新しい働き方に適した社内コミュニケーションの企画事例

近年、ビジネス界は目まぐるしく変わっています。新しい技術の出現、競合他社との熾烈な競争、そして消費者のニーズの変動など、数々の要因が企業の経営を挑戦的にしています。このような状況で企業が生き残り、さらには成功を収めるためには、情報の迅速な共有と、社員同士の強固な連携が不可欠です。

そしてこの重要なコミュニケーションのあり方が、コロナ禍という大きな影響を受けて大きく変わろうとしています。リモートワークが一般的になり、オフィスでの顔を合わせる機会が減少した今、従来の方法では情報の共有や連携が難しくなってきました。

この新しい環境下での課題に対応するための新しいツールの導入、適切なコミュニケーションのルールの構築、そしてそれらをいかにスムーズに実行するかが、企業の成長の鍵となっています。

この記事では、そんな新しい時代の社内コミュニケーションの企画の実例を詳細に解説していきます。ぜひ参考にしてみて下さい。

コロナと社内コミュニケーションの変革

企業の成長と変遷の中で、コミュニケーションは常に中心的な役割を果たしてきました。しかし、コロナ禍により、その方法やスタイルは大きく変わりました。ここでは、コロナ前とコロナ以降の社内コミュニケーションの変革を探ります。

1. コロナ前の社内コミュニケーションの課題

ヒアリングの不足

成長する企業では、経営層と現場とのコミュニケーションの隙間が生じることがよくありました。直接のヒアリングが少ないため、社員の声が上層部に届きにくいという課題が存在していました。

部門間の情報の非効率的な共有

縦割りの組織構造や部門間の壁が、情報の共有を阻害していました。これにより、同じ企業内でも情報の非対称性が生じることが少なくありませんでした。

メール依存のコミュニケーション

メールが主要なコミュニケーション手段として利用されていたため、情報の過多やミスコミュニケーションが頻発していました。

2. コロナ以降のコミュニケーションの変革

リモートワークの普及

コロナ禍により、リモートワークが急速に普及しました。これにより、従来のオフィスベースのコミュニケーションから、オンライン中心のコミュニケーションへと移行が進んでいます。これは、新しい働き方や情報共有の方法を求める大きなきっかけとなりました。

ZoomやTeamsの活用

オンラインミーティングツールの普及により、リアルタイムでの情報共有や、場所を問わずにコミュニケーションをとることが可能になりました。これにより、部門間や経営層と現場とのコミュニケーションがよりスムーズに行われるようになりました。

このように、コロナ禍を境に、企業のコミュニケーションのスタイルや手法が大きく変革を遂げています。これからの時代においても、この変革をうまく活用し、さらなる成長へと繋げることが求められるでしょう。

新しい社内コミュニケーションの具体的事例

近年、テクノロジーの進化と社会的な変化、特にコロナ禍を経た現在、企業の社内コミュニケーションのスタイルが大きく変革を遂げています。かつての縦割りの組織や情報共有の遅れは、今や新しい手法によって解消されつつあります。オンラインツールの活用、ハイブリッドモデルの導入など、多くの企業がその効果を実感しています。

しかし、具体的にどのような企画が行われ、どの企業がどのような成功を収めているのでしょうか。この部分では、新しい時代の社内コミュニケーションの企画と、その実践例をいくつかご紹介します。これらの事例を通じて、あなたの企業や組織でも取り組むべき新しいコミュニケーションの形を見つけるヒントにしていただければと思います。

1. ハイブリッドワーク: オンラインとオフラインの組み合わせ

トヨタ自動車

トヨタは、リモートワークの普及を受けて、月に1回の全社オフラインミーティングを実施しています。その上で、週に2回のオンラインチェックインも導入し、社員間のコミュニケーションの質と頻度を向上させました。

