ビジネスチャットが働き方改革に効果的な4つの理由

働き方改革の一環として、業務内容を変えるだけでなく、これまでの業務の進め方を見直し、社員ひとり一人の生産性を高めようと考えている企業は非常に増えています。

働き方改革とは、日本政府が推進している「働く方々が個々の事情に応じた、多様で柔軟な働き方を自分で「選択」できるようにするための改革」のことです。「年次有給休暇の時季指定」「時間外労働の上限制限」「同一労働同一賃金」などの法改正が進んでいます。働き方改革の目指す場所は、「一億総活躍社会の実現」です。働き方改革をまとめると、「“誰もが生きがいを感じられる社会(一億総活躍社会)を実現するために、これまでの働き方を見直し、もっと働きやすい社会を作りましょう”という取り組み」ということができます。

その働き方改革推進の一環として、「ビジネスチャット」を活用する企業が増加しています。例えば、ビジネスチャットを利用すれば、コロナ待機や介護、子育てなどで在宅勤務している社員が、会社で仕事をしているかのように社員同士の意思疎通や情報共有を簡単にすることが可能です。

この記事では、働き方改革と新型コロナウイルス感染拡大に伴う在宅勤務の増加により急成長しているビジネスチャットの市場規模やおすすめのビジネスチャットツールを徹底解説します。

ビジネスチャットとは?

ビジネスチャットは、主に業務連絡・ビジネス上のコミュニケーションのための利用が想定されたチャット用のツールやサービスのことを指します。個人向けチャットよりも、セキュリティ面が強化されていることが特徴の1つです。

ビデオ通話や、スケジュール共有、タスク管理も行う事ができ、ビジネスチャット1つを導入すれば、ほとんどのビジネスコミュニケーションをまかなうことができます。

ビジネス用途チャットツールを導入することで、社内外におけるコミュニケーションスピードの向上やツールを前提とした業務プロセス刷新による業務効率化、サービス品質改善の両立などの成果を得ることが可能です。

2024年にはビジネスチャットの市場規模は300億円に

ビジネスチャット業界は、世界全体で経済効果を年々高めています。市場規模が広がり続ける背景をまとめました。

2021年に日経BPコンサルティングのアンケートシステムが、同社保有の調査モニター2,319人を対象に調査を実施したところ、勤務先でビジネスチャットを導入しているかという質問には、下記の結果になりました。

「導入している」43.0%
「導入予定なし」37.6% 
   

従業員規模別にみると、導入比率は99人以下の企業では16.5%なのに対し、1万人以上の企業では73.0%という結果になりました。従業員規模が大きくなるに従い、ビジネスチャット導入比率が高まる傾向があるようです。

ビジネスチャット市場の2019年度の売上金額は105億6,000万円、前年度比41.6%増となり、2024年度には300億円に迫る市場規模に拡大すると予測されているのです。働き方改革と新型コロナウイルス感染拡大に伴う在宅勤務の増加により、さらに急成長が見込まれます。

また、国内の潜在市場規模は6,455億円あると言われています。

なぜ働き方改革が推進されるのでしょうか?

ビジネスチャットツールが飛躍的に導入された背景には、働き方改革があります。なぜ、政府は働き方改革を行うようになったのか。さまざまな理由がありますが、主要なものを2つご紹介します。

1)労働力人口の減少

少子高齢化に伴う労働力人口の減少が、大きな原因の一つです。現在、日本は人口減少と高齢化という課題に直面していて、2018年には1億2,644万人まで人口が減少しています。一方で、高齢者の割合は年々増加しており、1989年には11.6%でしたが、2018年には倍以上の28.6%までその割合を増やしています。現在の仕組みのまま、人口減少と高齢化が進むと、相対的に働き手の数も減少し、国力の低下に繋がる恐れがあります。この事態を防ぐために政府によって打ち出された施策が、「働き方改革」というわけです。さまざまなバックグラウンドをもつ人たちが働ける社会を構築することで、労働力人口の確保を狙っています。

2)ワークライフバランスの考え方

2つ目は、長時間労働に対する批判です。日本は、世界的にみても「働き過ぎな国」とされています。働き過ぎが原因で死亡してしまう「過労死」は日本特有の問題とも言われ、海外でも、そのままの発音で「KAROUSHI」と訳されるほどなのです。

