ビジネスチャットのメリット・デメリットを徹底解説

新型コロナウイルス拡大防止の影響で、在宅勤務を取り入れる企業が急増しました。それに伴い社内コミュニケーションに変化が生じ始めています。在宅勤務の導入や感染拡大防止の時間差通勤などで、これまでオフィスで日常的に行われていたちょっとした連絡や相談がしづらくなってしまいました。即時性・気軽さといった使い勝手やリモート環境のなかで社員同士のコラボレーションを効率化するために、ビジネスチャットを導入する企業が増えてきました。

会話をしているようにコミュニケーションがとれるので、メールに代わるコミュニケーションとして、ビジネスチャットの導入が加速しています。最近では、社内メンバーだけでなく、社外メンバーとコラボレーションでき、API(アプリケーションプログラムインターフェイス)によっていろいろなアプリケーションと連携することも可能です。

この記事では、ビジネスチャットとはどのようなツールなのか、メリットやデメリット、おすすめのビジネスチャットツールを解説しています。

今さら聞けない!?ビジネスチャットって何?

ビジネスチャットとは、チャットツールを会社で利用できるサービスです。個人向けチャットよりも、セキュリティ面が強化されていることが特徴の1つです。

気軽にメッセージのやりとりを行えるだけでなく、Webミーティングやタスク管理、スケジュール共有、ファイル共有なども行えます。ビジネスチャット1つを導入すれば、ほとんどのビジネスコミュニケーションをまかなうことができます。

世間では、LINEやTwitter、FacebookなどのSNSがコミュニケーションツールとして生活に欠かせないものになりつつあります。チャット形式のリアルタイムのコミュニケーションの手軽さや利便性を日常的に体感している人々にとって、一方通行かつ形式張った定型文を強いられるメールや相手の時間を拘束する電話に対して、抵抗感が高まっていることもあり、チャット形式のビジネスチャットが浸透しているのです。

ビジネスチャット7つのメリット

今までメールで行ってきたコミュニケーションをビジネスチャットへ移行すると、7つのメリットが期待されます。

1. コミュニケーションの効率化

ビジネスチャットツールを導入する1番のメリットであり導入する目的である、社内のコミュニケーションを効率化できるということです。

メールと違い、チャットは定形の挨拶や署名が不要で、要件だけを簡潔に伝えられるので、文書を作成する時間や読み手の内容理解の時間の削減ができ、コミュニケーションの効率が上がります。
またメールは、受信者がいつメッセージを見てくれるかもわからないため、会話のテンポはどうしても遅くなってしまいがちでした。

ビジネスチャットは、メールよりもテンポよく会話が可能で、タスク管理やスケジュール管理も一元化できるため、部署内やチーム内におけるプロジェクトの進捗具合を可視化・共有し、無駄なミーティングなどを減らすことで、業務効率化を可能にします。

2. 高いセキュリティの中での情報共有で安心

個人用SNSとビジネスチャットの違いはセキュリティの高さです。ビジネスチャット内で、企業の情報や個人情報のやり取りをすることもよくあるため、情報が流失しないように高いセキュリティが求められています。基本的なセキュリティ機能として、①IPアドレス制限機能②端末容認機能③ログ保存機能④暗号化機能の4つの機能があり、メールよりもより安全な環境で業務のやりとりを行うことができます。

金融レベルの環境を求める場合には、クラウドではなく自社ネットワークを利用するオンプレミス型のビジネスチャットツールを選ぶのがおすすめです。

3. 自由な場所でのワーキングスタイルが可能

ビジネスチャットはインターネット環境さえあれば、社内外どこからでもどの端末からでもアクセスができます。そのため場所や時間を問わないコミュニケーションが可能です。コロナ禍でのテレワークや出張で社外にいる場合にも、リアルタイムな情報の共有が簡単にできるので様々な勤務体系に対応できます。

4. タスク管理で個別管理が可能

ビジネスチャットの基本機能の1つであるタスク管理機能を使えば、効率の良い作業が可能になります。作業ごとにその日にやるべき仕事や進捗を確認できるので納期の漏れやミスを防ぐことができ、効率的に働くことが可能です。

5. グループチャット機能でチーム別管理が可能

グループチャット機能を使えばチャット内でタスクの共有や管理が簡単にできます。プロジェクトや部署、チームごとにまとまった管理ができることに加えて、場所や人数を問わない自由なコミュニケーションが可能になります。チームの進捗状況を一目で確認できるので、報告のための会議や連絡をしなくて良くなり効率的に業務を進行できます。

6. スピーディな情報共有が可能

ビジネスチャットツールは、プロジェクト別、あるいは部署別などでチャットルームを設けてやりとりできるため、周知させたいことの共有やファイルのシェアなども簡単に行えます。
LINEなどの一般的なチャットツールと同様にポップアップ通知が届くため、スピーディにやり取りができます。既読機能がついているものであれば、いつメッセージを見てもらえたのか確認することも可能です。

7. 必要な情報だけを把握することが可能

従来のメールでは、迷惑メールやメールマガジンなどの関係のない情報が届くこともあり、必要な情報を探すのに時間がかかってしまったり、重要な情報を見逃してしまうリスクもあります。また、プロジェクトチームなどの複数人でのやりとりになると、量も多くなります。一目見るだけで不要と判断できるものもありますが、1つずつ開封して確認する必要があります。また、最後まで読まなければメールの趣旨がわからないものもあります。ビジネスチャットなら、プロジェクトチームや部署メンバーでグループを作成できるため情報共有がしやすく、ファイル転送も簡単で効率良いのです。

