どの業種においても、複数のメンバーで業務を遂行する「プロジェクト」があると思います。プロジェクトは、日々の業務と並行して行われているため、様々な要因で作業に遅れが生じることもあります。また、コロナ禍でリモートワークが増えた企業では、プロジェクトメンバーの進捗状況などを直接対面で把握することが難しくなってきています。これらはしっかりと全体や個々の把握が出来ていないことが原因の1つということが多いのです。複数のメンバーでプロジェクトに取り組む際に便利なのが「プロジェクト管理ツール」です。
プロジェクトのスムーズな進行と完遂を実現するため、プロジェクト管理ツールを導入しようと考える企業は増えています。ただ、プロジェクト管理ツールは多くの種類があり、選定に時間がかかってしまっていませんか。
この記事では、そんなプロジェクト管理ツールの中でも特におすすめな8つを徹底解説します。
プロジェクト管理ツールとは?
プロジェクト管理ツールは、複数のメンバーで仕事を進める際に業務を管理するための管理ツールです。部署や企業の垣根を越え協力して行わなくてはならないようなプロジェクトは、通常業務と共に行うには管理するべき項目が多すぎます。そのような場合に、タスクやスケジュール管理などプロジェクト管理に必要な機能が搭載されているため、見落としが格段に少なくなります。
プロジェクト管理ツールでは、プロジェクトメンバー、スケジュール、コストなど、プロジェクトに関するリソースを一元して管理をしてくれます。たとえば、工数を入力することでガントチャートの出力、期限をアラートしてくれるタスク管理、対応方法等のノウハウを蓄積できるwikiや掲示板など、さまざまな機能が備わったツールが提供されています。
コロナ禍によるテレワークの増加によって、多くの人が場所にとらわれない働き方を経験しました。今後は、出社とテレワークの「ハイブリッド型」の働き方が多くなってくると考えられます。そこでプロジェクト管理ツールを利用すれば、在宅勤務とオフィス勤務混在型の働き方が増える中で、ツール内のガントチャートを軸にコミュニケーションをしながらプロジェクトを進めていくことができます。在宅勤務の社員であっても、出勤しているのと同じように、プロジェクト仕事を進めコミュニケーションを取ることができるのです。
プロジェクト管理ツールを選ぶ際にチェックしたい4つのポイント
数多くあるプロジェクト管理ツールから、自社にとって最適なプロジェクト管理ツールを選ぶ際にチェックしたい4つのポイントを解説していきます。
1. クラウド型かオンプレミス型か?
プロジェクト管理ツールは、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つの方法で提供されています。クラウド型とオンプレミス型の大きな違いはシステムをベンダーサイドが管理するか自社で管理するかという点です。
クラウド型は多くの場合インターネット経由で提供され、オンプレミス型に比べてコストが安い傾向にあります。逆に、オンプレミス型は自社で管理を行うため、コストは高くなる傾向あります。
コストに関しては、クラウド型の方が安いですが、クラウド型は決められた機能が使用する企業に対して一律に提供されるため、自社のニーズに合わない可能性もあります。一方、オンプレミス型は自社向けにカスタマイズが容易にできるため、自社のニーズに合わせて必要な機能を追加しやすいという特徴があります。
また、セキュリティの観点でもクラウド型は提供会社に一任する形になりますが、オンプレミス型であれば自社のセキュリティレベルに合わせてセキュリティ管理を実施することが可能となります。金融レベルのセキュリティを重視する企業は、オンプレミス型がおすすめです。
2. どのような機能があるか?
次に確認をしたいのが検討するツールがどのような機能を搭載しているか?という点です。多くのプロジェクト管理ツールには「タスク管理機能」「チャット機能」「カレンダー」といった機能が基本搭載されていますが、自社や自チームで進めるプロジェクトにおいて必要な機能を洗い出し、それを網羅的に利用可能なツールを選ぶことが重要です。
ただし、使える機能が多くなればなるほど価格は高くなる傾向にありますので、プロジェクトにとって最適な機能はなにか?またそれをまかなえるツールはなにか?ということを慎重に選ぶ必要があります。
3. 価格は適切か?
