新型コロナウィルスの影響で、国内の多くの企業の業績に影響が出ています。厳しい戦いの中で多くの企業は経営のスリム化が求められています。そんな中注目されているのが業務の効率化です。業務の効率化の目的は、求められている役割や仕事の実行を効率化することにより、人的コスト削減や生産性の向上を図ることです。
また、日本は労働人口の減少や市場の縮減という厳しい状況下にあり、シェアの維持、企業の成長にはさらなる効率化が必要とされます。今回は業務効率化で一番重要となる無駄の取り除き方について、整理して見ていきましょう。
まずは社内の無駄を把握する
業務の効率化を進める上で、具体的にどの業務が無駄なのかを検証しなければなりません。無駄な業務というのは具体的には、無駄な会議、必要のない紙の資料、無駄な報告書、営業効率の低下、業務フローの無駄などが挙げられます。
必要な業務と無駄な業務をしっかりと把握せずに、業務の効率化を図ることはできません。ですので、まず、どの業務でどれだけ無駄が発生しているのかを見える化して、明確にすることが必要です。
無駄を取り除く際の3つのポイント
それらの無駄を取り除く作業の前に、3つのポイントを見てみましょう。これらを意識することで、的確な効率化を行えるようになります。逆に言えば、何も意識せずに業務の効率化を感覚で進めてしまうと、かえって効率が落ちることも考えられるので注意しましょう。
①目的を明確にする
まず業務効率化を行う「目的」を定めましょう。実際の現場で、”利益率の向上”というような、ぼんやりした目標を追いかけるようなイメージでは、抽象的すぎて何から始めればよいのかかわからなくなります。
下記の例のように、業務効率化のわかりやすい目的を設けて、モチベーションを向上させながら行なうと達成しやすくなります。
・残業時間を削減できたら、残業代の支出を減らし、社員のワークライフバランスの向上に充てる
・効率化された時間を社員のスキルアップに割り当てる
・業務が効率化されたら、人材育成や若手社員の定着率アップを目指す
このように目的を明確にしないと、業務効率化で空いた時間やコストの使い道を誤り、別の形で無駄な作業が生まれて、非効率的になることがあります。
②基準を設ける
コストや時間を削減しようとしてやみくもに行うと、必要な作業まで削減してしまう可能性があります。そのため、無駄な作業の基準も明確にしておく必要があります。基準を定めるためには、作業の本来の目的を調べることが大切です。
例えば、資料の体裁を整えるという作業が、必要以上に時間がかかっていたり、実はその作業が必要なかったりすることがあります。その作業が本当に必要なのか、作業の担当者本人だけでなく、関係部署や顧客の目線を意識することで、より正確な判断が行なえます。ただ作業のための作業から、本来の目的にもとづいた作業へと改善していくことを目標に据えることが重要です。
③効果を示す
業務効率化を進めようとする際に、「本当に効果があるのか」という関係者から不安の声があがることがあります。従業員の疑問の声は、「逆に作業量が増えるのではないか」「残業代が削減され給与が減るのではないか」など不安の声としてあらわれることがあります。このような懐疑的な空気の中では、自発的な取り組みが行われなかったり、新しいアイデアが生まれにくくなります。そうしたことを避けるためにも、業務効率化を行った際にあらわれる効果をしっかりと説明することも必要です。
このような声を解消する解決策としては、無理のない範囲で効率化が行えているか、現場から声を吸い上げたり、削減できた残業代をボーナスとして支給することを提言として掲げるなど、従業員に寄り添う施策が必要です。従業員の精神的、肉体的な負担にも配慮することも、業務効率化には必要となります。
業務効率化の具体的な手法
では、どのようなことに着手すればよいのでしょうか。様々なサービスや事例が紹介される中、自分の会社に見合った手法を見つけることは困難です。ここではいくつかの手法を紹介したいと思います。
システムなどITツールの導入
働き方改革関連法案の後押しもあり、現在では様々な業務効率化ツールがあります。これらを活用することにより、業務の効率化を推進できます。
- 業務の自動化RPA( Robotic Process Automation )定型業務をロボットに単純作業を代行してもらい、その業務にかかる人員の削減や、業務数を削減します。
- ITツールを導入し、経費精算や勤怠管理などにかかる業務を自動化する。アナログな作業をIT化することで時間短縮を図ります。
- クラウドを活用し、いつでも何処でもアクセスできるようなインフラを構築。資料などはクラウドストレージを活用することによって外出先や自宅からもアクセスでき、テレワーク業務が可能になります。外出先からの直帰がしやすくなり、ムダな移動時間や残業代の削減につながります。
- スマートフォンのアプリを活用し、パソコンを開かずに、スマートフォンで簡単な業務を進められるようにする。報告書作成アプリや勤怠管理アプリ、チャットツールなどを活用することで、電車での移動時間も有効に活用できます。
会議時間の効率化
定例の進捗報告会のような会議は行わず、チャット上で完結させるようにしましょう。不必要に長い会議は集中力が続かず、時間だけかかっているケースがあります。会議時間を短縮するためには以下のようにしましょう。
- 会議前に事前に出席者とアジェンダを共有する。
- スピーカーは予め話す内容を決めておき、手短に議論ができるようにして会議に臨む。
きちんとした準備をもって会議に臨めば時間が短縮されても身のある会議になります。
紙資料での情報共有をなくす
報告書を印刷し、ファイリングし保管をするというような、紙で行なっている業務は廃止してしまいましょう。ペーパーレス化を推進すれば、保管場所や管理の必要性もなくなります。データ化することによって、資料を探す時間も削減でき、紙代や印刷代だけでなく、管理にかかるコストも削減できます。
業務効率化で従業員の満足度向上も
業務効率化によりコストを削減に成功すれば、生産性の向上や、業績アップに繋がります。これまで慣習化されたことを変えることは容易ではありません。だからこそシステムを導入するなどの新たな取り組みを視野に入れることが必要になってきます。また、業務効率化を図る場合は継続的に長期間取り組む必要があります。業務効率化が実現すれば従業員の満足度も必然的に上がり、経営体質が健全化されることも期待されます。
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業務効率化 無駄
業務改善でムダをなくす!業務効率化の3つのポイントと活用事例
https://www.desknets.com/media/efficiency/
作業の効率化 に取り組むべき7つの「ムダ」を 事例 でチェック!
https://biz.teachme.jp/blog/business-efficiency/
無駄な業務をなくして効率化を図るには、どのようにすればよいでしょうか?
https://j-net21.smrj.go.jp/qa/productivity/Q0137.html
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