無料トライアルで試すビジネスチャットの選び方

「社内のコミュニケーションを円滑にしたい」「業務効率を上げたい」「テレワークでもチームの連携を強化したい」。そうお考えの皆様にとって、ビジネスチャットはもはや必要不可欠なツールです。しかし、「どのツールが良いのかわからない」「導入しても使われなかったらどうしよう」といった不安を抱えている方も少なくないでしょう。

この記事では、ビジネスチャットの無料トライアルを円滑に進めるための具体的なステップと、無料プランや無料トライアルがあるおすすめのビジネスチャットを5つご紹介します。

なぜ無料トライアルが重要なのか？

「どうせなら最初から有料プランに申し込んだ方が効率的では？」と思う方もいるかもしれません。しかし、ビジネスチャットの導入は単なるツールの契約ではありません。新しいコミュニケーション文化を社内に根付かせるための、重要な取り組みです。

無料トライアルは、この新しい文化を定着させるための「予行演習」です。トライアル期間中に、実際の業務でツールを使いながら、以下の3つの点を確認できます。

1. 実務での使い心地を確かめる

ツールの機能一覧だけでは、実際の業務でどう役立つか、どれくらい使いやすいかは分かりません。トライアル期間中に、日々の業務で発生するコミュニケーションやファイル共有をチャットに移行してみることで、自社の業務フローにフィットするかを肌で感じることができます。

2. 導入後の課題を事前に洗い出す

「この機能はうちの部署には不要だった」「〇〇の機能がなければ業務が滞る」といった、導入後に気づくかもしれない課題を、トライアル期間中に見つけ出すことができます。これにより、本格導入後のスムーズな運用計画を立てられます。

3. 社内への定着度合いを測る

特定の部署やチームでトライアルを行うことで、「社員が抵抗なく使ってくれるか」「誰でもすぐに操作を覚えられるか」といった、ツールの定着度合いを事前に測ることができます。多くの社員が直感的に使えなければ、導入効果は半減してしまいます。

これらの観点を事前に検証することで、後悔のないツール選定が可能になります。

無料トライアル前に確認すべきこと３つ

やみくもにトライアルを始めても、結局どれがいいのか判断できず、時間だけが過ぎてしまうことがあります。トライアルを始める前に、以下の3つのポイントを明確にしましょう。

⒈導入の目的と解決したい課題を具体化する

まずは「なぜビジネスチャットを導入するのか」という根本的な目的を明確にします。

目的の例:
- 社内メールの数を減らし、情報共有をスムーズにする
- プロジェクトごとの進捗状況をリアルタイムに把握する
- テレワーク中の社員とのコミュニケーション不足を解消する
課題の例:
- メールのcc/bccが多く、誰が何を知っているかわからない
- ファイルのやりとりが煩雑で、最新版がどれか迷う
- 社外の取引先との連絡もチャットで一元管理したい

⒉必要な機能を洗い出す

目的が明確になったら、それを達成するために必要な機能をリストアップします。

必須機能: グループチャット、1対1チャット、ファイル共有機能、検索機能
あると便利な機能: タスク管理機能、ビデオ通話・音声通話機能、外部サービス連携（Googleカレンダー、Office 365など）、セキュリティ機能（アクセス制限、監査ログなど）

⒊試すメンバーと期間を決める

全社導入の前に、特定の部署やプロジェクトチームで少人数から試すのがおすすめです。ITリテラシーが高いメンバーとそうでないメンバーを混ぜることで、ツールの使いやすさを客観的に判断できます。期間は、ツールの使い心地やチームへの浸透度合いをしっかり検証できるよう、2週間〜1ヶ月程度の期間を設けるのが良いでしょう。

無料トライアル中のチェックポイントとは？

トライアル期間中は、以下の点に注目してツールを評価しましょう。

1. ユーザーインターフェース（UI）と操作性

ビジネスチャットは毎日使うものだからこそ、誰にとっても直感的で分かりやすいUIが不可欠です。デザインが洗練されているか、必要な機能に迷わずたどり着けるか、社内のITリテラシーが低いメンバーでもスムーズに使えるかをチェックしましょう。

2. コミュニケーション機能の充実度

基本的なチャット機能だけでなく、円滑なコミュニケーションをサポートする機能があるかを確認します。

リアクション機能: スタンプや絵文字で素早く感情を伝えられるか
メンション機能: 特定の相手に通知を送って確実に気づいてもらえるか
スレッド機能: メッセージが埋もれないよう、特定の話題を分けて議論できるか
既読機能: 相手がメッセージを読んだかを確認できるか

