国産ビジネスチャットツールを選ぶべき3つの理由とおすすめ5選

「外資系のビジネスチャットツールは高機能だが、使い方が日本の慣習に合わない」「何かあったとき、英語のサポートでは不安が残る」「機密情報を海外のサーバーに預けるのは避けたい」

このように、セキュリティ、操作性、サポート体制の観点から、「国産」のビジネスチャットツールの導入を検討されている企業の皆様が増えています。特に、国内法への準拠や、日本語によるきめ細やかなサポートを重視する組織にとって、国産ツールは最適な選択肢となり得ます。

この記事では、国産ビジネスチャットツールが日本企業に選ばれる3つの明確な理由を解説します。また、貴社のニーズに合ったツールを選び、後悔なく活用していくための5つのチェックリストを提示します。さらに、国産のビジネスチャットツールで注目すべきおすすめツール5選をご紹介します。

国産ビジネスチャットツールが選ばれる3つの明確な理由

国産ツールが外資系ツールと比べて優位性を持つのは、単に「日本製」であるという安心感だけではありません。日本のビジネス環境に深く根ざした明確なメリットがあります。

1. 日本の商習慣と利用文化への高い適合性

日本のビジネスシーンでは、メール文化や独特の報告・承認フローが根強く残っています。国産ツールは、こうした文化的な背景を理解して設計されています。

日本語の自然な表現とUI: 画面の日本語表示やメッセージのテンプレートが、日本のユーザーにとって違和感なく、直感的に使用できるよう設計されています。外資系ツールに見られるような、直訳調で分かりにくい表現に悩まされることがありません。
「報・連・相」を意識した機能: 単なる会話だけでなく、タスク管理やファイル共有が最初から一体化しており、「言った、言わない」のトラブルを防ぎ、**日本的な業務進行（タスクの明確化）**をサポートする機能が充実しています。
馴染みやすいUI/UX: LINEや従来の国内グループウェアに似た操作感を持つツールが多く、デジタルリテラシーに差がある組織でも、全社員への定着を迅速に図りやすいというメリットがあります。

2. 万全なセキュリティと国内法準拠の安心感

機密性の高い情報や個人情報を取り扱う企業にとって、データの保管場所とセキュリティ基準は最優先事項です。

データ保管場所の透明性: 国産ツールの多くは、データセンターを国内に限定しています。これにより、海外のデータ保護法令（例：米国のクラウド法）の影響を受けるリスクを回避し、日本の法律やガイドラインに準拠した形でデータを管理できるという確固たる安心感が得られます。
強固な日本語サポート体制: 障害発生時やセキュリティに関する問い合わせが発生した場合、迅速に日本語でのサポートを受けられます。これは、緊急時の対応スピードが命取りとなる危機管理において、極めて重要な要素です。
日本のセキュリティ認証への対応: ISMAP（政府情報システムのためのセキュリティ評価制度）や各種セキュリティガイドラインへの対応を強化しているベンダーが多く、厳格なセキュリティ要件を持つ企業でも選定しやすいです。

3. きめ細やかなサポートと要望への迅速な対応

外資系ツールの場合、機能改善や要望への対応はグローバルな基準で行われるため、日本のユーザーの細かいニーズが反映されにくい傾向があります。

日本の働き方に合わせた機能改善: 土日・祝日のカレンダー連携、日本の独特な稟議・承認フローなど、日本固有の働き方や慣習に合わせたきめ細やかな機能改善が迅速に行われます。
手厚い導入サポート: 導入前のコンサルティングから、導入後の利用ルールの策定支援、全社員向けのトレーニングまで、国産ベンダーならではの細やかなサポートを受けられるケースが多いです。特に、初めてビジネスチャットを導入する組織にとっては大きな利点となります。

後悔しないための国産ビジネスチャット選定チェックリスト

国産ツールを選ぶメリットは大きいですが、その中から自社に最適なツールを見つけるには、以下の 5つのポイントで比較検討することが重要です。

1. コミュニケーションの目的とコア機能の適合性

タスク管理との連携は必須か？: 「チャットでの依頼漏れ」を防ぎたいなら、メッセージから即座にタスクを作成・管理できる機能が必須です。
外部との連携は多いか？: 顧客や協力会社との連携がメインであれば、セキュリティを担保しつつ外部ユーザーを招待しやすい機能が必要です。
Web会議機能は統合されているか？: Web会議とチャットをシームレスに連携させたい場合は、統合型のツールが有利です。

