ビジネスチャットの導入目的と導入前に4つのすべきこと

長く続く新型コロナウイルスの影響で、ビジネスも私生活も変えざるを得ない環境やシーンが多く発生し続けています。新しい働き方が推進され、連絡手段としてリモートワークを導入する企業が急増していますが、以前は職場の一定数の人が、情報共有や社内コミュニケーション面で不安を感じるだろうと言われていました。

しかし、ビジネスの情報共有ツールとしてビジネスチャットの導入数が急激に増え、リモートワークでもさほど影響なく仕事ができることに、多くの企業が気づいたのです。ビジネスチャットを導入した方がスムーズにいくことを体感し、リモートワーク解除後もビジネスチャットをメインへシフトする流れが生まれています。

この記事では、ビジネスチャットの導入目的やおすすめのビジネスチャットツール5サービスをご紹介します。

ビジネスチャットの導入が急増した理由とは?

コロナ禍の影響で、ビジネスチャットの導入率は急増しています。ビジネスチャットの導入状況を2017年と2021年で比べてみると、

2017年(伊藤忠テクノソリューションズの調査より:従業員数200名以上の企業に勤務する役職者412名)
ビジネスチャットを公式に「全社導入」あるいは「一部導入」している企業は28.1%(「全社で導入している」が12.1%、「一部で導入している」が16.0%)

2021年(日経BPコンサルティングのアンケートシステムより:調査モニター2319人)
「導入している」と答えたのは43.0%、「導入予定なし」が37.6%

従業員規模別にみると1万人以上の企業では、導入率73.0%という結果になりました。

コロナ禍の影響もあり、全体の約4割がビジネスチャットを導入していることがわかります。

導入が急増した理由には、「リアルタイムさ」と「フランクさ」が今の私たちに必要だからです。私たちが当たり前のコミュニケーションのためにプライベートで利用しているLINEなどと同じ使い方や表示の仕方なのが、ビジネスチャットなのです。今までは、メールでのやりとりなどは定型文やビジネス特有の堅苦しさが感じられました。

必要な機能にリアルタイムさとフランクさをプラスしたビジネスチャットは、これまで常識とされた定型文や挨拶文を省き、本当に必要な情報だけを気軽に書き込むだけでコミュニケーションが取れるのです。

ビジネスチャットを導入する目的とは?

ビジネスチャットを導入する目的は、社内コミュニケーションやタスクの管理をよりスムーズかつ効率的にすること、すなわち「業務効率化」のためです。

導入することで、企業内での情報共有やタスクの管理がよりスムーズになり、プロジェクトの進捗状況をメンバー全員がリアルタイムで確認できるようになります。またチャットやオンラインですぐにコミュニケーションが取れるので、面談や会議を減らすことができ、生産性が向上することが期待できます。

その他にも、遠隔地にいるスタッフやリモートワークをしている社員ともオンラインでスムーズにコミュニケーションをとることができるようになったり、ビジネスチャット内でワークフロー承認がオンラインで出来るので業務がサクサクを進むようになるでしょう。

ビジネスチャットを導入する前に4つのすべきこととは?

ビジネスチャットを導入することで、企業内でのコミュニケーションやタスクの管理がよりスムーズになり、プロジェクトの進捗状況を管理することができるようになりますが、しっかりと導入前に準備をしなければ失敗してしまうこともあります。導入する前に、すべきことは4つあります。

⒈ビジネスチャット導入の理由を明確にする

新しくビジネスチャットを導入する場合は、既存で使っていたメールや個人LINEなどのコミュニケーションツールとの使い分けが必要になります。社員同士の混乱を防ぐために、ビジネスチャットを導入する目的をはっきりさせることが重要です。どのように既存ツールと使い分けるかを事前に社内で説明や共有しておくことが大切になります。

⒉品質や機能、価格などを比較する

機能やコストについても確認が重要です。それぞれのツールによって機能や特徴が異なるため、事前に自社の導入目的に合ったサービス内容か確認しておく必要があります。必要以上の機能が搭載されている場合は、無駄にハイスペックになってしまい費用がかさむ可能性があります。また、無料プランだけで目的を達成できる場合もあれば、有料プランでしか使えない機能もあります。初期導入費用や月々のランニングコスト、社員への教育費用などをよく検討し、自社の予算に見合っているかをよく比較しましょう。

