ビジネスチャットツールとは、社内でのコミュニケーションやタスク管理、ファイルの共有などをかんたんに操作できるツールです。即時性の高いやり取りを可能にするので、従来からのメールでの情報伝達から、ビジネスチャットツールでのやり取りへ移行する企業が増えています。
音声通話機能やビデオ通話機能のあるサービスも展開されていて、気軽にミーティングや会議ができるので業務の効率化の観点からも注目を浴びています。
ビジネスチャットツールの導入が急がれる本当の理由とは？
政府が推進する『働き方改革』の一環で、社員全員がオフィスにいなくても、社員同士円滑にコミュニケーションが取れるような体制を整えようという動きが高まってきています。
また超高齢化社会に伴う労働人口の減少という今後日本が直面する問題に対して、社内でのコミュニケーションコストを低減することによって、業務の生産性を高めようという社会的な要求に対してのソリューションであることも、ビジネスチャットツールの導入の動きが良い要因と言えるでしょう。
ビジネスチャットツールの導入で何が変わる？
ビジネスチャットツール「Tocaro」を開発・提供する伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が2019年7月に、従業員200人以上で売上規模100億円以上の大手規模を対象に「ビジネスチャットツールの利用状況調査」という調査を実施しました。
調査結果によると、「スピーディなコミュニケーション（42%）」「複数人の情報共有（34%）」に多くの企業がビジネスチャットツールのメリットを実感しています。
このように導入した企業も実際の業務で、ビジネスチャットツールを使ってみる中で、その有用性を感じ、メリットを感じているのです。
では今までコミュニケーションツールの中で最も使われていたメールと比べて具体的にどのような違いがあるんどしょうか。
メールは効率が悪い？
メールは最も使われているコミュニケーションツールではありますが、ビジネスチャットツールの登場で、ビジネスでの利用を考えた時に、”業務効率が良くないツール”と言われるようになってしまいました。
ネットの環境や様々な要因で配信が遅れたり、届かなかったりすることがありますし、多人数でのやり取りが難しいのがメールの欠点です。
同じ相手でも毎回「お世話になっております」などの挨拶を入れる必要がありますし、メールの種類順にフォルダ分けする作業をまめに行っていると、時間と手間がかかってしまうというのもメールの特徴と言えます。
1〜2回のやり取りや確認のためであればメールで十分ですが、ビジネスで何通もメールをやり取りするのは時間がかかって仕方ありません。
ビジネスチャットツールの特徴は何よりも素早さ
そこで現在メールに変わるコミュニケーションツールとして利用されているのがビジネスチャットツールです。メールと違いリアルタイムでのやり取りが可能であるため、素早いコミュニケーションが可能です。
ビジネスチャットツールは社内だけではなく社外コミュニケーションにも広く利用され始めています。メールも今後ビジネスには欠かせないツールですが、ビジネスチャットツールを利用することで業務効率化が改善が期待されます。
ビジネスチャットツールとメールの使い分けは？
その利便性や効率性から多くの企業でビジネスチャットツールを導入していますが、メールが不要になったわけではありせん。チャットとメールを使い分けるこによってより効果的なコミュニケーションを行うことができるでしょう。
チャットもメールもテキストでメッセージを送るという機能は同じです。メールとチャットの特徴を比較しながら、使い分けのコツを紹介します。
送り先による使い分け
誰にメッセージを送信するかによって、メールかビジネスチャットかを使い分けることができます。ビジネスチャットは基本的に社内用のコミュニケーションツールと考えて良いでしょう。ですから、社外の人に連絡する場合は通常メールを使います。
社内の人に対しては、相手の立場によってビジネスチャットかメールかを使い分けるということもあります。普段からLINEなどのチャットアプリを使用している同世代の人ならビジネスチャットが便利でしょう。
アドバイスはチャット、報告はメール
ビジネスチャットはテキストで会話をするためのツールです。簡単な情報交換やポイントでアドバイスを受けるような相談事に適しています。
一方、すでに決定している連絡事項は、概して文章が長くなってしまうことも多いです。この場合、一通に見やすくまとめて送信できるメールのほうが、情報が正確に伝わりやすいでしょう。
急ぎで返信がほしいものはチャット
返信を急ぐものや、緊急性が高いものはビジネスチャットが有効です。ビジネスチャットは受信すると通知で連絡が入ったことがわかります。また、短文でメッセージを送れるという長所がありますので、チャットならスピード感のあるやりとりができます。
証拠として残しておきたいものはメールで！
ビジネスチャットは1つのスレッドで会話をするものです。また記録として使えないことはないですが、重要な内容の発言も他のものと同様にタイムラインの中に埋もれ、後戻りして情報を探すのは大変な作業となります。
そのためエビデンスとして残す場合はチャットで打ち合わせをし、決定した内容は、改めてメールにして関係者に送ることで取り出しやしい情報となります。
文章の体裁を整えなくてはならないのがメールのデメリットとしてありますが、会議やイベントの案内のように、日時や場所など多くの情報を伝える場合は改行やスペース、記号を使って1ページにまとめたほうが伝わりやすく、保存しやすい情報となります。
このように「メールは手紙」、「チャットは会話」と覚えておけば、相手、緊急性、目的などに合わせてコミュニケーションツールを選ぶことができ、情報共有がより効果的なものになるでしょう。
コミュニケーションツールの特徴を改めて確認しよう！
ビジネスチャットツールが台頭するにつれ、「メールは過去のものだ」というような論調も出てきています。今までの不便さを払拭するために生まれたツールですので、痒い所に手が届くサービスになっています。
しかし、メールにはメールの特徴があり、ビジネスチャットにはまだ代わることのできない役割があります。どちらもビジネスの場で使われるものですから、失礼がないような丁寧さが必要です。手紙のような役割があるメールにはその点分があります。
今後のビジネスにおける使用の際も、それぞれのツールの特徴をよく考えて、シーンに合った使い方を心がけましょう！
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