見える化がビジネスシーンでよく使われている理由とは

仕事をする際に、わかりにくい事柄に取り組むのは誰でも嫌なものです。そしてそのわかりにくさの裏側には問題が隠れていて、いつ、どのタイミングでその問題が噴出するかわからない。そんな環境で仕事をさせられている上に、「業務改善!」などと言われたらやる気もなくなります。

せめて、その問題を取り巻く事柄を分かるように抜き出し、職場のみんなと共有できれば、作業も進めやすくなるし、問題が起こったとしてもみんなで対処できます。それを可能にするのが「見える化」です。

この「見える化」という取り組みは現在ではあらゆるビジネスシーンに応用され、利用され、業務の改善に役立てられています。では、その「見える化」とはどのようなものなのでしょうか。

見える化の意味は?ビジネスシーンでは必須のワード

「見える化」という単語の意味はまさしく「見えるようにする」という意味です。もともとトヨタ自動車の生産ラインでトラブルが発生した時に、「アンドン」というランプを点灯させて、そこにいる全員がそのトラブルを目で見て分かるようにした。というのが「見える化」の起源です。

しかし、この「見える化」という言葉の意味のわかりやすさ、伝わりやすさから、様々な場面で使われるようになりました。ちょうど「可視化」と同じような意味合いで使われるようになったのです。

「可視化」は見るようにする事で、「そもそも見えなかったものを見えるようにする」という意味の言葉です。一方「見える化」は「見えなかったものを見えるようにする」という意味ですが、『生産効率をあげる為』という目的が裏にはあります。

しかし現在では「見える化」の言葉が持つ力が強く、「見える化」=「可視化」のように使われるようになりました。この他にも「見える化」という便利な言葉に集約されてしまう、ビジネスでよく使われる用語がありますので見ていきましょう。

見える化のビジネス用語としての汎用性

見える化は見えなかったものを見えるようにするという言葉です。その意味を広く捉えて、多くの用語が見える化という言葉に吸収されています。「可視化」はまさに意味が近いので「見える化」によく置き換えられます。

「データ化」というと色々な研究や観察した記録を、分かりやすいように文字や数字で出力することですが、「見える化」という言葉に置き換えられます。また、「数値化」という用語も、数字に出力して見えるようにするという意味で「見える化」と言われます。

その他にも「定量化」や「記録化」、「顕在化」なども、「見える化」という一語で表されることがあります。つまり、なんでも目で見てわかるようにすることが「見える化」と呼ばれるようになってきているのです。

これほどまでに汎用性のあるビジネス用語も珍しく、いかにビジネスの現場で「目で見える」という直感で捉えることが重要なのかということがわかります。それでは本来の見える化の使われ方を見ていきましょう。業務改善に根ざした取り組みです。

ビジネスプロセスの見える化には多くのメリットが

見える化という取り組みの中で一番基本とされるものの中に、ビジネスプロセス(業務プロセス)があります。日々の業務をこなしていくことに追われると、他の人から見てどのように仕事を進めているのかがわからなくなります。

もし、その人が行っている業務を順序立てて見えるようにできれば、無駄な業務を減らせるかも知れませんし、他の人がその人に替わって業務を続けることもできます。また、問題点を洗い出して、改善することができるようになります。そのようにして「見える化」された行程をビジネスプロセスと呼びます。

これにより、担当者本人でも見えていなかった問題点が見えるようになり、問題の早期発見や、再発防止に繋げることができるのです。

ビジネススキルを見える化すれば業績アップにも繋がる

見える化は業務の内容や、数値やデータを見やすくするだけではありません。そのプロジェクトに携わる全てのヒト・モノが見える化されると、より一層生産性を高めることができるのです。

チームでプロジェクトを進めていく際に、そのチームのメンバーは何ができて何が苦手なのか。また、どのような能力があるのかなどを「見える化」することによって、効果的な人員配置を行えたり、指示系統がうまく機能します。

そもそもスキルとは、技術力や知識、資格、管理者であれば管理能力など、業務を遂行するにあたって必要な能力のことで、経験値も含まれます。これらのスキルは見た目ではわからないことなので、数値やデータで見える化しておくことが重要です。

このようなデータがあると、メンバーのできることとできないことが分かるようになるので、指導・教育を施す際にも具体的にポイントをまとめてから施策を打つことができ、無駄が省け効率よく進められるのです。

見える化が見えなくする危険性

以上見てきましたように、様々な使われ方がされる「見える化」という用語と「見える化」という施策ですが、ここまでビジネスの世界に浸透しているのはやはりその使い勝手の良さからです。ネーミングもわかりやすく、コンセプトもしっかりしているので、一気に広がりを見せました。

しかし、この便利な「見える化」ですが、忘れてはいけないことがあります。それは、「見える化」は目的ではないということです。「見える化」する事によって次のステップに行けるということであって、「見える化」することで満足して、その後ろにあるものに目を向けることをやめてしまっては意味がないのです。「見える化」を上手に活用して業務改善に活かしましょう!

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