多様化が進む見える化の対象と方法

トヨタが他の企業に先立って開発した「見える化」。当時は工場の危機管理の一環として導入されました。どこでなにが起こっているのかを一瞬で目視できるシステムは、その後日本のみならず世界で導入される見える化のモデルとして脚光を浴びました。

現在では仕事場において、多様な見える化が進められています。「見える化」されることで、今までの見えなかった組織の問題点が浮き彫りになったり、リスク管理、危機管理の精度が格段に向上することが認められたからです。

今回は現場で実施されている見える化の様々な方法を見ていきましょう。

そもそも「見える化」の目的とは?

見える化と一言で言ってもそのあり方は多様化しています。しかし、根底にある考え方は共通で、「見えなかったものを見えるようにする」ということです。そして、それによって実現したいのが「情報の共有」です。

あらゆる仕事には担当者が居て管理を任されているものですが、属人的に仕事をこなしてしまうと、どのようなプロセスで進行していて、どのようなヒト・モノなどが関わっているかが共有されにくくなります。

そこでそれらの仕事の進め方を可視化して、誰が見てもわかるようにすることが見える化の基本的な考え方です。これによってマニュアルを作成したり、他の人に仕事を振ったりすることができ、生産性の向上に繋がります。

また、見えなかったものが見えることにより、問題が浮かび上がり、リスク分析がしやすくなるというメリットがあります。

多様化が進む「見える化」方法

見える化が浸透するにつれて様々な見える化の方法が編み出され、様々な仕事の現場で活用されています。ここでは一部になりますが、見える化の方法についてご紹介をしていきたいと思います。

1. 仕事の全体像を見える化する方法

日々の業務に追われる従業員は、自分が抱えている作業の全体像を把握できていない場合があります。仕事を抱えすぎると、結果的にミスが多発したり、作業の質が低下したり、最悪の場合期日を守れなかったりすることが考えられます。

そこでシート上に仕事量、進捗状況が把握できるように、従業員が抱えている作業を書き出して、見える化すると、従業員同士で仕事の共有ができ、作業の分配・平準化が行えるようになります。このシートを「プロセスマップ」と呼びます。

また、見える化によって作業が可視化されることによって、無駄な作業を洗い出すことができます。それまで当然のように業務に含まれていたものの見直しなどが行えるようになるのです。

業務における見える化は、作業の最適化を図り、生産性の向上に役立てることができます。

2. 企業情報を見える化する方法

企業活動を行う際には様々な情報を扱います。経営を左右する情報から、従業員が保有している末端の情報まで、その種類は多岐にわたります。これらの情報を個人が保有することにより、企業の正しい判断を鈍らせたり、遅らせることがあります。

見える化の本来の意味は「見えなかったものを見えるようにする」ことですので、このような情報には、必要に応じてアクセスできるようにしておくことが重要です。掲示板やITツールの活用で情報を見える化することによって、問題を即座に共有でき迅速な問題解決が図れます。

ただし、共有すべき情報は社員に都合の良い情報だけでは意味がありません。他の社員には見せたくない都合の悪い情報も、共有されなければならないのです。そのような問題を孕んでいるような情報が共有されることで、初めて問題解決につながっていくのです。

情報化社会と呼ばれて久しい今では、情報の管理は慎重になる必要があります。しかし、全くアクセスできないようでは問題解決への着手が後手に回り、より深刻化させる可能性もあります。

情報の見える化は、痛みを伴う改革となり得ますが、適切に行えば会社が抱える課題や問題を早期に解決する手立てとなるのです。

3. データを見える化する方法

最近では、「見えづらいものを見えやすいようにする」ことも見える化と呼ばれるようになり、「見える化」の汎用性が広がっています。

数字の羅列であるデータを、誰にでもわかりやすいように可視化することも「見える化」と呼ばれます。基本的な考え方は時計を使って説明できます。

「数」はデジタル、「量」はアナログと呼ばれ、時間の経過を針の動きによって「量」で示すアナログ時計の方が、時間を感覚的に理解するのに優れていると言われます。移動した針の位置を見た瞬間に「こんなに時間が経ったのか」と理解することができるのはこのためです。

この例のように”数”であるデータを”量”で示すことによって、データをより直感的に見やすくすることができます。収集したデータを棒グラフや線グラフ、円グラフに置き換えることによって、データの見える化は飛躍的に向上し、見る者の直感に訴えかけます。

データを収集する最大の目的は、データに基づいた分析につなげることです。数字の羅列であるデータを、誰が見てもわかるように見える化し、データの内容を共有できるようにすることが必要です。それにより分析に着手するスピードも上がり、作業効率が向上するのです。

見える化で企業内の問題や課題を整理

以上のように、工場で始まった見える化も、現在ではあらゆる仕事の場に浸透してきています。それは見える化が、企業の透明性を担保し、生産性向上にも役立ち、早期の問題解消に優れているからです。

見える化は全社一体となって進めなければならないので難しい面もありますが、会社が抱えている問題や課題が整理され、蓄積されたノウハウは会社の財産となります。これを機に、見える化に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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