業務効率化で時間短縮を図るためのアイディア10選

社内で業務効率化を進めなければならないと思っていても、実際に何から始めればよいのかわからない担当者の方も多いのではないでしょうか。思いつくままポイントを押さえずに、むやみに進めた結果、非効率な業務が増えてしまうという恐れがあるのが業務効率化です。業務の効率化を進めていく際には、いろいろな手法やアイディアがありますが、今回は、時間短縮に関する具体的なアイデアについて紹介します。

業務効率化の基本的な考え方

業務効率化とは、業務の「ムリ・ムダ・ムラ」を無くしたり、減らしたりすることで、業務をより効率的に進められるようにすることをいいます。社内のすべての業務を洗い出し、「ムリのある計画や業務量」「ムダに費やしてしまっている時間」「部署や従業員など、担当者によってムラがでる業務」などを軽減する方法を考え、実行していく施策のことを指します。

業務効率化の目的は、「時間やコストの削減」です。業務効率化が機能し始め、ムリが少なく、従業員が働きやすい職場になることで、業務の負担が軽減され、従業員の満足度が向上したり、働きやすさをアピールすることで、優秀な人材を確保しやすくなったりする効果を期待できます。

業務効率化が浸透すれば、残業時間なども減らすことができるため、働き方改革やワークライフバランスの実現も可能となります。また、今までムダに使われてしまっていた時間を、よりクリエイティブな仕事に充てることができるため、従業員の意識も変わり、社内でのイノベーションも期待できるでしょう。その結果、企業の生産性向上や業績アップにもつながっていくのです。

業務効率化で時間短縮を図る具体的なアイディア

労働時間と生産性が正比例している場合、労働時間が5まで下がると生産性も同じように5まで低下してしまいます。これでは単に労働時間が短縮されただけで、時間短縮をしたメリットがありません。50%や70%の時間で従来のアウトプット出せるかという視点で、業務の効率化に取り組みましょう。以下では具体的な施策をご紹介します。

1. タイミングよく業務を行う

作業を効率的にこなすためには、作業に優先順位を付けて仕事を進めて行くことが重要です。スケジュールを細かく設定しようとすると、時間に追われてしまうおそれがあります。優先順位を付けた中で、重要な案件だけをスケジュールに入れ、そのほかは、優先度と集中できるタイミングに合わせて行っていきます。

また、時間を作るテクニックとして、メールチェックの時間を決めておくというものがあります。都度メールに対応していると、メールに対応している時間が結果的に長くなります。緊急の要件は電話で対応し、メールは一日3回何分以内といったように、特定の時間にまとめてチェックすれば、効率的に作業を進められます。

2. ショートカットと単語登録を利用する

文章ベースの業務において、積極的にショートカットキーや単語登録を活用ことで、時間短縮を図れます。それぞれ短縮できる時間は数秒程度ですが、積み重なれば膨大な時間を削減することに繋がります。このようなテクニックは意外と知られているようで、知られていなかったりすることがよくあります。同僚などで共有しておくとチームの生産性も上がります。
以下、Windows環境における一般的なショートカットキーを紹介します。

・すべて選択:Ctrl+A
・切り取り:Ctrl+X
・コピー:Ctrl+C
・貼り付け:Ctrl+V
・保存:Ctrl+S
・検索:Ctrl+F

日々何十通ものメールのやりとりをする人にとって、1通の作成にかける時間が少しでも短縮されれば、結果的に大幅な労働時間削減につながります。また、「単語登録」の機能機能を使い、よく使う文章を登録しておくと、更に時間が短縮できます。「おせ」と入力すると「お世話になっております。○○株式会社の××でございます。」と入力されるように設定したり、
「とり」と入力すると「とりいそぎ用件のみの返信にて失礼致します。」と、入力されるように設定できます。

このように文章を登録しておくと、一文の入力にかかる時間が短縮され、同じようなメールを日々作成する人にとってみると、かなりの時間が短縮できることになります。

3. 「電話」を効果的に使用する

「連絡はすべてメール」という習慣が身についている方も多いのではないでしょうか。しかし、時には微妙な感情のニュアンスを伝えたい用件もあるものです。メールで相手の感情に気を遣いながら文章表現を考えるのは、気付かないうちに時間を取られます。

そのような時は迷わずに電話をしてしまった方が早いこともあります。一見時間がかかりそうに思われますが、社内の人であれば、その人の席まで足を運んで話をすしたほうが、悩みながらメールを書くよりもスピーディにコミュニケーションが取れます。

