今回のテーマは、テレワークの問題点。働き方改革や新型コロナウイルス感染対策で、テレワークを導入した企業が増えています。感染予防やワーク・ライフ・バランスの実現やコスト削減などメリットが多い一方、結構重要なテレワークの問題点に直面している人も。その問題点と解決策をご紹介します。
働き方改革や新型コロナウイルス感染対策で増えている「テレワーク」
テレワークとは、働く場所を特定したり時間にとらわれず、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用して働くスタイルのことです。
ワーク・ライフ・バランスの実現、生産性の向上、オフィスコストの削減、雇用を促進したり人材の確保などが期待できるため、働き方改革推進の一環として注目されています。
さらに今、新型コロナウィルス感染対策でテレワークを取り入れたした企業も増えています。
テレワークにも問題や不安な点がある
これまでの働き方では生まれなかった多くのメリットがあるテレワークですが、実際にテレワークを導入すると問題に直面したり、不安な気持ちになっている人もいます。
テレワークで実際に起きる問題とその解決策を以下で解説していきます。
問題点1:コミュニケーションを取るのが難しい
テレワークの中は、ほかの従業員とのコミュニケーションが不足しやすくなるため、チームとしての連帯感を感じにくくなったり、仕事に対する熱意が低下してしまう心配や、1人で作業するため、孤独感を感じ不安になるケースもあります。
こうした状況が続けば、企業の組織力の低下につながりかねません。
【解決策】チャットツールでチームワークの維持を
ビデオ機能のあるチャットツールなどで、チームで会話できるツールを採用しましょう。ビデオで定期的に顔を合わせるなどのミーティングなどを開催したり情報を共有し、メンバー間のコミュニケーションを取る仕組みを作りましょう。
問題点2:自宅で勤務する環境を作るのが難しい
自宅に1人になれる個室がない、家族が話しかけてきてなかなか仕事に集中できない、ONとOFFの切り替えでしにくい、という経験談も。
また、Wifi環境が良くないため業務に支障をきたす、いった事例もあります。
【解決策】ネット環境の見直しや「ポモドーロ・テクニック」の実践
コワーキングスペースやタッチダウン型オフィスなど、「サードプレイスオフィス」の利用すると、オフィスと同様の環境で集中しやすく、オンオフの切り替えもしやすいです。
しかし外出自粛期間は現実的に難しいため、音を遮断するヘッドフォンを使用したり、作業効率が上がると言われている「ポモドーロ・テクニック」という、25分作業して5分休憩するサイクルシステムを実践してみてはいかがでしょうか?
自宅のWifi環境は、インターネット契約の見直しや中継機などの導入をするなどし、業務の効率が上がる工夫をしましょう。
問題点3:IT機器を使用する業務にしか適用できない
テレワークで可能な業務は、基本インターネットを使った仕事に限定されます。そのため、職種によってはテレワークができないという場合もあります。
【解決策】一部の作業をテレワークしてみる
そういった職種でも、メールや資料作成など、パソコンやスマホ、タブレットで行う作業が生じることが多いかと思われます。業務の一部はテレワークで、といった取り入れ方も解決策のひとつです。
問題点4:上司の捺印が必要な決裁や承認が取りにくい
書類を扱っている人や署名や捺印が必要な文書が必要な人、上司の決裁や承認を得るために上司の捺印が必要な場合、テレワークが難しい、郵送などで行うとスピーディに業務が進まない、などの問題点が生じます。
【解決策】電子印鑑や契約書の導入
捺印の電子化を導入、電子承認が導入されると生産性が上がり、コミュニケーションのストレスも減少させられます。
問題点5:勤怠の管理がしにくくなる
在宅勤務中、仕事をサボってしまう可能性があったり、逆に「会社で働くとき以上に生産性を上げないと!」とプレッシャーを感じて休憩を取らず寝る間も惜しんで働く可能性があります。
【解決策】遠隔でも勤怠管理できるシステムの導入
勤怠をメールやチャットツールで報告したり勤怠管理ツール、パソコンの操作ログによって勤怠を記録するシステムの導入がおすすめです。
適正な勤怠管理と労働時間に関するルール遵守を徹底することで、安心して働ける仕組みが作れます。
問題点6:社員の評価をしにくい、されにくい
テレワークでは働いている姿や状況が上司から見えないため、しっかり働いているのに上司が仕事内容や難易度を理解していない場合には、適切な評価を得られない可能性があります。
また上司からの指示が分かりづらい、お互いの状況が分かりにくいことによってタスクの優先順位がつけにくい、といった問題点も。
【解決策】状況を理解し、正当な評価ができる人事制度を
上司は社員の担当業務を過小評価、または過大評価しないように、業務にかかる時間や難易度を把握することが重要です。
また、テレワークの社員を正当に評価するために、労働時間の長さを評価するのではなく仕事の成果を評価する人事制度を採用したり、コミュニケーションを多く取り状況の理解に務めましょう。
問題点7:情報セキュリティの不安
テレワークの一番の問題点として、情報漏えいやセキュリティ面の不安をあげる企業も多いです。社内のみで仕事をするより、社員が外部に情報を持ち出すことによる情報漏洩のリスクも高まります。
【解決策】万全の対策と社員の意識を高めること
テレワークする端末の所在や利用者の管理を徹底、機密性の高いデータは暗号化したりデータのバックアップを取るなどの対策をしましょう。
対策ウィルス対策ソフトの導入やパスワード管理の徹底などのセキュリティ対策を実施するなど、社員が使用する端末のセキュリティに関して、十分な対策が必要です。
そして社員自身がセキュリティに関する意識を高めることが、情報管理上の事故を防止するために重要です。
問題点を解消し、テレワークのメリットを高めよう!
このように、テレワークにはいくつか問題点がありますが、この問題点を解消することができれば仕事の生産性が上がり、働き方改革の推進も見込まれます。少しでもテレワークの問題点を解決し、テレワークのメリットを高めていきましょう!
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