パナソニック

パナソニックでは、プロジェクトベースでハイブリッドモデルを取り入れ、オフラインでのブレインストーミングセッションとオンラインでの定期的な進捗報告を組み合わせています。また、自社でハイブリットワークに必要な製品を紹介しています。

https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services_sound_hybrid

2. SlackやTeamsなどのビジネスチャットツールを活用した情報共有

スターバックス

スターバックスでは、Microsoft Teamsを用いて店舗マネージャーやスタッフ間のコミュニケーションを強化しています。新しいメニューやプロモーション情報をリアルタイムで共有し、顧客への対応を迅速化しています。

またアメリカでは、スターバックスアプリを使用すると、MicrosoftTeamsチャット内でパーソナライズされたスターバックスeGiftを送信できるサービスも始まっています

Spotify

Spotifyは、複数のオフィスとリモートワーカーを持つグローバル企業として、Slackを活用してチーム間のコミュニケーションを最適化しました。さまざまな時差や場所の制約を乗り越え、効果的な情報共有を実現しています。

https://slack.com/intl/ja-jp/customer-stories/how-spotify-boosted-ad-sales-and-streamlined-operations

⒊ゲーミフィケーションを取り入れた社内コミュニケーション

Cisco

Ciscoは、社員のモチベーション向上のために、社内コミュニケーションにゲーミフィケーション要素を取り入れました。具体的には、社内の知識共有やコラボレーションの度にポイントが付与され、これを用いてリワードを得る仕組みが導入されています。

⒋メンタリングプログラムの導入

General Electric(GE)

GEは、新入社員の成長を支援し、ベテラン社員の経験や知識を活かすためにメンタリングプログラムを導入しています。このプログラムでは、新入社員に経験豊富なベテラン社員がメンターとして割り当てられ、業務上のアドバイスやキャリアの指導を行います。

効果: この取り組みにより、新入社員の業務適応速度が向上し、ベテラン社員の経験や知識が有効に活用されるようになりました。

https://qeee.jp/magazine/articles/21844

⒌スクワッド制度

Spotify

Spotifyでは、複数の専門家が小規模なチーム「スクワッド」を形成し、特定のプロジェクトや機能を開発します。この制度では、各スクワッドが独立して動き、必要なリソースや技術を自由に選択できるようになっています。

効果: スクワッド制度の導入により、迅速な意思決定や開発が可能となり、組織全体のアジリティが向上しました。

https://ssaits.jp/promapedia/role/squad.html

⒍Googlegeistアンケート

Google

Googleでは、社員の意見や感じる課題を収集するために、「Googlegeist」という年次アンケートを実施しています。このアンケートの結果は全社員に公開され、組織の改善や文化の醸成に役立てられています。

効果: 透明性の高いコミュニケーションを保つことで、社員のエンゲージメントや満足度が高まり、組織の改善提案も活発に行われています。

⒎リモートコミュニケーション

GitLab

GitLabは、100%リモートの組織として知られています。日常のコミュニケーションを確保するために、スタンドアップミーティングやAMAセッションを定期的に行っています。

効果: これらの取り組みにより、リモートワーカー同士の繋がりが強化され、組織の一体感や情報共有が向上しました。

https://about.gitlab.com/ja-jp/company/

⒏ダイバーシティ&インクルージョン推進

アクセンチュア

アクセンチュアは、多様性と包摂性を重視した組織文化の醸成を目指しています。このため、社員向けの研修やイベントを積極的に開催しています。

効果: これらの取り組みにより、異なる背景を持つ社員同士の理解が深まり、よりクリエイティブで効果的なチームワークが実現されています。また「ダイバーシティ&インクルージョン・インデックス」において、過去6年間で4度目となる世界第1位にランクインしました。​(2023年)

https://www.accenture.com/jp-ja/about/inclusion-diversity-index

社内コミュニケーションの効果測定とは?