⒊必要なインフラやハードウェア、セキュリティ対策を整備する

自社のインフラやセキュリティレベルを確認し、どの程度求めるかをしっかりと確認しましょう。すぐに利用可能でネット環境があればどこでも利用できるクラウド型にするのか、高いセキュリティレベルを求め社内イントラのみでの利用に制限できるオンプレミス型にするのかなど、社内でしっかりと検討し整備しましょう。

⒋利用方法やルールを策定し、社内で周知する

ビジネスチャットには、直感的に使用できるものが多数存在します。プライベートで使っているLINEなどのチャットツールと同じように使用できるため、詳細のみ周知すればすぐに利用できるでしょう。その他に、気軽に使えるビジネスチャットだからこそのルール設定が必要になります。休日や深夜など業務時間外の利用を制限したり、グループの作成を許可制にしたりと、禁止事項などを事前に決めて周知することが重要です。

おすすめのビジネスチャット5サービスを徹底解説

上記でご説明した導入前にすべきことを話し合ったら、次はどのビジネスチャットにするか検討しましょう。ここでは、おすすめのビジネスチャット5サービスをご紹介します。

同じ使い勝手だから導入してすぐに使えるLINEビジネス版「LINE WORKS」

出典:https://line.worksmobile.com/jp/

ワークスモバイルジャパン株式会社が提供している「LINE WORK」は、チャットやスタンプはもちろん、掲示板、カレンダー、アドレス帳、アンケートなど、現場で活用できる充実したグループウェア機能を揃えたLINEのビジネス版ビジネスチャットツールです。LINEでお馴染みの使用感を踏襲しているので、どの年代の方もすぐに使いこなせる点が人気のポイントです。

LINEの見慣れた画面と機能で誰でもすぐにチャットがはじめられ、1000種類以上の豊富なスタンプで、ビジネスでも気軽に気持ちを伝えられます。既読確認では、メッセージの既読/未読メンバーも確認可能です。

トーク(チャット)やメール、社内周知ができる掲示板や、メンバーの予定も把握できるカレンダー、資料やファイルをどこからでも保存し閲覧できるDrive、さらに社内外のユーザーに実施できるアンケートなど、仕事で活用できる充実した機能が1つのアプリに揃っています。また、音声通話、複数人によるオンラインでの打ち合わせ等も無料で行なえます。

LINEユーザーともチャットが可能なため、取引先や内定者、アルバイトスタッフともLINE WORKSからやりとりができます。2021年度の有料ビジネスチャットシェアNo. 1、導入企業は35万社以上の人気のツールです。

【LINE WORKSの価格】
Free
スタンダード:540円/ユーザー/月
アドバンスト:960円/ユーザー/月
※2022年4月より新料金プラン。年間契約は、約20%割安です。


LINE WORKSサービスサイト : https://line.worksmobile.com/jp/

入力中の表示でスムーズにやり取りできる「Slack」

出典: https://slack.com/intl/ja-jp/

Slack Technologies, Incが提供する「Slack」は、日本はもちろん、世界的にも広く認知されているビジネスチャットであり、世界150ヵ国以上で利用されているだけでなく、有料プランの利用企業数も16万9,000社以上と多くの国と企業で利用されています。定型的なアクションやコミュニケーションを自動化してSlackワークスペースのワークフローに変換できるツールが「ワークフロービルダー」です。業務に必要なメンバーを探し出す時間が短縮でき、情報を適切な担当チームへ自動で収集して受け渡すことが可能です。

他社の既読機能とは違い、「〇〇さんが入力しています」と表示する機能があり、相手の対応状況をリアルタイムで把握できるようになっています。チャットは、迅速な情報交換ができるために短いメッセージが相手とのやりとりで交差しがちですが、この機能の「入力中」の表示があれば、相手の返答を待ってから返信でき、スムーズに会話を進められるため人気があります。

【Slackの価格】
無料プラン有
プロ:850円/ユーザー/月
ビジネスプラス:1600円/ユーザー/月
Enterprise Grid :要問合せ

Slackサービスサイト :  https://slack.com/intl/ja-jp/

⒊ 国内No.1の導入数を誇る国産ビジネスチャットツール「Chatwork」

出典:https://go.chatwork.com/ja/

Chatwork株式会社が提供する「Chatwork」は、30万社以上が導入中である“純国産”のビジネスチャットツールです。直感的に使えるデザインのため、チャットに慣れない方・初めて使う方もスムーズに操作が可能です。「担当者」「期限」を設定してタスクを登録できる機能が人気で、対応漏れを防ぐことができます。また、ユニークな機能として「マイチャット」が人気です。自分だけが見ることのできるチャットで、メモやファイルの置き場としても活用でき、業務効率に繋がります。