2. 既存システム（グループウェア、SaaS）との連携力

既に利用しているグループウェア（例：サイボウズ、Microsoft 365）や、基幹システムとの連携実績が豊富か。
将来的にシステムを統合する予定がある場合、柔軟なAPIが公開されているか。

3. デジタルリテラシーに応じたUI/UX

社員のITリテラシーが低い場合、LINEのような直感的でシンプルな操作性を持つツールを選ぶことが、全社定着の鍵となります。
管理画面（管理者向けの操作画面）が日本語で分かりやすく、利用ログの取得やアクセス権限の設定が容易か。

4. セキュリティ・ガバナンス要件の確認

データセンターが日本国内にあるか。
SSO（シングルサインオン）や二段階認証など、組織の認証基盤と連携できるか。
監査ログを長期（例： $7$ 年以上）にわたって安全に保管できる機能があるか。

5. 料金体系とサポート体制

無料プランでどこまで利用できるか。有料プラン移行時にユーザー数に応じてコストが適正か。
導入時の初期設定サポートや、運用開始後のヘルプデスク対応が日本語で充実しているか。

国産ビジネスチャットツールおすすめ5選

上記の選定チェックリストを踏まえ、特に日本の企業に選ばれている国産のビジネスチャットツールを 5つご紹介します。

1. Tocaro：タスクと情報を統合し、業務漏れを防ぎたい組織に

純国産のTocaroは、チャット・タスク管理・ファイル共有を融合したオールインワン型ツールです。

国産選定のポイント: 「メッセージからのワンクリックタスク作成機能」により、チャット上の依頼を流出させず、確実に業務として進捗管理できます。これは、日本のチームで起こりがちな「言った/言わない」「タスクの曖昧さ」を解消する上で非常に強力です。また、国内サーバーでのデータ管理、日本語によるきめ細やかなサポート体制が整っており、セキュリティと業務効率化を両立させたい組織に最適です。

公式サイト：https://www.tocaro.im/

2. Chatwork：シンプルな操作性と外部連携を重視する組織に

Chatworkは、日本の中小企業を中心に高い普及率を誇る国産チャットツールです。

国産選定のポイント: 極めてシンプルなUI/UXが最大の特徴であり、デジタルリテラシーに関わらず、短期間で全社員への定着が見込めます。タスク管理機能が画面右側に標準搭載されており、外部の協力会社との連携が Chatwork ID で容易に行えるため、社外連携が多い企業にも選ばれています。

公式サイト：https://go.chatwork.com/ja/

3. LINE WORKS：圧倒的な定着率と災害時利用を重視する組織に

LINE WORKSは、コンシューマー向け「LINE」とほぼ同じ操作性を持つ、ワークスモバイルジャパンが提供するビジネスチャットです。

国産選定のポイント: 操作が LINEと似ているため、全社員の学習コストがほぼゼロで、圧倒的な定着率を誇ります。グループチャットでの既読確認機能が充実しており、災害時の安否確認や緊急連絡の確実性を確保したい自治体や大規模組織で特に評価されています。カレンダーや掲示板などのグループウェア機能も統合されています。

公式サイト：https://line.worksmobile.com/jp/

4. Garoon：既存のサイボウズ環境との統合を求める組織に

サイボウズが提供するGaroonは、チャット機能だけでなく、スケジュール、ポータル、掲示板などを統合したグループウェアです。

国産選定のポイント: 既にサイボウズ製品（kintoneなど）を利用している企業であれば、他のシステムとのスムーズな連携と一元的な管理が可能です。大規模な組織管理機能に優れており、日本の複雑な組織階層や権限管理に対応できるため、大企業や官公庁での導入実績も豊富です。オンプレミスでの提供も可能なため、セキュリティ要件が厳しい組織にも選ばれています。

公式サイト：https://garoon.jp/