また、2013年には国連の社会権規約委員会が、日本に過労死対策を講じるよう勧告しています。このような長時間労働に対する批判を受け、日本政府は働き方改革を通じて、長時間労働の是正へと乗り出すこととなりました。

ワークライフバランスとは、「仕事と生活を充実させる生き方」です。人生100年時代を迎え、老後の生き方や余暇の使い方にも焦点が当てられるようになってきました。仕事だけでなく、私生活や個人の自己実現にも力を注ごうという風潮が広がりつつあります。最近では、社員のワークライフバランスを応援する積極的な企業が人気になっています。

ビジネスチャットが働き方改革に効果的な4つの理由とは?

ビジネスチャットが、働き方改革の推進において効果的な理由を4つのポイントで解説します。

1)マルチデバイス対応で働く場所を選ばない

ビジネスチャットはマルチデバイス対応の物が大半のため、PC、スマートフォンやタブレットからも利用することができます。また、ほとんどのサービスがアプリ化されており、各端末で使いやすいように設計されています。

会社ではPC、現場や外出先ではスマートフォンやタブレットといったように、使用場面に応じて利用デバイスを変えることが可能です。いろいろな場所から業務を遂行できるようになり、業務効率が格段に改善されます。

例えば、従来のツールがPC専用のもので、業務連絡を送る際は、必ず事務所に戻らなければならないといったケースの場合、ビジネスチャットを活用することで、携行端末から連絡が送れるようになり、「連絡のための移動や帰社」という業務の無駄を徹底的に削減することが可能になるのです。

2)コミュニケーションの速度が向上する

ビジネスチャットを活用することで、社員同士のコミュニケーション速度が格段にアップします。ビジネスチャットは、メールよりも手軽に扱えるため、吹き出し形式で前後の会話を確認しながらメッセージのやり取りを行え、挨拶などを含める長文のメールとは異なり、短い文章でレスポンスを素早く行う文化がビジネスチャットには定着しているので、即時性の高いコミュニケーションが行えます。

ビジネスの枕詞も省略する文化があるので、フォーマルよりもカジュアルな使い方が適しています。そのため、ビジネス感の強い文章を作ることに抵抗やハードルの高さを感じていた方も、ビジネスチャットなら、そこまで気負うことなくコミュニケーションが可能です。返信が億劫に感じることも少なくなり、気軽にメッセージが送れるようになるので、結果としてコミュニケーションの速度向上が期待できます。

3)法人用にカスタマイズされた高いセキュリティレベル

個人用チャットツールと大きく違うところは、高いセキュリティレベルです。どれだけ便利なツールであっても、セキュリティに大きな懸念があるようではビジネスに使うことはできません。その点、ビジネスチャットは、法人が利用することを想定して作られたツールなので、設定次第で金融機関レベルの高いセキュリティ環境にすることが出来ます。例えば、ツールにアクセスできる場所を制限したり、チャットログを閲覧したりなどこれらのセキュリティ機能を自社のセキュリティガイドラインと照らし合わせて活用することで、情報セキュリティの強化を実現できます。

4)業務効率化につながる

ビジネスチャットを利用することで情報共有が行いやすくなり、さまざまな業務の効率化が望めます。

例えば、紙の報告資料をファイル共有機能によって電子化して共有することで、「資料の印刷」と「提出された資料の回収」といった作業をなくせます。この作業を郵送で行っていた場合、「資料の封入」や「集荷対応」といった業務もなくすことができるでしょう。

またビジネスチャットは、インターネットの環境と使用するための端末さえあれば、どこからでも利用が可能です。場所を選ばずに情報共有や業務連絡が行えることで、不要な移動の削減や情報共有の速度向上といった効果が見込め、業務の効率化につなげられます。