システムには、「導入コスト」と「ランニングコスト」が発生します。導入コストが安いシステムでも、稼働した後で追加オプションがかかりすぎ、価格が高くなってしまう場合もあります。価格を見積もる際には、使用イメージを具体的にふくらませて計算することが大事です。一定のユーザー数や限定された機能提供であれば無料で試せるサービス会社もあるので、しっかりと確認しましょう。
導入をする際には、実際に利用をする際にはどの程度の費用がかかるのかを細かに確認することが必要です。
4. 操作がしやすいか?
導入をしたのにプロジェクトメンバーの中に使えない人がいたり、使い方を覚えるのに相当な時間を要するということになっては本末転倒です。誰もが使いやすいシステムであることは大前提です。
フォローの手厚いシステムを選ぶと、スキルが不足しているユーザーにも安心です。導入前にしっかりとメンバー全員でテスト導入を実施し、直感的に使うことができるかや業務に支障をきたさないかを確認する必要があります。導入はしたいが、少し分かりづらいという時には提供企業の導入サポートを受けることもできます。
失敗しない!おすすめのプロジェクト管理ツール8選
導入に失敗しにくい、おすすめのプロジェクト管理ツール8ツールをご紹介します。
1.仕事を整理しチームの連携を維持「Asana」
「Asana」は、Asana Japan株式会社が提供するプロジェクト管理ツールです。プロジェクトの開始から終了までを時系列で整理できるタイムライン機能や、タスクの進捗状況やリスク、メンバーのリソース状況を一目で確認できる機能も備わっています。現場の課題を拾い上げるボトムアップ型のプロジェクトにも利用できるため、業種を問わずに利用されているツールです。
大きな特徴としてはアプリの連携数の多さです。現時点で約200ツールと連携できるので、Asanaを導入すれば連携を通じて、スムーズな業務推進が期待できます。また優れたUIと評判のため、誰でも直感的に操作ができるでしょう。また、ルーチン作業を自動化も出来ます。
タスクと期限の両方を視覚化してスケジュール管理をサポートするタイムライン機能を搭載しています。チーム内で必要なタスクを時系列に沿って一覧表示することで、全員がスケジュールを把握したうえでほかの業務の進行状況を確認しながら効率的な作業を実現します。仕事や期限に変更が生じた場合でも、計画を簡単に調整してプロジェクトの軌道修正を行うことが可能です。
【費用】
Premiumプラン:1,200円(年間払い) 1,475円(月間払い)/月/ユーザー
Businessプラン:2,700円(年間払い) 3,300円(月間払い)/月/ユーザー
※Basicお試しプラン:0円(期間無制限)
【ソフト種別】
クラウド型
Asana:https://app.asana.com/
⒉無料で全ての機能が使える「Trello」
「Trello」は、アトラシアン株式会社が提供するタスク管理ツールです。あらゆる業務の管理・追跡に対応しており、チーム内で状況を共有しながら業務を進められます。
「リスト」でワークフローの設定を行い、「カード」でタスクを管理、まるで付箋でタスク管理をしているような直感的な操作が可能です。また、Butlerというロボットを用いて煩雑なタスク管理の自動化で業務をサポートします。汎用性が高く職種や業種を問わないので、タスク共有・管理を簡単にしたいチームにおすすめです。
また、ロボットによる自動化機能搭載があるので単純作業を自動化することが可能です。リストの移動などの一般的なアクションの自動化が可能で、手動でのタスク自動化にも対応しています。自動化設定時には専門的なコードは不要となっており、自然な言葉でタスクの自動化を設定できるだけでなく、締め切りが迫ったタスクの通知やチームメイトへの作業割り当てが可能です。
【費用】
Standard:5ドル(年間払い) 6ドル(月間払い)/月/ユーザー
Premium:10ドル(年間払い) 12.5ドル(月間払い)/月/ユーザー
Enterprise:17.5ドル/月/ユーザー、210ドル(年間払い)
【ソフト種別】
クラウド型
Trello:https://trello.com/