3. ファイル共有と管理の利便性

業務ではドキュメントや画像などの共有が頻繁に発生します。以下の項目を確認することで、業務効率が大きく向上します。

ストレージ容量: 無料プランでどのくらいの容量が使えるか
検索機能: ファイル名だけでなく、ファイル内のテキストも検索できるか
プレビュー機能: 共有されたファイルをダウンロードせずに内容を確認できるか
共同編集機能: 複数人でファイルを同時に編集できるか（外部サービス連携含む）

4. セキュリティと管理機能

ビジネスチャットは機密情報も扱うため、セキュリティは最重要項目です。

アクセス制限: IPアドレスや端末ごとにアクセスを制限できるか
データ保存期間: ログやファイルの保存期間をカスタマイズできるか
監査ログ: 管理者がユーザーの利用状況を把握・監査できるか
データの暗号化: 通信や保存データが暗号化されているか

5. 外部サービス連携と拡張性

すでに利用しているツール（カレンダー、タスク管理、勤怠システムなど）と連携できると、チャットを起点に業務が完結します。

連携できるツールの種類: 自社で使っているツールが連携対象に含まれているか
連携の容易さ: 専門知識がなくても簡単に連携設定できるか

無料プラン・無料トライアルがあるおすすめビジネスチャット5選

ここでは、上記のポイントを踏まえて、無料プランまたは無料トライアルを提供しているおすすめのビジネスチャットを5つご紹介します。

⒈Tocaro

Tocaroは、純国産のビジネスチャットツールで、その最大の特長は「シンプルで直感的な操作性」と「充実したファイル管理機能」です。チャット、ファイル共有、タスク管理、ビデオ会議といった基本機能に加え、部署やプロジェクトごとにワークスペースを区切って管理できるため、情報が錯綜することなく、整理された状態でコミュニケーションを進められます。特に、外部の取引先とのやりとりも安全に行えるゲスト機能は、プロジェクト単位での連携が多い企業に最適です。

無料トライアルの詳細: 30日間の無料トライアルが利用可能です。期間中は全機能が試せるため、本格導入の前にじっくりと検討できます。
無料トライアルURL: https://tocaro.im

⒉Slack

Slackは、世界中で最も広く利用されているビジネスチャットの一つです。その強みは、数千種類にも及ぶ豊富な外部サービス連携です。Google Drive、Trello、GitHubなど、すでに利用しているツールと連携させることで、チャット上で業務を完結させることができます。多様なカスタマイズが可能で、自社のワークフローに合わせた使い方ができます。

無料プランの詳細: 直近90日間のメッセージとファイルの履歴にアクセスできます。連携可能な外部アプリは10個までという制限があります。
無料プランURL: https://slack.com/intl/ja-jp/

⒊Microsoft Teams

Microsoft Teamsは、Microsoft 365の一部として提供されており、Word、Excel、PowerPointといったOffice製品との連携に優れています。すでにMicrosoft 365を導入している企業にとっては、追加コストなしで利用できる点が大きなメリットです。会議機能も充実しており、大規模なWeb会議にも適しています。

無料プランの詳細: 無料版はオンライン会議が最大100人、最長60分間まで利用可能です。チャット機能やファイル共有（5GBまで）も利用できます。
無料プランURL: https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/free

⒋Chatwork

Chatworkは、日本企業に特化した機能を多数持つ国産ツールです。非常にシンプルなインターフェースで、ITツールに不慣れな人でも簡単に使いこなせるよう設計されています。タスク管理機能がチャットと一体化しており、メッセージからワンクリックでタスク化できる点が便利です。

無料プランの詳細: ユーザー数100人まで、組織外コンタクト20人まで、閲覧可能メッセージが直近40日以内など、いくつかの制限があります。利用期間に制限はありません。
無料プランURL: https://go.chatwork.com/ja/

⒌LINE WORKS

LINE WORKSは、個人向けチャットアプリ「LINE」の使いやすさをそのままに、ビジネス向けに強化されたツールです。LINEと同じインターフェースなので、社員が使い方を覚える必要がなく、すぐに導入・利用開始できる点が最大の強みです。スタンプや既読機能もあり、親しみやすいコミュニケーションが実現できます。