4. 交通費精算にかかる時間を短縮する

営業職の場合、「交通費の精算」という業務が発生します。精算方法は各社異なりますが、行先の駅名・運賃を入力して計算し、申請するという形をとっている場合、意外と時間がとられます。Webの乗り換え案内サイトで運賃を検索して入力している人がほとんどではないでしょうか。

Excelのマクロ機能を使えば、一連の入力手順を記憶させ、呼び出して自動的に実行させることができます。交通費精算に限らず、何段階かの手順で入力する作業に時間をとられている人は、マクロやVBAなどを活用すると大幅に時間を短縮できます。スキルを持っている人がチーム内に入れば、システムを組んでもらい、部署内で共有することで、チームの業務の効率化も上がります。

5. 業務のアウトソーシングを検討する

「アウトソーシング」とは、業務の一部を切り出して、社外の人材や専門企業に仕事をしてもらう方法です。別の呼び名では「業務委託」とも呼ばれます。毎月の給与計算といったルーティン化されている業務や、カスタマーサポートサービスの運営など、社内で運営するよりも、専門業者に委託するほうが割安な業務もあります。アウトソーシングを活用することで、本来会社として注力すべき業務に集中できるようになるため、業務効率アップや、業績アップにも期待できます。

6. ビジネスチャットを利用する

ビジネスチャットは、パソコンやスマホなどを通じて、複数人とリアルタイムでメッセージのやり取りをすることができるICTツールです。チャット型の情報共有ツールを導入することで、リアルタイムな情報のやり取りができます。メール作成に時間がかかったり、相手とタイミングが合わず何度も折り返し電話をしたり、といった今までかかっていたムダな時間を削減できます。

会社の組織内のみ利用可能な社内SNSもありますし、外部ともやり取りできるビジネスチャットツールなど、様々なサービスがありますので、自社組織に合ったものを選ぶことができます。

7. 会議のオンライン化

社内の会議は企業にとって重要なものですが、会議のために会場まで移動する時間や、会議にまつわるコストは無視できません。会議のやり方を変えることで時間短縮ができます。具体的な方法としては、会議資料やアジェンダの事前共有し、「Zoom」「Google Meet」といったWeb会議システムを使い会議をオンライン化することで、時間短縮が図れます。

8. 作業時間を細かく設定する

集中力が切れてくると、ダラダラと作業をしていたり、別のことをあれこれ考え始めてしまうこともあります。そんなときには時間を短く区切って業務に当たることで切り替えができるようになります。短い時間意識して集中する環境をつくることで、ひとつの作業に集中して取り組めるようになります。

この際にタイマーやアラームを使うと効果的ですが、音や振動で他の社員の業務を妨げないよう、アプリを使ってパソコンの画面上で操作できるものがおすすめです。

9. マニュアルを作成する

誰もが同じように業務を進められるようになるために欠かせないのが、マニュアルの作成です。新人、ベテランといった業務の習熟度に関係なく、誰でも同じ作業を自分一人で進められるようにすることで、指導の時間も削減され、業務の効率が格段に良くなるものもあります。文章だけでのマニュアルだとイメージが湧きづらく、かえって混乱を招く恐れもあるので、フローチャートや画面キャプチャなどを織り交ぜてマニュアルを作成すると効果的です。

10. RPAを導入する

「RPA(Robotic Process Automation)」は、ロボットを活用して業務自動化を行うためのソフトウェアのことです。入力値のチェックや会計金額の照合など、明確な判断基準がある定型業務であれば自動化することができ、膨大だった作業時間を大幅に削減できます。またロボットが機械的に行うので、人間が行うよりもミスが発生しにくいというメリットもあります。業務の種類によって、効果が異なり、費用にも幅があるので、しっかりとした運用計画が必要となります。

業務効率化で成長し続ける企業に

効果的に実施されれば、企業の成長と従業員の労働環境改善のどちらにも効果が期待できるのが業務効率化です。労働人口の減少が進む中で、従業員が「働き続けたい」と思える企業であるためにも、企業側は積極的に取り組んでいく必要があります。そのためにも「ムリ・ムダ・ムラ」を減らしていく努力が必要となります。

今回は時間短縮にテーマを絞って施策を紹介しましたが、他にも業務効率化の手法は多岐にわたりますので、自社の組織に合った方法を見つけて、実施してみてください。

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