働き方改革をデジタル化で推進するための3ステップ

日本政府による働き方改革関連法案の施行により、長時間労働の是正、在宅勤務の推進、職場環境整備など多くの課題に取り組まなければならない環境下で、企業にとって最も重要な取り組みとなっていくのが組織の生産性向上です。働き方改革は、人口減少と少子化による働き手不足や、柔軟な働き方をしたいという社員の増加といった、今後日本社会が迎える構造的変化に対応する政策として推進されています。

働き方改革の前から、生産性向上にはどの企業も取り組んできたと思います。しかし、働き方改革が提唱されて本格的に取り組んだとしても、社員一人ひとりが得られる成果には限界があり、それ以上の結果には結びつきにくいと言われています。そこで、注目されているのが、ビジネスのデジタル化です。

デジタル化を視野に入れて働き方改革を捉えている企業は、今後、社会の流れと自社のリソースを掛け合わせ、何ができるか、という問いをし続けることによって、これまでよりも価値の高いアイデアを生み出すことが可能となっていきます。では、今後日本の企業が働き方改革を進めていく上で、必要となっていくデジタル化とはどのようなものなのでしょうか。

データに見る日本のデジタル化の現状

一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会は2020年2月、「企業IT 動向調査2020」において、民間企業における「デジタル化」の取り組み状況の調査結果を発表しました。この調査で、調査対象企業のうち半数の企業は自社の商品・サービスの「デジタル化」を実施、あるいは検討中であることがわかりました。そしておよそ7割の企業は業務プロセスの「デジタル化」を実施あるいは検討中と回答しています。このことから国内の民間企業が「デジタル化」を重要視していることがわかります。

しかし、全ての企業が「デジタル化」に成功しているわけではなく、同調査の「デジタル化」を未実施と回答した企業の割合に着目すると、商品・サービスの「デジタル化」を未実施の企業は50.3%で、プロセスの「デジタル化」を未実施の企業は34%と、「デジタル化」できていない企業の割合が未だに多い割合を占めます。半数の企業が「デジタル化」を検討する一方で、なかなか思い通りに「デジタル化」が実現できていない現状が浮き彫りとなりました。

「デジタル化」の取り組みとは、様々なヒト・モノ・コトの情報をつなげて、新しいサービスやプロセスを高度化させることに意義があります。その際、これまでのビジネスとは異なった、新たな領域のシステム化を図ったり、まだ一般的ではない先端技術の導入を検討しなければならないこともあります。

しかし実績のないプロジェクトにどれほどのコストや期間がかかるのか検討する事自体が、大きな課題となってしまうことも起こり得ます。そのために「デジタル化」を導入するための意思決定がなかなか下せないという現実があるようです。

デジタル化によって業務を効率化すための手順

では、働き方改革をデジタル化によって進めていくために、業務はどのように効率化できるのでしょうか。導入のときに押さえておきたい3ステップを順番に見ていきましょう。

1. RPA(Robotic Process Automation)を利用する

これまでヒトでしか解決できなかった業務課題も、最新のデジタル技術によって、費用対効果の高い解決が可能となってきています。RPAを活用すれば、業務フローを人間がRPAに記録して、ロボットは決められた手順・ルール・スケジュールに従って人の代わりに作業をしてくれます。

2. ロボットを駆使する

ロボットはソフトウエアに記憶させた業務フローを行ってくれます。自動化の対象となる業務は、単純作業やルーティンワーク、大量のデータ処理、文書作成など多岐に渡ります。デジタル化による準備さえできれば、バックオフィスのさまざまなパソコン操作を、ロボットが行う作業に置き換えることが可能です。

3. AIを利用する

更にデジタル化が進めば、AI技術の活用も視野に入れることができます。顧客サービスのワークフローの合理化、戦略策定のためのデータ調査など、AI技術は、どのようなビジネスモデルの改善にも活用できます。今まで人員を割いていた作業がなくなり、更に効率よく、ビジネスの発展にも結びつくAI技術の導入が、今後の働き方改革の中で、大きな役割を果たすでしょう。

今後のビジネスをデジタル化する意義とは

クライアントに対してサービスを提供していくという点から見たときに、目指すべき姿は、あらゆる情報のやりとりをコンピュータを介して行うことができる形にすることがまず大前提にあげられます。

企業の中で保有している情報をデータ化し、その情報がネット上でやり取りできる状態になっていることが、スピード重視のビジネスにおいて最低条件となっていきます。そして、デジタル化によって物理的に離れた状態にあるモノ同士をつなげることで、新たな価値を創造していくことが、今後の企業の発展を考えたときに必要となっていきます。これがビジネスをデジタル化する意義だといえます。

このように、離れたモノを繋げる技術が進化し、新たな価値を生み出していく流れをデジタル化と捉えると理解がしやすくなります。インターネットやクラウド、AIといった技術は、もうすでに様々な文脈で新しい価値を生み出しはじめているのです。

働き方改革はデジタル化で加速させる

AIなど最新デジタル技術を活用するにはまだまだ試行錯誤していかなければならない面もあります。また、過剰な期待から「AIがあれば全て解決可能」という風潮も少なからずあるため、現場でデジタルに置き換えられる業務をしっかりと把握し、推進していく必要があります。

一足飛びにできることではありませんが、業務においてデジタル化が進めば、今までとは違うレベルの生産性の向上を実現でき、社内の改革を加速させることができるでしょう。

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