ヘルプデスクの運用業務って何?システム運用を楽にするポイントを徹底解説

近年の企業のIT化によって、ヘルプデスク業務の負担がどんどん増加しているため、アウトソーシングを検討している企業が増えてきています。増加の背景としては、コロナ禍での在宅勤務に伴うネット環境の発展によってクラウドサービスの利用やIT機器が増えていること、業種を問わず複数の端末を管理し使用することが普通になってきたことです。その結果、ヘルプデスクの負担が増加し、管理も複雑化する一方です。

ITシステムのノウハウや経験が必要なシステム運用は、専用サービスを使った自動化・省力化が進んでいて、外部のプロにアウトソーシングする例も増えています。システム運用業務を楽にすることで、人やコスト、時間などのビジネスリソースを、本業である業務運用に回せるようになるため、注目を集めています。

この記事では、ヘルプデスクの運用業務の解説、運用管理についてや運用体制や運用設計についてご紹介いたします。

運用業務って何?

「運用業務」とは、「システム運用という業務(System Operation Work)」のことです。システムをスムーズに運用していく業務のため、システムに関する総合的な知識が必要とされています。似たような言葉で、「業務運用」もあります。業務運用は、「ビジネスに関係する部分の運用(Business Operation)」のことを指します。

両者は密接に関係していますが、ビジネスサイドから見るか、システムサイドから見るかの違いがあるので注意です。

基本的な運用業務とは、下記の4つの柱で成り立っているものです。

①業務運用
運用スケジュール管理、インシデント問題対応、業務イベント対応、セキュリティ対応など。

②システム運用
アプリケーション(業務、情報、アプリ)とインフラ(サーバ、ネットワークなど)の2つ。社内でオープンな技術勉強会を開催する企業も増えています。

③ヘルプデスク
下記詳細説明参照。

④運用統制
業務運用、システム運用、ヘルプデスクを束ねるマエストロ的なポジションです。顧客のフロントに立ち、そして内部関係者(営業、開発、PMOなど)との調整役としても大事な役割です。

しっかり4つに分かれているかは、システムの規模や企業の大きさによります。運用統制がない企業も多くあり、1人のインフラエンジニアが、業務運用もシステム運用も、ヘルプデスクまで兼ねているケースもあり、オーバーワーク化が当たり前となっています。

ヘルプデスクの運用管理とは?

一般的なヘルプデスクは、顧客や社員に操作説明したり、クレームなどを受けています。

最近では、ヘルプデスクの業務は多岐にわたり、顧客や社員からの問い合わせを受身で対応するだけじゃなくて、積極的に情報発信してシステムの適切な利用を促したり、トラブルを未然に防いだりと進化しています。

顧客や社員に直に接しているため、運用ノウハウの宝庫と言われています。

ヘルプデスクの運用体制・運用設計とは?

​​「ヘルプデスクの運用体制」というと、24時間365日の監視体制を想像しませんか?運用しているシステムに何事も起こらなければ、監視だけ行い、問合せがあれば都度対応するでも大丈夫なのかもしれません。

「ヘルプデスクの運用設計」の目的は、システムが「あるべき機能/サービス」を提供し続けることです。すなわち「そのシステムが正常に稼働し続ける」こととはどのような状態を指すのかを正確に理解し、そのための指針を決定し、それを遂行する運用体制を構築することです。

サービス提供基盤の多くは、24時間365日の稼働を必須条件として構成されており、この条件を満たすために基盤の構成や、故障時のリカバリ体制を整えるとともに、発生した問題について都度原因を分析し、再発防止策の検討と対策を行っていかなければなりません。

システム運用体制を整えるには、平常時の監視体制以外にも、障害や災害などの不測の事態が発生した場合の対応体制、再発を防止するための策を検討し実運用に載せる体制、機能追加や改修が必要となった場合の実装・リリース体制が必要となります。

組織(企業)や規模によるツールや人員配置などの運用体制は様々ですが、どのような規模の運用体制でも変わらない、運用体制構築にあたって前提となる「システム運用方針をどう決めるのか」 が重要となります。

ヘルプデスクの運用設計はシステム安定運用の肝

運用設定とは、「システムでやること」と「業務でやること」を決めておく作業です。運用設計する時には、”3W1H“を意識することが重要なポイントです。

ヘルプデスクの運用設計をする際に意識する「3W1H」

1)When:いつ運用設計をするか?

何を運用項目(アウトプット)として設計するかは、要件定義と基本設計(インプット)によって決まります。機能やシステムフローや業務フローなどは、使うパッケージや外部サービス(クラウド等)は、​​基本設計が重要です。運用できるかどうか見極めるためにも、要件定義や基本設計段階から運用設計に着手すべきです。

2)Who:誰が運用設計をするのか?

社内全体で、どのように使うのかしっかり話し合い、他部署任せにせずに進めることが大事です。

3)What:設計すべき運用項目とは?

監視、メンテナンス、バックアップ、報告、ITIL(R)に沿ったサービスマネジメント業務、運用ドキュメント管理、改善活動、技術向上など。特に決まった項目はないため、社内で必要な項目を決めましょう。

4)How:どのような体制で運用するのか?

どんなに立派に運用項目を定義しても、実際に運用を回す体制や必要なスキルを持ったエンジニアを揃えなければ運用できません。社内のエンジニアのみではなく、アウトソーシングする企業も増えています。

ヘルプデスク運用を楽にする改善のポイント

ヘルプデスクの運用改善ポイントをご紹介します。

1. 問い合わせ解決に要した時間を管理する(インシデントのクローズ時間)

社員や顧客からの問い合わせを受け付けてから解決までにかかった時間の計測が大切です。特に大企業になると、毎日数十件の問い合わせを受け付けることになるため、解決に要した時間(クローズ時間)をいかに短縮できるかによって、ヘルプデスクの生産性が決定してしまいます。

解決に要した時間(クローズ時間)に関しても、担当者ごとに管理するのではなく、やはり1つのデータベースで一括で管理することが大事なのです。

2. ​​ヘルプデスクをサポートする強力なITツールを導入しよう

​​ITツールとは、ヘルプデスク業務をサポートをしてくれる業務改善に繋がるツールのことです。顧客対応や情報管理といった重要な役割を担うヘルプデスクは、業務が煩雑化しており、より効率的でスムーズな業務運営ができるようにするため、ITツールを導入することがおすすめです。

例えば、ヘルプデスクツールを使えば、問い合わせ内容や顧客情報を管理・共有できるので、都度問い合わせする必要がなくなります。問い合わせ対応業務も効率化できるので、よりスムーズな対応が可能になります。

またデータの収集・分析もでき、その後のフィードバックに活かせるというメリットもあります。また、チャットボット導入で土日・夜間対応も可能になります。

ヘルプデスクの運用管理は設計が重要

ヘルプデスクのITシステムを安定して稼働させるには、システム運用の担当者だけがいれば十分なわけではありません。社員や顧客のビジネスや目的を深く理解し、入念な設計に基づいて開発し、運用や保守で管理するまでに、さまざまなエンジニアが関わります。

開発エンジニアの視点のみで設計を進めていくのではなく、社内外の関係部署でしっかりと話し合い、決して机上の空論ではなくみんなが使いやすいヘルプデスクを設計することが重要なのです。

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