ヘルプデスク業務を改善する4つのポイント

システムやネットワーク、商品の問い合わせに対応し問題を解決するのがヘルプデスク業務です。ヘルプデスクでは、問い合わせ件数の多さや電話やメールでの説明が難しいといったことが問題となって、問い合わせ対応に苦慮される企業は多いのが実状です。

大企業では、IT関連の社内窓口として社内ヘルプデスクを設置し、システムを構築する社内SEと業務を分担することが多くなっています。

中小企業では、社内ヘルプデスクと社内SEに境界はなく、限られた人数で全ての業務を分担するケースも少なくありません。ヘルプデスク担当者の負担を軽減し業務改善を図るには、対応状況の可視化やITツールの導入など有効ないくつかの方法があります。

今回は、ヘルプデスクの運用上の問題点や業務改善の4つの方法などをご紹介します。

ヘルプデスクの業務内容

ヘルプデスクには、大きく分けて「社外ヘルプデスク」と「社内ヘルプデスク」の2種類があります。それぞれの業務内容についてまとめてみました。

社内ヘルプデスクの業務

社内ヘルプデスクは、社員からの問い合わせに対応する業務がメインです。
・パソコンのセットアップやクリーニング
・パソコンの撤去
・独自システムの構築
・システムに関するマニュアル作成や操作方法を直接社員に教える
・サーバーの設置、設定
・システムに関するマニュアルの作成など

社外ヘルプデスクの業務内容

電話やメールで顧客からのお問い合わせに対応する業務がメインです。
・製品やサービスに関するお問い合わせ
・トラブル、クレーム対応
・コールセンター業務 

ヘルプデスクのよくある4つの問題点

ヘルプデスクの問題点はどのようなものでしょうか。

1. 業務に関する知識の習得が追い付かない

ヘルプデスク業務は、対応範囲が幅広く業務内容は多岐に渡ります。担当者は、どんな問い合わせにも対応するために情報管理システムや経理関連システム、マニュアル作成、IT環境の整備など幅広い業務内容の知識を習得し、アップデートしていかなければなりません。

しかし、実際は日々の業務に追われ、知識の習得にあまり時間が割けないといったことが問題視されています。また、習得する知識量が多く、全ての情報を把握するのが難しいことも課題です。

2. 問い合わせ件数が多い

ヘルプデスクの担当者は日々多くの問い合わせに対応し、時間に追われています。同じ内容の質問に一日に何度も回答することもあり、問い合わせ件数の多さが課題となっています。

3. 従業員・顧客の満足度をUPさせられるか

社内ヘルプデスクは従業員、社外ヘルプデスクは顧客とに対して、「それぞれの対象者の満足度をUPさせる」ことがヘルプデスク本来の役割です。

例えば、企業でシステム障害が起こった場合、社内ヘルプデスクが迅速で適切な対応をすることで、トラブルを即座に解決し、他部署の業務を円滑にしてくれるでしょう。

一方で、社内ヘルプデスクの対応が悪く、問題解決に多くの時間を要してしまう場合は、他部署の業務効率が落ち企業の運営に大きな損失を生んでしまうことも懸念されかねません。

また、社外ヘルプデスクでも同様で、問題をすぐに解決できない場合、顧客からの信用を失い、企業イメージがダウンするなど売上の低下につながることも考えられます。

4. 電話やメールでの説明が難しい

ヘルプデスク業務は、高度なコミュニケーション能力が求められます。問い合わせをする方はITリテラシー(ITを使いこなせる能力)や理解度が個々に異なるため、電話やメールでの説明が難しいことが多いのです。

そのような場合、専門用語をかみ砕いて分かりやすい言葉で説明しなければなりません。口頭やメールでは上手く伝わらない、問い合わせ内容を相手が担当者に上手く伝えられないケースもあり、トラブルに発展することもしばしあります。

電話やメールでの説明は、担当者のスキルやキャリア、コミュニケーション能力によって大きな差が出てしまうのが課題です。

ヘルプデスクの業務を改善する4つのポイント

上記でご説明したよくある課題を解決し、業務を改善する4つのポイントを紹介します。

1. FAQやチャットボットなどでよくある質問の解決を促す

「よくある質問」の解決には、FAQシステムやチャットボットなどを用意し、質問を入力したら、回答をすぐに提示できるようにすることが有効です。

まず、FAQシステムを用いて「よくある質問」に関する専用ページを先に設けて、必要とする情報が得られなかった場合、専用ページ以外でも回答できる環境としてチャットボットを活用することが多いそうです。もちろん、チャットボットを先に活用するという方式でもあります。

チャットボットをAI型にする場合は、学習データや運用開始後のチューニングが必要になることから、FAQの数が少ないうちは、AIでない方式を用いる企業も多いです。

社内ヘルプデスクの場合、問い合わせ数、ヘルプデスク担当者の人数によっては、専用のシステムを導入してまでやる必要がないという判断も大事です。簡単な方法としては、一問一答を記載したエクセルシートを社内ファイルサーバーで共有するという方法でも十分です。

2. FAQやチャットボットの利用率を高める

せっかくFAQやチャットボットを導入しても、利用されないようでは問い合わせ数を減らすことは出来ません。

そのため、FAQページやチャットボットへ遷移するためのボタンなどを目立たせるのはもちろん、ヘルプデスクに問い合わせる前にも、再度導線を用いて自己解決を促す工夫は大変有効です。導線をよくすることが大切です。

3. 問い合わせの集約やステータス管理で効率化する

ヘルプデスクへの問い合わせは、電話、メール、チャット、そしてLINEやTwitterなどとなると、誰がどこまで対応できたのか、把握に時間がかかり対応漏れを招いてしまう原因となります。

そのため、全ての問い合わせ経路を一元的に管理するためにも、問い合わせ管理システムの活用がおすすめです。多くの問い合わせ管理システムでは、集約したお問い合わせの対応状況を1画面でステータスとして管理できますので、誰がどこまで対応しているのかを把握しながら、問い合わせの割り振りなどが行えるようになっています。

4. スピーディーな返信を実現する

お問い合わせの数が多くても、返信はスピーディーに行うことが大事です。社内ヘルプデスクの問い合わせの中には、「PCが繋がらない」「プリンターが動かない」などすぐに対応しないと業務が滞ってしまう内容が多いため、気をつけましょう。

お問い合わせの中には、「いつもと同じように回答する」ことが多いため、メール返信の際は、都度文面を作成していくのではなく、既に用意した返信テンプレートから該当する文章を選んで使えるようにすると、文章作成時間が削減できるようになります。

その際、チームの誰でも返信テンプレートを作成・登録できるようにすれば、テンプレートが増えやすくなりますので、テンプレートを用いた返信率が高まります。スピーディーな返信は、顧客や社員の満足度をUPにも繋がるので重要です。

業務を効率的に行うシステムの導入を検討してみましょう

ヘルプデスクは製品・サービスをお客様に提供する上では必ず必要になる重要な役割です。

ただし、購入前の情報取集段階から、初めての使い方、そしてトラブル時の対応などまで広範囲にカバーしなければならないうえ、お客様や社員が多いほど、数多くの問い合わせが寄せられてしまいます。

その中で、問い合わせを減らす仕組みや、問い合わせ対応を効率的に行う仕組みなどが着々と進化を遂げていますので、これらを上手く使わない手はありません。

ビジネスチャットやチャットボットなど、業務効率化に繋がるサービスを検討してみてはいかがしょうか。

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