を減らすためにも、管理者側が勤務実態を把握する必要があります。テレワークを持続的に継続していくためにも、しっかりと体制を整えた上で導入することをおすすめします。

 

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