働き方改革に効果的なビジネスチャットツール3選

ますます市場規模が拡大するであろうビジネスチャットツールの中でも、おすすめな3つをご紹介します。

1)世界的に利用されているOffice製品との連携が可能「Microsoft Teams」

Microsoft Corporationが提供する「Microsoft Teams」の最大の特徴は、Office製品との連携に重点をおいている点になります。業務で利用している人も多いExcelやWordといったOffice系との連携が可能で、チーム内のメンバーで共同編集を行うこともできます。。共有のワークスペースにファイルなどをまとめられるので、場所に制限されず仕事をしたり、チームとチャットが行えます。Officeをすでに利用している場合や、会議中以外にもチャットやファイル共有を行いビジネス上のコミュニケーションを活性化させたい場合は、Microsoft Teamsの利用がおすすめです。

Word、Excel、PowerPoint、SharePointなど組み込みのOffice 365アプリでファイルの共同作業が行える点が特長で、業界を問わず、さまざまな企業で導入・活用されています。

チャットの自動翻訳機能が付いているため、様々な国の人とグローバルに仕事をする職種の方に人気です。

【料金プラン】
Microsoft Teams  0円
エッセエンシャル 430円/1アカウント/月
ベーシック 650円/1アカウント/月

Microsoft Teamsサービスサイト : https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-teams/group-chat-software

2)国内NO,1の導入数を誇る国産ビジネスチャットツール「Chatwork」

Chatwork株式会社が提供する「Chatwork」は、30万社以上が導入中である“純国産”のビジネスチャットツールです。直感的に使えるデザインのため、チャットに慣れない方・初めて使う方もスムーズに操作が可能です。「担当者」「期限」を設定してタスクを登録できる機能が人気で、対応漏れを防ぐことができます。また、ユニークな機能として「マイチャット」が人気です。自分だけが見ることのできるチャットで、メモやファイルの置き場としても活用でき、業務効率に繋がります。

IDを共有すると社内外とのやり取りとしても利用することができるため、取引先との連絡や委託先にアウトソーシングする際のタスク管理など、社外とのやりとりが多い企業にお勧めです。既読機能がないので、返信のプレッシャーがかからないところが人気のポイントです。

タスク管理も可能で「本日・1週間以内・期限なし」など細かく分けて、誰がどのタスクを持っているのかを可視化できます。タスクを完了させるとグループメンバーにも通知がいくため、互いに進捗状況を確認できます。

【料金プラン】

フリー 0円 / ユーザー/月
パーソナル 400円 / ユーザー/月
ビジネス 500円 / ユーザー/月
エンタープライズ 800円 / ユーザー/月

Chatworkサービスサイト : https://go.chatwork.com/ja/

3)金融レベルの高セキュリティが人気の1000社以上の利用実績「Tocaro」

伊藤忠テクノソリューションズの「Tocaro(トカロ)」は、組織で働くビジネスマンがより効率的に働くことをサポートすることを目的として自社開発したビジネスチャットツールです。組織で働くビジネスマンがより効率的に働くことをサポートすることを目的としています。『グループチャット』『ファイル共有』『タスク管理機能』『ビデオ通話』『通話』『Box連携』『柔軟なセキュリティ機能』が備わっています。 

Tocaroの最大の特徴は、検索機能です。発信者が投稿したデータやファイルを自動で整理して管理されるため、複数のチャットから必要な情報を素早く引き出せます。アップロードされた画像やファイルなども一元管理できるほか、タスクの期日や担当者を割り当て、共有することも可能です。業務に必要な資料や情報、進捗状況などを素早く共有・可視化できることで、業務効率の向上に役立てられます。
安心安全で使いやすさを重視する金融・通信・鉄道・航空・教育など、幅広い業界で利用されています。

【料金プラン】
スタンダード 800円 / 月/ユーザー
ビジネス 1000円/ 月/ユーザー

Tocaroサービスサイト:https://tocaro.im/

市場規模が拡大中のビジネスチャットツールを導入しましょう

ビジネスチャットの市場規模や働き方改革に効果的な理由をご紹介しました。

今後、ますます市場規模の拡大が予想されます。ビジネスチャットと一括りに言ったとしても、利用目的や利用方法によって選ぶべきビジネスチャットは変わってきます。

社内でビジネスチャットを利用したい理由や目的を話し合った上で、サービスを比較し、自社にマッチしたビジネスチャットを探してみましょう。

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