コミュニケーションの「阻害要因」になっていないか?「中間管理職」が情報共有のキーマンになるべき理由

本来その仕事がやりたかったはずなのに、上司がキツすぎて嫌気がさしたり、逆に興味のない仕事でも、マネージャーのおかげでやる気が湧いたり――。コミュニケーションは、会社組織における永遠の課題かもしれません。

今回は、コミュニケーションの阻害要因と改善方法について解説をしていきます。

9割以上が「コミュニケーション不足は業務の障害」と回答

「社内のコミュニケーションに課題がある」。HR総研が2019年1月に行った調査では、人事責任者・人事担当者の73%がそのように回答しています。会社規模別で特に割合が大きかったのは「1001名以上」のいわゆる大企業(77%)。確かに規模が大きければ、そのぶんコミュニケーションが取りづらくなるのは道理です。

(参考情報)
アンケート名称:【HR総研】社内コミュニケーションに関するアンケート
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2019年1月7日~1月15日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:上場及び未上場企業の人事責任者・ご担当者
有効回答:216件
https://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=222

では、どの関係でコミュニケーションの課題があるのでしょうか。多かったのは「部門間」(71%)、「経営層と社員」(56%)と、日常で直接顔を合わせない関係。しかしその次に挙がったのは「部署内の課長とメンバー」(36%)で、いつも顔をあわせる間柄としては一番多く「課題」として挙がりました。

中間管理職としては胃がキリキリするような結果ですが、さらに追い打ちをかけるような結果が出ています。「コミュニケーションを阻害している要因」について聞いた結果では、トップは「管理職のコミュニケーション力」(54%)で、「組織風土・社風」(45%)、「社員のコミュニケーション力」(43%)を10ポイント近く引き離しています。

コミュニケーションが不足していても業務が効率的に進んでいれば良いのですが、そうもいかないようです。「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になるか?」との問いには、なんと92%の人が「障害になる」と回答。「管理職のコミュニケーション力」は、業務効率化における大きなポイントであると言えそうです。

コミュニケーション阻害の原因は「能力」「雰囲気」「メール」?

では、なぜ「管理職」とのコミュニケーションが阻害されてしまうのでしょうか。もちろん、個々のコミュニケーション能力の問題もあるでしょう。中には、管理職の能力だけでなく、メンバーが「これを言ったら評価に影響するかも」「波風立てないように遠慮しよう」と過剰にしているなどという原因もあるかもしれません。

さらには、「上司には思ったことを言えない空気がある」「上司に取り入っていると思われると居づらくなる」など、会社の雰囲気や文化の問題である可能性もあります。こうなってくると原因が複雑に絡み合って、コミュニケーションへの姿勢がどんどん重くなってしまう悪循環に陥ってしまいます。

先の調査では、具体的なコミュニケーションを阻害している原因として、こんな声が挙がっています。

・メールでのやりとりに慣れてしまっているため、相手の反応を見ながらやりとりをするという機会が現象しているためにスキルも低下している。
・メールのccが多用され、ccに入れていれば直接報告の必要がないかのような風潮がある。
・効率を重視した結果、職場での雑談が減り仕事以外の関係がなくなってきている。自然発生的な飲み会も減り、いざというときに頼れる人の存在が感じられない組織になりつつある。

特に言及の多かったのは「メール」で、一方的に送りつけられることにアレルギーを感じている人が多いのかもしれません。「コミュニケーションの手段で利用の多いもの」としては「メール」が「対面」を上回っており、「メール依存」の度合いが高まっていることが窺えます。

阻害されたコミュニケーションを「改善」するには?

こうした風土・文化に変化をもたらすには様々な方法があります。個人のコミュニケーション能力を改善するには、「研修」やお互いの改善点を言いやすくする「アンケート」といった方法も良いでしょう。個人や組織の課題が見つかるかもしれません。

さらに、業務以外のコミュニケーションを増やすためには、「飲み会・ランチ」「サークル活動」に補助制度を設けたり、「社員旅行」「運動会・スポーツ大会」などのイベントを企画する会社もあるようです。こうした中で関係を深め、上司に普段言えないことが言えるようになるなら、業務に良い影響を与える可能性もあります。

「メール依存」も改善の余地がありそうです。たとえばコミュニケーションの手段を、かしこまった文章にならざるを得ないメールから「ビジネスチャット」に変えることで、コミュニケーションやワークスタイルが変わった企業も数多くあります。メールよりもカジュアルな連絡手段によって、上司との情報共有がスムーズにいくこともありそうです。

いずれにしても、「管理職」とのコミュニケーションや情報共有の改善は、組織の業務効率化のカギといえます。どこに問題があり、どう改善するのが良いか。コミュニケーション手段や社員の価値観が多様化している現在ですから、そうした点を見極めて組織に合うと思われる様々な方法を試行錯誤してみるのが良いでしょう。改善策が見つかるはずです。

【関連記事】
社内コミュニケーションの課題をちゃんと把握できていますか?
社内コミュニケーション活性化を実現する10社の事例
社内コミュニケーションでユニークな制度を導入した企業
社内コミュニケーションの具体的な目標と目標設定方法について
勤務形態の変化が加速。今こそ社内コミュニケーションの目的を再確認しましょう

今や組織管理の必須アイテムとなっているビジネスチャットツールの一つ、『Tocaro』について詳しくは下のオレンジ色のボタンからご覧になれます。

ワークプロセスマネジメントプラットフォーム
Tocaro(トカロ)

仕事のあらゆる行動を定量化し、成果につながるプロセスを見える化します。結果、意思決定の柔軟性を高め、チームの生産性を高めることが可能です。さっそくワークプロセスマネジメントプラットフォームのTocaroを使ってみましょう。