IDを共有すると社内外とのやり取りとしても利用することができるため、取引先との連絡や委託先にアウトソーシングする際のタスク管理など、社外とのやりとりが多い企業にお勧めです。既読機能がないので、返信のプレッシャーがかからないところが人気のポイントです。

タスク管理も可能で「本日・1週間以内・期限なし」など細かく分けて、誰がどのタスクを持っているのかを可視化できます。タスクを完了させるとグループメンバーにも通知がいくため、互いに進捗状況を確認できます。

【料金プラン】
フリー 0円 / ユーザー/月
パーソナル 400円 / ユーザー/月
ビジネス 500円 / ユーザー/月
エンタープライズ 800円 / ユーザー/月

Chatworkサービスサイト : https://go.chatwork.com/ja/

世界的に利用されているOffice製品との連携が可能「Microsoft Teams」

出典:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-teams/group-chat-software

Microsoft Corporationが提供する「Microsoft Teams」の最大の特徴は、Office製品との連携に重点をおいている点になります。業務で利用している人も多いExcelやWordといったOffice系との連携が可能で、チーム内のメンバーで共同編集を行うこともできます。。共有のワークスペースにファイルなどをまとめられるので、場所に制限されず仕事をしたり、チームとチャットが行えます。Officeをすでに利用している場合や、会議中以外にもチャットやファイル共有を行いビジネス上のコミュニケーションを活性化させたい場合は、Microsoft Teamsの利用がおすすめです。

Word、Excel、PowerPoint、SharePointなど組み込みのOffice 365アプリでファイルの共同作業が行える点が特長で、業界を問わず、さまざまな企業で導入・活用されています。

チャットの自動翻訳機能が付いているため、様々な国の人とグローバルに仕事をする職種の方に人気です。

【料金プラン】
Microsoft Teams  0円
エッセエンシャル 430円/1アカウント/月
ベーシック 650円/1アカウント/月

Microsoft Teamsサービスサイト : https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-teams/group-chat-software

⒌ 金融レベルの高セキュリティが人気「Tocaro」

出典:https://tocaro.im/

伊藤忠テクノソリューションズの「Tocaro(トカロ)」は、組織で働くビジネスマンがより効率的に働くことをサポートすることを目的として自社開発したビジネスチャットツールです。組織で働くビジネスマンがより効率的に働くことをサポートすることを目的としています。『グループチャット』『ファイル共有』『タスク管理機能』『ビデオ通話』『通話』『Box連携』『柔軟なセキュリティ機能』が備わっています。 

Tocaroの最大の特徴は、検索機能です。発信者が投稿したデータやファイルを自動で整理して管理されるため、複数のチャットから必要な情報を素早く引き出せます。アップロードされた画像やファイルなども一元管理できるほか、タスクの期日や担当者を割り当て、共有することも可能です。業務に必要な資料や情報、進捗状況などを素早く共有・可視化できることで、業務効率の向上に役立てられます。
安心安全で使いやすさを重視する金融・通信・鉄道・航空・教育など、幅広い業界で利用されています。

【料金プラン】
スタンダード 800円 / 月/ユーザー
ビジネス 1000円/ 月/ユーザー

Tocaroサービスサイト:https://tocaro.im/

ビジネスチャットの導入目的をしっかり話し合いましょう

ビジネスチャットツールは、チャットやビデオ通話、音声通話を使って社内の全員がリアルタイムで連絡を取り合えるため、リモートワークなどの働き方の多様化で難しくなった社内コミュニケーションをスムーズに行うことができます。絵文字やスタンプが豊富に揃っているツールが多いため、メールのような文字のみの意思疎通よりも、相手の感情を汲み取りやすい点も特徴の1つです。

パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでも利用可能なので、顔を合わせる機会が少ない社員とも連絡が取りやすくなり、チーム意識が強くなるでしょう。コミュニケーションが円滑になると、社内の雰囲気が良くなり、業務に対するモチベーションの向上にも繋がります。

社内のコミュニケーションは業務の生産性やモチベーションにつながるという点で非常に重要です。自社に合ったビジネスチャットツールを導入するためには、実際に無料版を使ってみたりして検討することがおすすめです。

ワークプロセスマネジメントプラットフォーム
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