数年前からフレックスタイムや時短勤務を取り入れる企業が増え、新型コロナウイルス感染防止の影響でリモートワークを中心とした働き方が一般化してきました。多様な働き方が受け入れられるようになってきた現在において、社内コミュニケーションの在り方も変化しつつあります。
例えば、これまでは対面以外はメールや電話が中心となっていた社内コミュニケーションですが、LINEがコミュニケーションの常識となってきつつある昨今では、同じようにチャットでやり取りをするビジネスチャットを取り入れる企業が増えてきました。
ビジネスチャットを導入して期待される効果は、『生産性の向上・業務の効率化』、『コミュニケーションの活性化』、『セキュリティの強化』などが挙げられます。その他にも、ツールによっては活用出来る機能が満載なのですが、多機能すぎて全ての導入企業が活用仕切れていないのが実情です。
そこで今回は、ビジネスチャットを効率的に活用する7つの方法、基本的な活用事例、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が開発したビジネスチャット『Tocaro』の実際の活用事例を見ながら、各社が抱える課題がどのように改善されたのかご紹介します。
ビジネスチャットを効率的に活用する7つの方法とは?
ビジネスチャットはただLINEのようにチャットをするだけでは勿体無いくらいたくさんの機能を搭載しています。ビジネスチャットを効率的に活用するためには、今からご説明する方法を組み合わせて適切に利用することが重要です。また、チームメンバー間でのコミュニケーションスタイルやニーズを理解し、随時改善や調整を行うことも大切です。
ビジネスチャットを会社で効率的に活用するためのいくつかの方法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
⒈クリアなコミュニケーションガイドラインの設定
チーム全体でビジネスチャットを効果的に利用するために、明確なコミュニケーションガイドラインを設定することが重要です。ガイドラインには、適切な言語の使用、メッセージのフォーマット、返信時間の目安、休日の使用許可などが含まれるようにしましょう。
⒉適切なチャネルを使用する
ビジネスチャットには、チャンネルという特定のトピックや目的に基づいてメンバーが情報を共有し、コミュニケーションを行うための区分けされたスペースがあります。業務に集中できるように目的やトピックに応じた適切なチャネルを使用することが重要です。チームのコミュニケーションを整理し、情報を見つけやすくするために、プロジェクトごと、部署ごと、トピックごとにチャネルを作成しましょう。
⒊通知の設定と管理と適切なタイミング
ビジネスチャットはリアルタイムのコミュニケーションツールですが、適切に通知を設定し、管理することやコミュニケーションのタイミングも重要です。必要な情報や重要なメッセージにのみ通知を受けるように設定し、無駄な通知や中断を最小限に抑えましょう。
また、他のメンバーが利用可能な時間帯や集中して作業している時間帯に配慮し、適切なタイミングでメッセージを送信しましょう。また、緊急の場合や即時の返答が必要な場合は、メンションや優先度の設定などを活用して注意を引くことが可能なため、使い分けましょう。
⒋メッセージの整理と検索機能の活用
ビジネスチャットは、長いスレッドや複数のトピックのメッセージが溜まりがちです。重要な情報を見つけやすくするために、常にメッセージを整理し、検索機能を活用しましょう。適切なタグ付けやキーワード検索を行うことで、必要な情報を迅速に見つけることが可能です。
⒌連携ツールの活用
ビジネスチャットによっては、他のツールやシステムとの連携が可能な場合があります。カレンダーアプリやタスク管理ツールと連携することで、スケジュール調整やタスクの追跡をよりスムーズに行うことができます。
⒍オンライン会議やビデオチャットの適宜行う
ビジネスチャットはリアルタイムのコミュニケーションに適していますが、重要な議論や複雑な問題の解決には、やはり対面でのコミュニケーションがおすすめです。直接会わなくても、オンライン会議やビデオチャットでも効果はあります。
⒎ショートカットとカスタマイズ
ビジネスチャットプラットフォームは多くの場合、ショートカットやカスタマイズ機能を提供しています。これらの機能を活用して、作業効率を向上させましょう。キーボードショートカットの設定や自動応答の作成など、個人やチームのニーズに合わせてビジネスチャットをカスタマイズすることが可能です。
そのための勉強会などを定期的に開催する企業も増えています。
ビジネスチャットの基本的な活用事例
ビジネスチャットの活用は、業界や組織のニーズに応じてさまざまな使い方があります。その中でも、代表的ないくつかの具体例をご紹介します。
チームコミュニケーションとプロジェクト管理に活用
ビジネスチャットは、チームメンバー間のリアルタイムなコミュニケーションとプロジェクト管理を支援するために使用されます。リモートワークなどの働き方の多様化の中で大活躍しています。チーム全体でのディスカッション、タスクの割り当て、進捗状況の共有などが簡単に出来ます。
リモートワーカーや分散チームの連携
ビジネスチャットは、遠隔地にいるチームメンバーやリモートワーカーの連携に大いに役立っています。ビデオ会議やメールよりもリアルタイムかつ効率的なコミュニケーションを可能にし、チームの一体感を高めます。
カスタマーサポートとして
ビジネスチャットは、カスタマーサポートの一環として使用されることがあります。顧客が製品やサービスに関する質問や問題を提起し、リアルタイムでサポートスタッフが対応することができます。サービス会社によっては、サポートチャットボットなどもあります。これにより、スムーズなコミュニケーションと迅速な問題解決が可能となっています。
ナレッジ共有と文書管理
ビジネスチャットは、情報やナレッジの共有にも活用されます。チームメンバーがアイデアやドキュメントを共有し、ディスカッションを行ったり、重要な情報を検索したりすることができます。さらに、ビジネスチャット内でのファイル共有や統合ツールの活用により、文書管理も効率的に行うことが出来ます。
ビジネスチャットを導入した企業の担当者に聞いた実際の活用事例とは?