⒊担当者・期限を明確にしてミスを無くす「Backlog」
「Backlog」は、株式会社ヌーラボが提供するタスク管理機能に特化したプロジェクト管理ツールです。プロジェクト管理に必要な機能がひとつに集約されており、プロジェクトの計画、人員リソース、進捗をBacklog上で一括管理が可能です。
プロジェクトや業務を迅速に進めるため、コミュニケーション促進機能が多数搭載されています。36種類のキャラクターアイコンやスターによるいいね機能により、視覚的なコミュニケーションをサポートします。
プロジェクトの進捗状況を可視化することができ、プロジェクト計画をガントチャート(作業計画を視覚的に表現するために用いられる表のようなもの)で管理します。作業や完了期限を明確にすることで、メンバーの誰もが進捗状況の手軽な把握を実現します。ガントチャートやマイルストーンで作業計画を一目瞭然、カンバンボードで課題の状態を直感的に変更することが可能です。
【費用】
スタータープラン:2,640円/月(ユーザー数30名、プロジェクト数5個、ストレージ1GB上限、ガントチャート利用不可)
スタンダードプラン:21,780円/月(ユーザー数無制限、プロジェクト数100個、ストレージ30GB上限)
その他のプランあり
※無料トライアルあり(30日間)
【ソフト種別】
クラウド型
Backlog:https://backlog.com/ja/
⒋基本はドラッグ&ドロップだけで操作が簡単「Jooto」
「jooto」は、株式会社PR TIMESが提供するタスク管理機能に特徴のあるクラウド型のプロジェクト管理ツールです。導入企業は1,800社と突破しました。ガントチャートでプロジェクト全体を俯瞰して確認、カンバン方式でタスクを管理し、プロジェクトの「今」を可視化します。プロジェクトのスケジュールがひと目でわかるガントチャート機能も、Jootoなら無料で使えます。
カンバン式で見やすいという点や、ドラッグ&ドロップ方式による直感的な操作が可能なため、視覚的にすぐに使いこなすことが出来るでしょう。ITリテラシー問わず誰でも直感的に操作ができる使いやすさが人気ですすべてのOSやブラウザに対応しているため、スマートフォンやタブレットでも自由に使うことができます。
また、社外のメンバーも招待し一緒に利用できるため、進捗や情報共有を一つの場所で行うことが可能です。
【費用】
スタンダードプラン:417円(年間払い) 500円(月間払い)/月/ユーザー
エンタープライズプラン:980円(年間払い) 1,300円(月間払い)/月/ユーザー
※無料プランあり(30日間)
【ソフト種別】
クラウド型
Jooto:https://www.jooto.com/
⒌無料で利用可能なオープンソースソフトウェア「Redmine」
「Redmine」は、ファーエンドテクノロジー株式会社が提供するオープンソースのプロジェクト管理ツールです。完全無料であるにも関わらず他のサービスと比べても機能面で劣りません。ソースコードが公開されているため、自社サーバーに実装もできますが、もしサーバー管理をしたくない場合には有料版も用意されています。
タスク管理はチケット方式で表示され、ガントチャートやカレンダーなど、さまざまな見え方で一覧表示できるほか、通知や優先度の設定も行えるため、タスク漏れを防止することも。wiki機能やGit連携も行えるため、システム共同開発においてさまざまな利便性があります。
【ソフト種別】
クラウド型・オンプレミス型
Redmine:https://www.redmine.org/projects/redmine
⒍リモートワークでの生産性向上をサポート「Wrike」
「Wrike」は、Wrike,Inc.が提供するクラウド型のタスク管理に強いプロジェクト管理ツールです。プロジェクトの可視性に長けており、全体スケジュールはガントチャートで確認したり、各メンバーの生産性やタスクの負荷状況はグラフで把握したりします。リモートワークでも高い生産性を発揮できるよう、さまざまな管理・業務効率化機能を搭載しています。
