働き方改革や新型コロナウィルスの感染拡大により働き方が多様化する現在は、社内コミュニケーションをどれだけ円滑化出来るかが企業の競争の源泉となってきます。
以前はオフィス勤務が基本だったためあまり意識をしたことがないかもしれませんが、これからは組織的に仕組みを構築して社内コミュニケーションを円滑化する努力をしなければ、プロジェクトの成功はおろか企業への帰属意識の希薄化など企業を運営していく上で致命的な問題が起こりかねません。
今回は、意識的に社内コミュニケーションを円滑化させなければいけなくなった理由とどのように社内コミュニケーションを円滑化させれば良いかを解説していきたいと思います。
そもそもなぜ働き方改革が必要になったのか?
2019年4月から「働き方改革」が順次施行されましたが、そもそもなぜ働き方改革が必要となったのでしょうか?主な要因は以下のようなものとなっています。
- 日本生産性本部2015年の調査によると、日本の生産性は主要先進7カ国では最も低く、近年においてはOECD加盟国中21位にとどまっている。
- 日本人は海外の労働者とは労働に対する価値観が違う。そして勤勉であるがゆえ、丁寧な仕事にこだわるあまり、労働時間がどうしても長くなりがちである。
- 平成30年実施の厚生労働省による『平成30年中における自殺の状況』によれば、仕事を原因や動機とする国内の自殺者数は約2,000人にものぼる。
- 総務省統計局による2019年12月確定版の『人口推計』では、14歳以下の人口は40年近く連続して減少しており、今後も少子化の動きは止まらないとされる。
- また同調査によると15歳~64歳の生産年齢人口は、2013年に8000万人を下回り、今後も減少し続けると予想されている。
- 日本政府が標榜する『一億総活躍プラン』では「介護離職ゼロ」が目標になっているが、総務省統計局の調査では、平成29年には7万5千人の女性が「介護・看病」を理由に離職している。
このように日本が抱える問題は深刻で、未来を見据えた時に働き方に抜本的な改革が必要とされ、働き方改革が提唱され施行されることとなったのです。
働き方改革、コロナ感染拡大で多様化する働き方
働き方改革では、労働時間の削減が大きな課題となっており、2019年施行当初よりテレワークが注目され大企業での導入が始まりました。
そして、2020年の新型コロナウィルス感染拡大の影響で企業規模に関わらずテレワークが一般的となり、それに伴い働き方が多様化するようになりました。
働き方の多様化で変化する社内コミュニケーション
働き方改革、新型コロナウィルス感染拡大に伴って広がった働き方の多様化ですが、これにより最も大きな変化を強いられるのが「社内コミュニケーション」のあり方です。
以前は、十分な社内コミュニケーションをしていた企業でも、社員がオフィス以外での勤務をするようになると、それまでとは勝手が変わり、難しさを感じる方もいるかと思います。
それまではデスクに行けば話ができたものが、オンライン上でしか話ができなくなります。チャットツールも発達を続けていますが、対面による気軽なコミュニケーションとは違ったものになります。
これからの社内コミュニケーションに必須なITツール
物理的なコミュニケーションが取りづらいこれからの社内コミュニケーションの手助けをしてくれるのがITツールです。ITツールを導入することにより、社内コミュニケーションの活性化のみならず以下のようなメリットを享受することが出来ます。
1. 情報伝達のスピードUPによる生産性の向上
対面やメールに比べ、挨拶に関する言い回しなどを気にせず、伝えたい情報だけを送ったり、返信の文章を考えずに、スタンプで返答するなどの文化が根付いているコミュニケーションツールを使用することで、煩わしかった社内のコミュニケーションもすっきりして、生産性の向上も期待できます。
2.対面のミーティングがグループチャットで時間短縮
社内でミーティングと言うと、場所をセッティングしたり、移動に時間がかかったりなど、ミーティング以外のことに時間を取られますが、グループチャットでミーティングをすることで、デスクでミーティングに即座に入れる上に、ログが残るので、議事録を作る手間も省けます。
3. 情報共有が一括で行える
近年のコミュニケーションツールの優れたところは、メールと違って複数人との情報共有がリアルタイムで行える機能が多いところです。社内でグループを作成して、そこに情報を投下すれば、その瞬間に情報共有が行なえます。
ビデオ通話では、複数人で資料を共有しながら話もできます。またオンラインで資料作成する際は、同時に手直ししながら、完成するまで画面を共有して話し合えます。
社内コミュニケーションを再定義し、新しい時代での成長を
ここまで解説してきたように急激に社内コミュニケーションのあり方は変化してきています。
これまでは同じ時間に同じ場所にいるのが普通だったのが、現在では働く場所も働く場所も従業員側が選べるようになってきており、組織として新たな社内コミュニケーションのあり方を再定義し、仕組み化していかなければ成長はおろか会社が傾くリスクすら抱えています。
これまでの常識に囚われることなく自社にとって最適な新しい社内コミュニケーションの形を検討し、実現してください。