ビジネスチャットの2つのデメリットと対処方法

上記では、ビジネスチャットのメリットをまとめました。一方でデメリットもあるものです。どのようなデメリットがあるのか、その対処方法もあわせてご紹介します。

1. 対面でのやりとりが少なくなる

ビジネスチャットでの手軽なコミュニケーションが増えていくと、対面でのやり取りが少なくなっていきます。チャットを通して気軽に会話を行えるということから、わざわざ直接会話する必要がないという空気が生まれてしまいがちなのです。便利になった半面、社内でのコミュニケーション不足による誤解を招くケースが増えてきます。

文字だけでは感情や雰囲気が伝わりづらく、ニュアンスを100%理解することは難しいので対面のコミュニケーションよりも伝え方、語尾などを工夫する必要があります。例えば、一方的に報告や文字だけの文面にせずに絵文字やスタンプで感情をつけ加えるなど、相手がどのように受け取るのか考えるようにしましょう。さらに、重要な内容や複雑な話はメッセージだけで終わらせず、ビデオ機能を使用するなど状況にあったコミュニケーションを心がけましょう。

2. 社員へのシステム教育が必要

社員の中には、新しいシステムにすぐに対応できる人もいれば、従来のやり方(メールなど)に慣れており変化に対応するのに時間がかかる人もいます。はじめは研修や周知をする必要があり、全員が使いこなせるようになるまでは時間と手間がかかります。導入しても、社内に定着しなければ教育や研修で割いた手間や費用が無駄になってしまうのです。

導入する際は、ビジネスチャットを利用する目的と効果を周知し、積極的に使っていこうとする意識を高めることも重要です。また無料で始められるツールもあるので、まずはグループや部署などに限定し試してみるといいでしょう。

おすすめのビジネスチャット3選

ビジネスチャットのメリットデメリットがわかったところで、おすすめのビジネスチャット3サービスをご紹介します。

1. 同じ使い勝手だから導入してすぐに使えるLINEのビジネス版「LINE WORKS」

ワークスモバイルジャパン株式会社が提供している「LINE WORK」は、チャットやスタンプはもちろん、掲示板、カレンダー、アドレス帳、アンケートなど、現場で活用できる充実したグループウェア機能を揃えたLINEのビジネス版ビジネスチャットツールです。LINEでお馴染みの使用感を踏襲しているので、どの年代の方もすぐに使いこなせる点が人気のポイントです。トーク(チャット)やメール、社内周知ができる掲示板や、メンバーの予定も把握できるカレンダー、資料やファイルをどこからでも保存し閲覧できるDrive、さらに社内外のユーザーに実施できるアンケートなど、仕事で活用できる充実した機能が1つのアプリに揃っています。

2020年度の有料ビジネスチャットシェアNo. 1、導入企業は35万社以上の人気のツールです。

【LINE WORKSの価格】
Free
スタンダード:540円/ユーザー/月
アドバンスト:960円/ユーザー/月
※2022年4月より新料金プラン。年間契約は、約20%割安です。

LINE WORKSサービスサイト : https://line.worksmobile.com/jp/

2. メッセージプラットフォームの先駆者「Slack」

Slack Technologies, Incが提供する「Slack」は、日本はもちろん、世界的にも広く認知されているビジネスチャットであり、世界150ヵ国以上で利用されているだけでなく、有料プランの利用企業数も16万9,000社以上と多くの国と企業で利用されています。定型的なアクションやコミュニケーションを自動化してSlackワークスペースのワークフローに変換できるツールが「ワークフロービルダー」です。業務に必要なメンバーを探し出す時間が短縮でき、情報を適切な担当チームへ自動で収集して受け渡すことが可能です。

【Slackの価格】
無料プラン有
プロ:850円/ユーザー/月
ビジネスプラス:1600円/ユーザー/月
Enterprise Grid :要問合せ

Slackサービスサイト :  https://slack.com/intl/ja-jp/

3. 仕事を完遂させるオールインワン・コラボレーションツール「Tocaro」

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が提供する「Tocaro(トカロ)」は、組織で働くビジネスマンがより効率的に働くことをサポートすることを目的として自社開発したビジネスチャットツールです。

仕事に必要なあらゆる情報を、簡単かつ安全に共有するための様々な機能が満載で、業務の依頼や仕様変更など重要な連絡を見える化して、業務の抜け漏れや遅れを防ぎます。

金融レベルの高セキュリティが人気の秘訣で、IPアドレス制限・モバイル端末制限・機能制限・ユーザー権限など、多くのセキュリティ機能を組み合わせることで、あらゆるセキュリティ問題・社内ルールの壁を乗り越えて、利便性を損なわずに安全なコミュニケーション環境を構築します。

【Tocaroの価格】
スタンダード :800円/ユーザー/月
ビジネス:1,000/ユーザー/月
エンタープライズ・オンプレミス:お問い合わせ

Tocaroサービスサイト:https://tocaro.im/

メリットデメリットをよく話し合い自社にぴったりのビジネスチャットを見つけましょう

ビジネスチャットツールのメリット・デメリットを解説してきましたがいかがでしたか?

ビジネスチャットの導入により、在宅勤務でも円滑なコミュニケーションが可能になり業務を効率的に進められるというメリットがある半面、デメリットももちろんあります。デメリットのさまざまな問題に対するリスク対策を前もって準備しておけば、安心です。

ビジネスチャットの効果を最大限活用するためにも、ビジネスチャットの良い面だけではなく、デメリットもよく話し合い、導入しましょう。

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