現在注目されている見える化の目的は、結果が出てからではなく、変化し続ける現在の状況を判断材料にして現場や管理者が迅速に問題解決に取り組めるようにすることです。
ではなぜ迅速な対応が可能になるのか。見える化がもたらすメリットとその基本的な手法を確認していきましょう。
工場から始まった業務の「見える化」
トヨタの工場では、ものの流れと情報の流れを関係者全員が把握できていないことが悩みでした。そこで業務プロセス・工程・制御・情報などを一枚のシートに落とし込むことを始めたのです。これにより見えなかったものが見えるようになりました。
多くの現場の担当者は『自分に見えているものがすべてである』という思い込みを持っているものです。しかし実際に見えているのは顕在化された現象だけで、その奥にある原因は目の前に現れて来ないのが問題です。見える化を導入する目的はここにあるのです。
目的を意識して「見える化」を導入。もたらされるメリットとは?
では見える化を導入して業務が改善されるとどのようなことが可能になるのか。期待できる4つのメリットをご紹介します。
1.明確なビジョンを共有した組織作りが行える
一つの組織が強い意志を共有して進んでいくためには明確なビジョンが必要です。経営陣だけが理解しているような方針では意味がありません。社員全員が共有できる見える化されたビジョンを社員全員で共有できるようになります。
2.普段とは違う動きを検知して対策が打てる
業務を行っていると普段と違うことが起こることがあります。これが後に大きな問題となりかねません。見える化のプロセスから正常な状態が定義されることにより、異常とみなされた事態が発生した際には根拠に基づいた軌道修正を行うことが可能になります。
3.成長を促す環境がつくれる
客観的に誰が見てもわかるデータを示すことができる状態を、”見える化された状態”と呼びます。自分たちの成長を絶対値で測定できるものは数字で示されるため、自分たちの更なる成長に必要なもの、また見直す必要のあるものをデータをもとに判断できるようになります。
4.ニーズを把握して無駄を削減できる
企業に与えられたミッションは、クライアントに価値あるサービスを提供し続けることです。社会・経済・技術・顧客の変化に逆行していることは結果的にコストとなりますので、ニーズを見える化することで無駄を削減することができるようになります。
見える化の目的達成のために取り組むべき基本的な手法
見える化にはまだ「これ!」という方法論がまだ確立されていません。それぞれの企業が独自に取り組むしか無いのです。そこで見える化を導入して具体的な業務改善に取り組みたい方におすすめの代表的な2種類の手法をご紹介します。
プロセスマップで業務の流れを可視化
プロセスマップとは、社内の業務や組織内における事業がどのように関係しているか、その全体像を可視化したした図のことです。代表的な方法としてそれぞれの業務の開始から終了までに行われる全ての作業や関わるモノ・ヒトを書き出します。
スキルマップで人材の能力を把握
スキルマップは、社内の人材がどのような技術や能力があってどれくらいの時間で終わらせることができるかを可視化したものです。また見える化の特徴である、「何が不得意なのか」という普段は目に見えない部分も表やグラフに盛り込みましょう。
見える化で社内のPDCAサイクルが最適化され、迅速な問題解決が可能に
各企業では問題解決のためにPDCAサイクルを導入しているところも多いと思います。計画・実行・評価・改善のサイクルを確実に実行させるためには見える化された現在の状況をしることが必要不可欠といえ、見える化を導入することによりPDCAサイクルの更なる効果も期待されます。
また、組織一体となって見える化の取り組みを行うことで、現場に問題意識や気付きを与えます。そして常に現状を意識することで改善意識が根付きます。そうすることで、業務の効率やマネジメントの改善のための行動を促し、自律した考える組織づくりが可能となるのです。
いつでも今の状況にアクセスできるのが見える化の最大の強み。見える化は、迅速な問題解決、再発防止に役立てることができるのです。
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