ビジネスチャットのテキストとビデオ通話を使い分けて業務の停滞を防ぐ活用術とは?

チャットツールによるやり取りが日常的になった現代のオフィス環境。手軽に文章を送れる反面、現場では新たな壁が立ちはだかっています。

「文字だけでは細かいニュアンスが伝わらず、何度もやり取りが往復してしまう」

「確認したいだけなのに、わざわざカレンダーで1時間のWeb会議の予定を組まされる」

こうした「テキストの限界」と「重すぎる会議」の板挟みを解消するのが、ビジネスチャットに備わっている「ビデオ通話」機能です。

この記事では、単なるWeb会議とは一味違う、チャットとビデオ通話を掛け合わせた新しいコミュニケーション手法と、業務の停滞を防いでチームの連携を滑らかにする具体的な活用方法を分かりやすく解説します。

チャット定着後に生じる「コミュニケーションの停滞」とビデオ通話の課題

テキストチャットが広く使われるようになったからこそ、現場では「文字特有の限界」による業務の遅れやストレスが浮き彫りになっています。まずは、多くの職場で起きている典型的な課題を整理してみましょう。

  • 文字の往復によるタイムロスの発生
    簡単な疑問や確認事項のつもりでテキストを送ったものの、受け手の解釈ズレによって「そういう意味ではなくて…」と何往復もチャットが続き、結果的に何時間も作業がストップしてしまうケースです。
  • 「1分で終わる話」のために重い会議が組まれる
    「チャットでは伝えきれないから」と、数分で済む相談のためにわざわざカレンダーで30分や1時間の会議枠を押さえてしまう現象です。予定合わせの手間がかかる上、お互いの集中時間が削られてしまいます。
  • 通話で決まったことがタイムラインに残らない
    口頭での話し合い(ビデオ通話)で「A案で行きましょう」と合意したにもかかわらず、その決定事項をチャットに文字で書き戻さないため、「言った・言わない」のトラブルや、会議に参加していなかったメンバーへの共有漏れが発生します。

「従来のWeb会議」と「ビジネスチャットのビデオ通話」は何が違うのか?

多くの人が「ビデオ通話」と聞くと、あらかじめURLを発行してカレンダーに予定を入れ、時間通りに集まる「Web会議(ZoomやGoogle Meetなど)」を思い浮かべます。

しかし、ビジネスチャットに備わっているビデオ通話(スポット通話)は、目的も使い勝手も根本的に異なります。この違いを正しく理解することが、業務の停滞を防ぐ第一歩です。

比較項目従来のWeb会議ビジネスチャットのビデオ通話(スポット通話)
主な目的計画的な協議・決定・報告チャット途中の認識ズレ解消・即時相談
事前準備URL発行、カレンダー日程調整、議題の作成ゼロ(チャット画面からワンクリック)
所要時間の目安30分 〜 60分1分 〜 5分(用事が済んだら即終了)
画面の主役参加者の「顔」共有された「資料・画面・システム」
心理的ハードル高い(事前に予定を固める必要がある)低い(「今2分いいですか?」で繋がる)

Web会議が「かしこまったフォーマルな打合せ」だとすれば、チャット内のビデオ通話は「オフィスで隣の席のメンバーに『ちょっといい?』と声をかける感覚」に非常に近いものです。この「軽さ」こそが、業務スピードを劇的に引き上げる鍵となります。

テキスト×ビデオ通話を融合させる4つの活用アプローチ

ビデオ通話を「あらかじめ予定を組むフォーマルな会議」として使うだけでは、チャットツールの真価は発揮できません。チャットの即時性とビデオ通話の視覚情報を上手く組み合わせる4つのアプローチを紹介します。

⒈ チャットから「1秒でつなぐ」スポット通話の文化を作る

  • 【概要】:テキストの往復が3回を超えたら、その場でチャットからダイレクトにビデオ通話をかけ、数分間で認識を合わせます。
  • 【実践策】:「チャットで送るより話した方が早い」と感じたら、「今2分だけビデオ通話いいですか?」と一言送り、その場で通話ボタンを押す。
  • 【もたらす変化】:予定調整の手間がゼロになり、テキスト特有のニュアンスの違いによるミスやモヤモヤをその場で解消できます。

⒉ 「画面共有」をメインにしたピンポイントの意識合わせ

  • 【概要】:顔を映すことよりも「同じ画面(資料やシステム操作画面)」を互いに見ながら会話することを最優先します。
  • 【実践策】:デザイン案、マニュアル、システムの不具合画面などをビデオ通話で画面共有し、「この赤枠の部分です」とカーソルで指しながら会話する。
  • 【もたらす変化】:言葉の行き違いがなくなり、マニュアル作成や資料修正の手戻りが劇的に減少します。