Wrikeの特徴はガントチャートの使いやすさとヘルプサイトの分かりやすさにあります。タスクのステータスが色で表示されるので、担当者やその他情報でフィルターをかけることも可能で、ヘルプサイトも充実しているため基本機能以外にも高度な使い方のヘルプ情報が用意されています。
リアルタイム性のあるプロジェクト状況の把握やシステムの使いやすさから、世界で20,000社を超える企業が導入しています。また、GoogleやMicrosoft、Adobeなど、ほとんどすべてのビジネスツールと統合が可能で、Wrikeと合わせて使用することでより効率的なプロジェクト管理が実現できます。
【費用】
Professionalプラン:9.80ドル/月
Businessプラン:24.80ドル/月
※無料プランあり
【ソフト種別】
クラウド型
Wrike:https://www.wrike.com/ja/
⒎プロジェクトを横断して全体が把握できる「Brabio!」
Brabio!は、ブラビオ株式会社が提供するガントチャート作成に特化した初心者専用のクラウド型プロジェクト管理ツールです。「ガントチャート作るならエクセルの10倍速い」がキャッチコピーで、ガントチャートをすぐ作って使いたいという方におすすめのツールです。シンプルな機能なので、初めての方でも使いこなせるでしょう。
プロジェクトをいくつでも作成できるのはもちろん、グループ自体も複数作成し運用可能なので、グループとプロジェクトの組み合わせができます。グループをつくることで、プロジェクトが増えた場合やスタッフや外注業者などを登録する場合でも管理しやすくなります。社外の方を招待する場合もユーザーモードで対応できるため、一般的なグループウェアよりも柔軟性のある設定が可能です。
5ユーザーまでの無料プランも用意されており、ビジネス用のプランも1ユーザーあたり月額約300円とリーズナブルなので、導入実績も20万社を突破しています。
工程表を共有する時に必要な「タスクリンク(次の工程のメンバーにメールでお知らせします)」「達成率の表示」「マイルストーン」などガントチャート作成で代表的な機能を搭載しています。
【費用】
エントリープラン:(プラン10)3,300円/月/10ユーザーまで
(プラン20)6,600円/月/20ユーザーまで
ミッドレンジプラン:(プラン100)33,000円/月/100ユーザーまで
※無料プランあり(5ユーザーまで)
【ソフト種別】
クラウド型・・オンプレミス型
Brabio!:https://brabio.jp
⒏コミュニケーション機能も充実した「Tocaro」
「Tocaro」は、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が提供するビジネスチャットです。いつでも必要な情報を見つけ出すことのできる高い検索力と、メッセージ履歴と紐づいたTo-Do管理など「なぜそのタスクをやるのか」という背景情報などを合わせて整理することできます。
プロジェクトをチームで進めるときに必要なタスク機能や、作業の進捗状況などをリアルタイムで定量化してそのプロセスを見える化できる機能が満載です。ワークフロー機能では、スタッフ全員に同一の指示を出すことで作業内容の把握もスムーズになるほか、当事者以外のメンバーも同時に把握できる利点があります。
大手企業を中心に、1,000社以上の利用実績があり伊藤忠ブランドによる信頼感も高いです。セキュリティも金融機関レベルを誇り、Enterpriseプランではより多彩な管理・バックアップ機能も用意されています。
【費用】
Enterpriseプラン:800円/月
その他プランあり
※無料トライアルあり
【ソフト種別】
クラウド型・オンプレミス型
Tocaro:https://tocaro.im/
多様化する働き方の情報共有にはプロジェクト管理ツール
テレワークの需要も増えている昨今では対面する機会が減り、プロジェクトをスムーズに行うことは難しくなっています。組織内で情報共有がうまくいっていない場合は、プロジェクト管理をシステム化するのはひとつの方法です。
チーム内の作業が効率化され、精度も上がります。プロジェクト管理を正しく行うためには、しっかりと社内で話し合い、貴社に合ったシステムを選ぶことが大切です。