この記事では、ビジネスチャット『Tocaro』の活用事例を実際に導入した企業の担当者の方に聞きました。ぜひ参考にしてみてください。
活用事例1)Tocaro導入によってコミュニケーションの効率化とセキュリティ上の懸念払拭を実現した「立命館大学」
Tocaro導入前の課題
・メール全返信のやりとりで、やりとりの履歴が追えなくなった
・メールでの資料やデータのやりとりにセキュリティ上の懸念があった
Tocaroの活用方法
・チャットのコミュニケーションで議論の整理が可能になった
・セキュリティに不安を感じずに資料やデータのやりとりが可能になった
活用事例
業務における活発なコミュニケーションは、対面とメールでのコミュニケーションが基本となっていましたが、新型コロナウィルス感染拡大後は、対面でのコミュニケーションが難しくなりました。相談や打ち合わせなどもメールをベースに行うことが増え、 時には数十人が入るメールを全返信でやり取りをしていたため、 情報整理が追いつかない、資料を送ると各社から次々と修正依頼が全返信でメールが飛んできてしまうことで、 最新資料が把握できなくなってしまうということもあったため導入に踏み切りました。その結果、チャットで気軽に最新情報をやり取りすることができるようになり、ミスが減りました。また、元々メールへのファイルやデータの添付に対してセキュリティに関する懸念があったのですが、 Tocaroであればセキュリティに不安がなかったのと参加企業各社もセキュリティの観点から利用をしているBoxとのリンクがしやすかったです。
活用事例2)Tocaro導入によって全社横串のコミュニケーションを生み出し、業務効率を図っていくことを狙った「株式会社AIRDO」
Tocaro導入前の課題
・連絡手段が電話とメールのみ
・ファイルの見落としや容量問題
・東京2拠点間のコミュニケーション
Tocaroの活用方法
・拠点間のコミュニケーションが円滑化した
・サービスデスク開設によるナレッジ共有
・障害発生時の連絡効率UP
活用事例
拠点が、札幌本社と東京オフィスの2箇所に分かれているため、 “わざわざ電話やメールをするほどではないが、ちょっとした情報のやり取りをしたい“というニーズが元々ありました。 それぞれの拠点の社員が、近くにいるような環境、気軽に会話に行けるような環境として、チャットが最適だと思い導入。航空会社なので、部署・部門が専門分野に特化しています。 マニュアルを作る部署、整備をする部署、客室接客、操縦、営業、ITなど…。 それぞれが非常に特化しているので、「隣の島は何をしているのかな…」と思った時に、チャットを使って部署横串のコミュニケーションが生まれやすくなりました。Tocaroで検索してチャットした方が早いので、 社内コミュニケーションを一歩踏み出せるようなツールとして活用しています。
活用事例3)Tocaro導入によって複数の関係協力会社との調整やコミュニケーションがスムーズに行えるようになり、社員の工数削減・業務効率の向上にもつながった「富士電機株式会社」
Tocaro導入前の課題
・電話・メールにかかるコスト
・複数業者との調整業務コスト
・シャドーITの懸念・リスク
Tocaroの活用方法
・コミュニケーション効率の向上
・遠方・複数業者との業務効率UP
・利便性とセキュリティの両立
活用事例
お客様とは電話、協力会社とはメールや電話といったコミュニケーションが主流でした。 ただ、社員のプライベートなコミュニケーションではLINEやSNSが主流になってきていたため、 協力会社には若い方も多いので、先行してコミュニケーションツールを導入しなければ、プライベートツールがメインになってしまう、いわゆる「シャドーIT」リスクへの危機感がありました。 協力会社が複数にわたることも多く、調整業務の効率化も課題でした。会社同士の紹介や会議日程の調整などは、メールや電話では煩雑になってしまっていました。導入後は、協力会社とのコミュニケーションがほとんどで、使い方としては個人同士でのチャットではなく、グループチャットを使うように誘導しています。 それによって、担当業務やお客様ごとに各グループが立ち上がり、その中で話題が展開し、情報が残っていくので、 あとから参加した人も会話の流れが分かり、メールと比べて検索が容易になりました。 外出時はスマホを使い、音声入力でメッセージ送信をしています。 辞書に単語を覚えさせると、ほぼ修正せずにメッセージが送れるようになるので、非常に便利です。遠方の協力会社とも仕事がしやすくなり、複数の協力会社とのやりとりも、調整業務が一気に省けるようになった感じです。
問題点を洗い出しビジネスチャットで業務効率化を目指しましょう
いかがでしたか?実際にビジネスチャットを活用している3社の事例や代表的な活用方法をご紹介しました。どの会社も、しっかりと社内の問題点を洗い出し、ビジネスチャットをどのように活用したいかを検討し導入しています。
今後、リアルタイムで簡単にやり取りできるビジネスチャットはどんどん普及していくと考えられています。それは、メールのようにやり取りや確認に時間がかかるものよりも、気軽にやり取りできる方が、企業としても効率が良いからです。
ビジネスチャットは、ただ導入しても失敗してしまうこともあります。「セキュリティ」「社内コミュニケーションの向上」「業務効率化」など、目的をしっかり持つことが重要です。
また、ビジネスチャットを効率的に活用する7つの方法をを自社に必要な組み合わせて適切に利用することが重要です。
ビジネスチャットを導入して、業務効率化を目指しましょう。