⒊ 通話終了直後に「決定事項」をチャットへ逆流させる

  • 【概要】:ビデオ通話で話した内容が「口頭のやり取り」で消えてしまわないよう、会話が終わった瞬間にチャットへ結論を残します。
  • 【実践策】:通話が終わったら、話した内容の要点を「先ほどの通話にて、〇〇の方向性で進めることに決定しました」とチャットのグループに1行投稿する。
  • 【もたらす変化】:その場にいなかったメンバーにもプロセスが透明化され、後からの検索や証跡確認も容易になります。

⒋ 音声通話から直接「タスク」を切り出して登録する

  • 【概要】:通話の中で生まれた「誰が・いつまでに・何をやるか」という口約束を、そのまま即座に実行可能な仕事としてシステム化します。
  • 【実践策】:ビデオ通話中に「じゃあこれをお願いね」と決まった事柄を、通話画面や直後のチャット画面からそのままタスク機能として登録・担当割り振りを行う。
  • 【もたらす変化】:「言ったけれど誰もやっていなかった」という口頭伝達の最大の弱点が排除されます。

日常業務でビジネスチャット×ビデオ通話が光る3つの瞬間

実際にどのような場面でテキストチャットとビデオ通話を組み合わせれば効果的なのか、よくある3つの業務シーンから具体的に見ていきましょう。

シーン1:企画書やデザイン案のフィードバック

テキストだけで「表紙のトーンをもっと明るくして、2ページ目の図を右寄りにしてください」と伝えると、修正後に「思ったのと違う…」という再修正が発生しがちです。

  • 活用手順
    1. チャットで「デザイン案について2分だけ画面見ながらすり合わせさせてください」と連絡。
    2. 即座にビデオ通話を開始し、デザイン画面を共有。
    3. 「この文字サイズをもう少し大きくして、ここの余白を削るイメージです」とマウスカーソルで指しながら対話。
    4. わずか3分でニュアンスが完全に伝わり、一発で修正が完了。

シーン2:システムの不具合やエラーへの緊急対応

文章で「エラーが出ました」と送られても、開発担当やサポート担当は「どのような操作をして、どんなエラーメッセージが出たのか」を推測するしかありません。

  • 活用手順
    1. エラーに遭遇したメンバーが、不具合が起きている画面を開いたままチャットから通話を開始。
    2. 画面共有でエラー画面と操作手順を再現して見せる。
    3. 担当者は一目で原因(入力形式の違いや権限不足など)を特定し、その場でアドバイス。
    4. 問い合わせの往復に1日かけることなく、5分で問題解決。

シーン3:新メンバーや後輩からの「ちょっとした質問」

ITツールに不慣れなメンバーや新人ほど、「こんな初歩的な質問をチャットで送っていいのかな」「文章にするのが難しい」と遠慮し、抱え込んでしまいがちです。

  • 活用手順
    1. 「〇〇の件で少し迷っているのですが、今お時間よろしいですか?」とチャットが来る。
    2. 先輩側から「通話繋ぎますね!」と明るく呼び出し。
    3. 画面を見ながら「ここをクリックして、こう入力すれば大丈夫だよ」と教える。
    4. 業務の疑問が解決すると同時に、オンライン上で孤立しがちなメンバーとの信頼関係(心理的安全性)も深まる。

導入時にやりがちな「ビデオ通話運用」の失敗パターンと回避策

ビジネスチャットのビデオ通話をせっかく導入しても、運用のルールを間違えるとメンバーに使われなくなってしまいます。事前に把握しておくべき3つの失敗パターンと回避策を解説します。

失敗1:「カメラON(顔出し)」を絶対のルールにしてしまう

  • 落とし穴:在宅勤務中や外出先などでは、身だしなみや部屋の映り込みが気になり、「カメラをつけなければいけないなら通話したくない」と敬遠されてしまいます。
  • 回避策:「カメラOFF推奨・画面共有が最優先」というルールを掲げましょう。顔を映さなくても、資料や操作画面さえ共有できれば業務のすり合わせには100%十分です。

失敗2:スポット通話のつもりが「だらだら長引いてしまう」

  • 落とし穴:ついつい関係のない雑談や別の議題に花が咲いてしまい、気づけば30分以上話してしまい、お互いの集中時間が奪われます。
  • 回避策:通話の冒頭で「2分だけ」「この点だけ確認させてください」と時間の終わりを宣言する文化を作りましょう。用件が終わったら「ありがとうございました!」と即座に切る軽やかさが大切です。

失敗3:通話した本人たちしか「決定内容」を知らない

  • 落とし穴:1対1のビデオ通話で「次回からこの手順でやろう」と決めたのに、グループ全体に共有しないため、他のメンバーが旧手順のまま作業を進めてトラブルになります。
  • 回避策:通話が終わった直後に、該当するチャットチャンネルへ「【決定事項】先ほどの通話で〇〇に変更となりました」と投稿するまでを、ビデオ通話のセット運用として定義します。

