リスク管理がシステム開発の成功の鍵を握る!!

IT革命という言葉が使われ始めてから20年が経ちます。この間にIT技術を使用したシステムの導入が様々な企業で進められています。その背景には時代の変化によって求められる、生産性の向上やビジネスにおけるIT活用の重要性が認知されて来ているからでしょう。

その中でもITプロジェクトをどう進めればよいのかというトピックが話題になっています。なぜなら現在においても、ITプロジェクトを成功裏に終わらせることが難しいとされているからです。

今回はITプロジェクトの中でも一番肝心なシステム開発に焦点を当てながら、それにまつわるリスクや、リスクの回避方法を見ていきましょう。

システム開発がボトルネックとなるITプロジェクト

ITプロジェクトとは、何も無いところから関係者の論理的な議論によって構築されていくもので、要求される仕様も具体的ではなく、しっかりと定義されていない状態からプロジェクトをスタートさせなければならないので、目で見える作業とは違いとてもハイリスクな作業といえます。

その中で、経営の生産性を向上させるために効果的なシステムや、ネットを利用した利便性の高い新サービスが注目を浴びています。こうしたシステムやサービスの開発は、単純に合理化させたり省力化を促進するシステムに比べて、要求も捉えにくく開発の難易度も高くなるのです。

日経BP社が2018年に実施したITプロジェクト実態調査によると、2003年時点でITプロジェクトの成功率は26.7%にしか達していませんでした。その後2008年に31.1%、2018年には大幅に上昇して52.8%となりました。

それでも全体の半数近くのITプロジェクトは失敗に終わっていて、その多くの原因はシステム開発にあるのです。ITプロジェクトを失敗に終わらせるほど難しいシステム開発ですが、実際に現場につきまとうリスクとはどのようなものがあるのでしょうか。

システム開発で管理されるべき主なリスク 3例

システムを構築する作業というのは失敗で終わることも多いと言われる高リスクな投資です。そのシステム開発にかかるリスクを管理せずに、全てを業者に任せるのは無謀といってもよいでしょう。一般的にどのようなリスクが有るかというと、「認識的リスク」「技術的リスク」「費用的リスク」が挙げられます。

それぞれのリスクは単体ではなく複合的に発生することが多いので、それぞれのリスクをよく理解した上で、実際の対処にあたる必要があります。

1.認識的リスク

システムの構築には色々な段階で「認識を誤る」という事が起こります。これはシステムが人間の頭の中で成立していて、「形」をなさないというところに問題があります。システムの要件の意味を誤認したり、相手の言葉を勘違いして理解したりと、さまざまな「誤認」が生じるのです。

2.技術的リスク

ITが高度化し、様々なコンピューターがネットワーク上で繋がれソフトウェアも多種多様になり、プログラミングの構成が複雑化しています。そのため、新システムを開発し最終的に製品化されても、正しく動作しないということが起こる可能性が生じます。ビジネス側のシステムに対する要求が高度になってきているということも背景にあります。

3.費用的リスク

見積もり時の金額からシステム開発にかかる費用が大幅にオーバーするということがあります。システムを発注するに当たり工数や必要とされる技術を正確に判断できなかったり、プロジェクトの途中変更により開発期間が伸びてしまったことなどによります。

システム開発の際のリスクを管理する手法とは

では上のようなリスクをどのように管理し、対応すれば損害を最小化できるのでしょうか。

1.認識的リスクは見える化で!

システムを開発するにあたって、一定のルールや各担当の役割を表などに起こして見える化することによって誤認のリスクを大幅に減少させることができます。

また、コミュニケーションをとる人間がシステムの最終形までしっかりと認識している人をアサインすることで、認識の確認もスムーズに行えます。初期段階で認識的リスクが生じるととんでもない損害になることがあるので注意が必要です。

2.技術的リスクには入念な検証を!

技術的なリスクを事前に検知するには、システム開発の検証を入念に行っておくことが重要です。要件を一つずつ検証し、技術的な面まで知見のある担当者が、本当に実現可能なのかを見極める必要があります。何ができないのかを明らかにし、どうすれば解決するのかを徹底的にすり合わせる必要があります。

3.費用的リスクには明確な計画を

費用的なリスクを抑えるためには、開発を進める要件、必要とされる工数、開発担当者の数、開発期間などを事前に明確にする必要があります。これらをもとに費用は算出されるため、曖昧な条件では正確な予算は割り出せません。また、予め発生しうるトラブルを洗い出して想定しておくと、プロジェクト遅滞に対する予算も予め見積もれます。

リスク管理ができるシステム開発者が必要とされる時代が来る!

日本の人口も減少する中で、生産性の向上や利便性が求められ、今後も増加の一途をたどると予想されるシステム開発。しかし、目で形が見えないものを技術者とともに作り上げていく作業には、様々なリスクがあります。

今後もよりITプロジェクトの競争が激化し、リスク管理のできるシステム開発必要とされる時代が来るでしょう。

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