働き方改革で変わった「残業」について詳しく解説

大企業では2019年、中小企業では2020年から、働き方改革関連法に関する法令の改正施策が実行されています。この働き方改革の3つの柱といえる施策のひとつが「労働時間の是正」で、残業時間の上限が規制されたことは、企業にとっても従業員にとっても関心が高いポイントとなっています。今回は、働き方改革で残業に関するルールがどのように改定されたのかを解説していきます。

原則1日8時間、週40時間と定められている勤務時間

働く人の勤務時間は、労働基準法により原則1日8時間(週40時間)の勤務で、最低週に1回の休日を付与することと定められています。

この規定を超過して働くことを「残業」または「時間外労働」と言います。それが慣例となっている職場もあれば、残業が一切ない職場もあり、就業規則や雇用条件、企業の文化、職種によって異なっているかと思います。

2種類ある「残業」

残業には「法定内残業」と「法定外残業」の2種類があります。働き方改革関連法で改正された労働基準法での「残業」は、後者の法定外残業が対象となります。

法定内残業

会社が定めている所定労働時間を超過しているものの、労働基準法で定められた労働時間以内で行われた残業を指します。

法定外残業

労働基準法では、原則1日8時間、週40時間を労働時間と定めています。これを超過して勤務した残業のことを指します。

例)9:00-17:00 勤務 うち休憩1時間という条件で雇用契約されている人が19:00まで残業した場合は、労働基準法での残業は、1時間となります。

企業-従業員間で必要となる36協定

残業が発生することが想定される企業では、残業時間の上限などを定め、労働基準法第36条に基づく労使協定、通称36(サブロク)協定の締結を行い、労働基準監督署に届け出をする必要があります。

働き方改革により「残業」に関する何が変わったのか?

働き方改革関連法施行前と後では、「残業」に関する何が変わったのでしょうか?

働き方改革関連法施行前は、行政指導の対象

働き方改革で労働基準法が改正される前まで、残業は、月45時間、年間360時間が厚生労働大臣の告示により行政が指導する、という形になっていました。

そして、臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情がある場合には、“特別条項付きの“36協定を締結すれば、時間外労働を限度時間を超えても問題ない、となっており、残業時間に関する罰則はなく、強制力もありませんでした。

働き方改革関連法施行後は、“法律”の監理化に

しかし、働き方改革によって、「残業は、月45時間、年間360時間が原則」「残業(時間外労働)は、原則1ヶ月45時間以内、1年間では、原則360時間以内」ということが決定されました。

また、特別な事情があり、使用者、労働者お互いの同意がある場合は、以下の条件以であれば残業することが可能という条件が定められました。

・時間外労働が720時間以内
・時間外労働と休日労働の合計が1ヶ月で100時間未満
・時間外労働と休日労働の2〜6ヶ月間の平均が、すべて1ヶ月あたり80時間以内
・時間外労働が45時間を超えるのは、年間6ヶ月以内

これが法律によって定められたことにより、注意、推奨、というレベルではなく法律の制定ですので、企業に対して大きな効力となったのです。

違反した場合には、罰則も

もし企業が、労働基準法で制定された残業の上限を超えても従業員を労働させてしまった場合、企業には何かべナルティが発生するのでしょうか?2019年3月以前と異なり、これは法律違反となるため、当然罰則があります。

罰則は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられますので、大きな損失です。経営者は、働き方改革により以前より従業員を残業させないよう、努める必要があるということです。

労働者、経営者、それぞれにメリット、デメリットがある!?

働き方改革で残業に上限が制定され経営者は従業員の残業を減らそうと努め、就業規則を改定したり多くの人を採用したり、システムや環境を整備したりすることによって、経費が発生してしまいます。

一方労働者は、健康のため、ワーク・ライフ・バランスのため、まさに政府が目指す働き方改革のメリットを受けることとなり、生活にメリハリもつくこととなります。残業代が未払いになっている、サービス残業が多かった人には救済的法律です。

しかし、労働者の中には喜んでいる人だけではないようで、残業代が減少し収入が大幅に減ってしまったことを嘆いている人もいるようです。

そして経営者は、残業代分の賃金の支払いが減ったり、生産性が上がるなどのメリットがあります。双方に大なり小なりメリットとデメリットがあるといえる残業に関する働き方改革ですが、どちらもメリットを増やし、働きやすいと感じる人が増えていくことを願います。

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