ビデオ通話が使いやすいおすすめのビジネスチャット5選

テキストチャットの利便性だけでなく、ビデオ通話や音声コミュニケーションをいかにスムーズに行えるかに着目し、代表的な5つのツールをご紹介します。

⒈ Tocaro(トカロ)

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が提供する「Tocaro」は、金融機関レベルの強固なセキュリティを保ちながら、テキストチャットとビデオ通話、さらにはタスク管理までを一気通貫で行える信頼性の高いツールです。

  • 強みと特徴:最高水準の暗号化とアクセス制御を備えており、機密情報を扱うやり取りでも安心して利用できます。画面は直感的で洗練されており、複雑なマニュアルを読むことなく直感的に操作できます。
  • 「ビジネスチャット ビデオ通話」に最適な理由:個別チャットやグループの画面から、ワンクリックでクリアな画質のビデオ通話・画面共有を開始できます。さらに、ビデオ通話で決まった決定事項や依頼事を、通話画面のすぐ傍らでそのまま「タスク」として登録・管理できる機能が極めて強力です。「話して終わり」にならず、確実な業務実行までを一流れで完結させられます。
  • URLhttps://tocaro.im/

⒉ Chatwork(チャットワーク)

日本のビジネス現場で広く親しまれている、シンプルで分かりやすい国産ツールです。

  • 強みと特徴:メール感覚で使えるUIを備えており、ITに不慣れなメンバーでもスムーズになじめます。社外の取引先とのグループ作成も簡単です。
  • 「ビジネスチャット ビデオ通話」に最適な理由:「Video call」機能が標準搭載されており、チャットルーム内からすぐにかけることが可能です。タスク管理機能も備わっているため、話しながらやるべきことをメモ感覚でタスク登録できます。
  • URLhttps://go.chatwork.com/ja/

⒊ LINE WORKS(ラインワークス)

普段利用しているLINEの使い心地を業務レベルのセキュリティで実現したツールです。

  • 強みと特徴:お馴染みの操作感とスタンプ機能により、利用にあたっての教育コストがほぼかかりません。現場で働くメンバーとの相性が抜群です。
  • 「ビジネスチャット ビデオ通話」に最適な理由:スマホアプリからワンタップで高品質な音声・ビデオ通話が起動できます。現場の状況をカメラで映しながら本部に相談するなど、モバイル環境でのビデオ通話に大きな強みを持ちます。
  • URLhttps://line-works.com/

⒋ Slack(スラック)

自由度が高く、世界中の先進的なチームで利用されているコミュニケーションプラットフォームです。

  • 強みと特徴:多数の外部ツールとの連携や、特定の話題ごとに細かく会話を整理できる「スレッド機能」が充実しています。
  • 「ビジネスチャット ビデオ通話」に最適な理由:「ハドル通話」と呼ばれる軽い音声・ビデオ通話機能が非常に強力です。チャンネル内でワンタップで起動し、カレンダー予約なしの雑談やサクッとした画面共有相談に最適です。
  • URLhttps://slack.com/

⒌ Microsoft Teams(マイクロソフト チームズ)

Officeアプリとの親和性が高く、広範な企業インフラとして導入されている統合ツールです。

  • 強みと特徴:WordやExcelの共同編集、Outlook予定表との連動など、Microsoft製品群とシームレスに機能が結合されています。
  • 「ビジネスチャット ビデオ通話」に最適な理由:高度なWeb会議・ビデオ通話機能を備えており、大人数でのセミナーから1対1のスポット通話まで幅広く対応。通話中の背景ぼかしやリアルタイム字幕など、通話サポート機能が豊富です。
  • URLhttps://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software

ビデオ通話とチャットの掛け合わせで実現するこれからの組織像

テキストチャットが日常化している今、次に求められるのは「文字」と「声(ビデオ通話)」のスマートな使い分けです。

1時間の重い会議を組むのではなく、チャットの途中でサッと画面を共有し、2分間で疑問を解決する。そして決まった内容をそのままタスクに落とし込む。この軽やかなリズムが根付くことで、無駄なやり取りや待ち時間は劇的に減少します。

まずは「カメラOFFでもOK」「気になったらすぐ通話ボタンを押してOK」という小さなルールから、会話の滞らない柔軟な組織基盤を築いていきましょう。

ワークプロセスマネジメントプラットフォーム
Tocaro(トカロ)

仕事のあらゆる行動を定量化し、成果につながるプロセスを見える化します。結果、意思決定の柔軟性を高め、チームの生産性を高めることが可能です。さっそくワークプロセスマネジメントプラットフォームのTocaroを使ってみましょう。