「企画は実行の半分」と言われるように、どれだけ良いコミュニケーションの企画を立てたとしても、それが実際に効果を上げているかを確認しなければなりません。以下の方法で、企画の成果を測定し、必要に応じて改善することが重要です。

⒈社員からのフィードバックの収集と活用

企画の効果を最も直接的に知る方法は、実際にその企画の対象となっている社員たちからの声を集めることです。

方法: アンケートや面談、フォーカスグループなどの形で、社員からの意見や感想を収集します。

利点: 実際の使用者の声を直接聞くことができるため、問題点や改善点が明確になります。

⒉KPIの設定

KPI(Key Performance Indicator)は、パフォーマンスの指標となる数値やデータを指します。このKPIを設定することで、具体的な数値をもとに効果測定を行うことができます。

具体例

情報の流通速度: 例えば、新しい情報がどれだけ早く全社員に伝わるかという速度を測定することができます。これにより、コミュニケーションツールの効果や情報共有のプロセスの効率性を評価できます。

社員の満足度: 定期的なアンケートにより、社員のコミュニケーションに関する満足度を測定します。高い満足度は、コミュニケーションの質が高いことを示しています。

利点: 数値を基にして効果測定を行うことで、客観的な評価が可能となり、どの部分が上手くいっているのか、どの部分が改善が必要なのかが明確になります。

コミュニケーションの効果測定は、企画の成功を確実にするための不可欠なステップです。社員からのフィードバックやKPIの設定をうまく活用することで、企画の効果を最大化し、組織の成果に繋げることができます。

これからの社内コミュニケーションのトレンドとは?

社会や技術の進化は、社内コミュニケーションの形も変えてきました。これからの時代、どのような新しい技術や考え方が社内コミュニケーションの未来を形作るのか、考察してみましょう。未来の社内コミュニケーションは、技術的な進化だけでなく、社員一人一人の心の健康や幸福も大切にしながら、より質の高いコミュニケーションを目指す時代となるでしょう。

⒈VRやAI技術の活用

VRは「Virtual Reality」、つまり仮想現実を指します。AIは「Artificial Intelligence」、すなわち人工知能のことを指します。VRは、距離を感じさせないリアルなコミュニケーションを可能にします。AIは、大量の情報やデータを迅速に処理し、より効率的なコミュニケーションをサポートします。

VRは、ヘッドセットを装着することで、まるでその場にいるかのようなリアルな体験ができる技術です。社内コミュニケーションにおいては、遠隔地からでもまるで同じ部屋にいるかのようなミーティングやトレーニングが可能となります。

AIは、データを基にして学習し、人間のように思考や判断をする技術です。これにより、例えば社員のコミュニケーションの傾向を分析し、最適なコミュニケーション方法を提案するなどの活用が考えられます。

⒉メンタルヘルスを考慮した社内コミュニケーションの企画

コミュニケーションは、業務の効率や成果だけでなく、社員の心の健康にも直結します。最近では、社員のメンタルヘルスを重視する企業が増えてきています。

ポイントは、社員のストレスや不安を減少させるためのコミュニケーションの方法を取り入れることです。例えば、フレックスタイムを活用して、社員同士のプレッシャーを減らす、定期的なワンオンワンの面談を設ける、メンタルヘルスの専門家との相談の機会を提供するなどの取り組みが考えられます。

社員のメンタルヘルスを保護することで、長期的には生産性の向上や離職率の低減にも繋がるのです。

これからの社内コミュニケーションはツールを利用して気軽&ヘルシーに

社内コミュニケーションは、まさに企業の心臓部といえるでしょう。これは単なる情報の伝達手段ではなく、社員同士の絆を深め、共通の目標に向かって効果的に進むための鍵です。良好なコミュニケーションがなければ、組織はまるで情報が十分に供給されない心臓のように機能しません。そして、そうした状態が長く続けば、組織全体の健康が害されることとなるでしょう。

新たな働き方やテクノロジーの進化は、社内コミュニケーションのスタイルや方法を変革するチャンスをもたらしています。これに適応し、それを最大限に活用することで、企業は競争力を高めることができます。しかし、そのためには、新しいコミュニケーションツールの導入だけでなく、組織文化や社員の意識も変えていく必要があります。

この記事を通して、新しい時代の社内コミュニケーション企画の方向性や取り組むべき実践例を探る手助けができれば幸いです。最後に、持続的な企業の成功は、日々の小さなコミュニケーションの積み重ねから生まれることを忘れないようにしましょう。

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