コミュニケーションスキルアップのための目標設定

日常生活において、自分以外の他者と接する以上、様々な場面で求められるコミュニケーションスキル。その重要性から、もっとコミュニケーションスキルを向上させたいと思っている方もいることでしょう。

しかし、単にコミュニケーションスキルの習得、とだけ目標に掲げてしまうと、具体的に何ができるようになったら達成したことになるのかが分からず、戸惑うのではないでしょうか。

目標は設定する時点だけではなく、その前後に何を行うかが重要です。そこで今回は、コミュニケーションスキルにおいて、目標設定を正しく行う方法をご紹介します。

目標を設定する前に、現状を把握しよう。

問題がどこにあるのかが分からなければ、それに見合った解決策を考え出すことは不可能です。

問題というのは、「初対面の相手と話をするのが苦手」「電話口だと焦ってしまいうまく話せない」等、どんな大きさのものでも構いません。

こういった問題点をまだ認識できていない方は、目標を少しでも明確なものにできるよう、自分の現状を把握することから始めましょう。

コミュニケーションスキルは、次のような形で様々に分類することができます。

目的で分類する

コミュニケーションの目的は、大きく分けると、①人間関係を築く、②情報を交換・共有する、③相手に働きかける、の3段階あります。

土台となる①が根本的に苦手であれば、残りの②③の効果までいまひとつになってしまうでしょうし、①②がうまくいっても③ができなければ、その対話の目標は達成されないかもしれません。

手段で分類する

次に、コミュニケーションの手段は、言語と非言語の2種類に分けられます。

言語によるコミュニケーションはさらに、「伝える力」と「受け取る力」に分けられます。

また、対面だけでなく、メールや書面でのやり取りも想定されますから、「文章を書く力」や「文章を読む力」も含まれます。

非言語のコミュニケーションは、表情や声のトーン、視線、ジェスチャーなどが含まれます。

中身が完璧なプレゼンをしたつもりでも、「なんだか自信がなさそう」と思われてしまってはプレゼンの内容まで頼りないものに思えてきますし、逆に言語の違いなどでうまくやり取りができなくても、非言語のコミュニケーションでカバーすることは可能でしょう。

形態で分類する

コミュニケーションの形態には、個人間のコミュニケーションと複数の人間間のコミュニケーションの2つがあります。

個人間のコミュニケーションは、相手と真正面から接することになるため、より親密な関係を築くことができる一方、緊張や責任感からうまく対話できないという可能性も大いにあります。

また複数人のコミュニケーションには、また違った難しさがあります。人数が多くなればなるほど、話し手・聞き手の切り替えが複雑になりますから、円滑な会話を進めるための間合いを考えながら発言せねばなりません。かといって遠慮してばかりでは、今度はその集団から孤立しかねません。

問題を把握できたら、目標設定をしよう

自分がコミュニケーションスキルの中でどの部分に問題を抱えているか把握できたら、過去の自身の経験と結びつけながら、具体的な目標を設定しましょう。

例えば、自身が改善すべき点は、言語によるコミュニケーションにおける「伝える力」が弱いことだ、と気づくとします。次に、それを裏付ける過去の経験を思い浮かべます。「上司や同僚に『話がまとまっていない』、『結局何が言いたいのかよくわからない』と言われたことがある」などがこれに当たります。このような経験から、目標は「自分の言いたいことを分かりやすく伝える」と大きく設定することができます。

柱となる目標が決まったら、次にその目標を達成するためにはどうすべきか、を細かくリストアップしましょう。

例としては、「最も伝えたい点をひとつに絞る」「話の最初と最後に最も伝えたい点に言及し、強調する」等が考えられます。

このあたりの作業は、コミュニケーションスキルに関する目標設定に固有のものではなく、広く目標達成のために行われることでしょう。

目標の達成度を測ろう

目標を設定したら、どのくらい達成できているか定期的に振り返る作業が必要です。しかし、「1日1万歩歩く」といった目標と比べれれば明確なように、コミュニケーションスキルにおいては、達成度を数値化し量的に評価することが困難です。

質的評価を見逃さない

そこで量的評価に代わって使用するのが、質的評価です。先程の例を参考にすれば、例えば「上司の反応」や「同僚の反応」が評価の基準になってきます。

相手の表情や、相づちの頻度、相手が質問を投げかけてくる箇所などから相手の理解度を読み取ることができます。相手の反応のひとつひとつを見逃さず、自身のコミュニケーションスキル成長の指標としましょう。

検定や診断テストを活用する手も

上記の方法ではなく、もっと目に見える分かりやすい形で自身のコミュニケーションスキルを測りたい!という方は、検定や診断テストをひとつの指標として利用してみるのも良いでしょう。

ただし、それらの評価基準さえ満たせば安心というわけではありません。日々の実践に活かせなければ意味がありませんから、あくまで参考にする程度に留めましょう。

必要なのは、的を絞って努力すること

最初にも述べた通り、コミュニケーションスキルには様々な能力が含まれます。故にそれぞれの能力をトレーニングする方法も多数存在します。

闇雲に「コミュニケーションスキルをアップさせたい」と目標を掲げることは、具体的でないだけでなく、あまりにもすべきことが多いために無謀なのです。

あなたが今必要とされているコミュニケーションスキルが何なのかを正しく見極め、優先順位を決めて一つずつ着実に伸ばそうとする姿勢こそが、コミュニケーションスキルと向き合う上で必要不可欠なのです。

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