著しく変化する現代社会におけるリスク管理とは

変化が著しい現代社会のなかで、企業や組織が時代のニーズに合わせて持続的な発展を続けるためには、不測の事態に備えることが重要になります。

経営に大きな影響を与えるリスクに対して重点的に対策を講じることでこれらを回避する手法を『リスク管理(リスクマネジメント)』と呼びます。これから発生するかもしれないリスクを洗い出し、整理し、それらのリスクを回避するための管理活動です。

リスクとは、「今後発生し得る不確定事象」という意味なので、マイナス影響を及ぼす出来事だけがリスクではありません。思わぬ出来事で企業に利益をもたらすものも一種のリスクといえます。

今回は、そんなリスク管理とはどのようなもので、何をやらなければいけないのかを解説していきます。

そもそも経営におけるリスクとは?

そもそも経営におけるリスクとは何を指すのでしょうか?企業はその規模に関わらず達成すべき目的や目標を定めています。

これらを達成する過程で妨げとなるあらゆる影響のことを「リスク」と呼びます。つまり、企業にとって自社の活動における障害のすべてをリスクと呼ぶことができます。

企業は、常に変化する経営環境や市場の動向から、どのようなリスクが起こるかを完全に予測することは難しいですが、リスクを事前に想定しながら、分析を行い進むべき方向性を決定していく必要があります。

リスク管理とは?

リスク管理というのは、想定されるリスクが「起こることがないように」、そのリスクの原因となる事象の防止策を検討し、実行に移すことが基本です。前述した想定されるリスクを特定、分析することで自社の目的・目標達成の障害となるものを排除・管理します。

多くの企業でリスク管理の導入は進められており、リスク管理を専門に扱う部署がある大企業も増えています。

また、近年では社内におけるリスク管理に加えて、社外のステークホルダー(例:株主・経営者・従業員・顧客・取引先など)と協調しながらリスク管理を行っていくことが重要になってきています。

一般的なリスク管理のプロセス

リスク管理の方法論は様々ですが、実際にリスク管理を実行するにはどのようにすればいいかを、一般的なプロセスを紹介します。

【一般的なリスク管理のプロセス】

  1. リスクの特定
  2. 抽出されたリスクの分析・評価抽出されたリスクをあらゆる角度から分析し、それらが自社にとってリスクであるかどうかの決定
  3. リスク対策方針の策定
  4. モニタリング体制を構築し、必要に応じて改良・改善の実行

これら一連の手順が、リスク管理のプロセスとなりますが、これらが文書化され可視化されることではじめてリスクが管理されている状態と呼べることになります。

リスク管理の導入が進む業界

リスク管理は、上場企業や金融業界ではかなり前から導入がされてきていましたが、最近では医療業界や食品業界でもリスク管理の導入が進んでいます。

医療業界のリスク管理

医療が直面するリスクといえば思い浮かべるのは患者の延命や治癒かもしれません。しかし病院という単位で見たときに経営が成り立たなくなれば、地域の人に適切な医療を提供できなくなります。また、医療事故、医療紛争が起きないための組織づくりも必要となります。

また超高齢化社会を迎えた日本で大きな社会問題となっている介護の現場でもリスク管理が求められています。

どんなに優秀な介護職員でも、介護の現場ではサービスの利用者に危険を及ぼす事件・事故と常に背中合わせです。また、利用者からの暴言や暴力の被害にあったり、その家族からの嫌がらせをうけ、介護職員が精神的に疲弊してしまうこともあります。

現場でのアクシデントが、時に訴訟問題に発展することもあるほどです。そうなると施設経営が立ち行かなくなる可能性もでてきます。そこで介護事故や現場で起こりうるトラブルを事前にリストアップして共有することで懸念される被害を最小限に抑える取り組みがされています。

食品業界のリスク管理

食品産業で社会問題にまで発展したのが、記憶に新しい異物混入の事故の多発でした。もしこれらの事故が初期の段階で原因が特定され、不良品を回収できていたらここまで大きな問題に発展していなかったかもしれません。

このような事故を未然に防いだり、素早い対応を可能にするのがトレーサビリティや厚生労働省が令和3年6月から義務化したHACCP(ハサップ)です。食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする管理方法です。

このように事故が起こったときにどこで、誰が、どのように、どうしたというように、迅速に原因を特定できるような体制を整えることが常識となってきています。素早く対応できるように常日頃からリスク管理を徹底していくことでこのような問題が起きたときの経営的に受けるダメージを大きく軽減させることができます。

あなたの会社のリスク管理は大丈夫ですか?

現在世界を取り巻く状況は慌ただしく変化し続け、それに伴い企業や組織を運営していく際に、どのようなリスクが想定され、どのようにそれらのコントロールし、突然訪れる危険を迅速に回避していくかが求められています。

その姿勢は組織を守るだけでなく、ステークホルダーに対しての責務として捉えられる時代になってきています。ぜひこの際に所属している組織のリスク管理について見直してみてはいかがでしょうか。

ワークプロセスマネジメントプラットフォーム
Tocaro(トカロ)

仕事のあらゆる行動を定量化し、成果につながるプロセスを見える化します。結果、意思決定の柔軟性を高め、チームの生産性を高めることが可能です。さっそくワークプロセスマネジメントプラットフォームのTocaroを使ってみましょう。