日本が本気で取り組むべき生産性向上とは?

「生産性」という言葉をビジネスシーンでよく聞きませんか?実は日本の労働生産性は、先進国の中で最下位なのです。2017年の日本の時間あたり付加価値労働生産性は47.5ドル、これはOECD加盟国36ヵ国中20位という結果でした。主要先進7ヵ国の中では、1970年以降最下位が続いている状況なのです。

ではなぜ日本は先進国で最下位なのでしょうか?国内において企業それぞれの労働生産性が上がっていても、国際社会の中では、まだまだ日本は労働生産性が高いとは言えないのです。

また今後、日本は少子高齢化などで労働力が減少していくと言われています。1人あたりの労働生産性を向上しないと、国力を維持することが難しくなると予想されます。

この記事では、生産性向上について徹底解説します。

生産性向上とは?

生産性向上とは、経済やビジネスの分野において、同じ資源を使い、より多くの生産物やサービスを生み出す能力を高めることを指します。生産性向上は、組織や企業、産業、あるいは国家の効率性と競争力を向上させるために追求される重要な目標の一つです。

生産性向上は、さまざまな方法で達成することが可能です。

例えば、労働プロセスの改善や技術革新により、作業を効率化し、生産性を向上させることができます。また、労働者のスキルや能力を向上させるための教育や訓練を提供することにより、生産性を向上させることもできます。さらに、労働時間の最適化や生産設備の効率的な運用、供給チェーンの改善、生産プロセスの見直し、自動化などの手段を用いることもあります。

アフターコロナ時代では、リモートワークなどの働き方が多様化した中で、いかに個人の管理を徹底し、生産性向上を達成できるかが重要になってきています。

業務効率化と生産性向上の違いとは?

業務効率化と生産性向上の違いはわかりますか?よく耳にするこの2つの言葉の違いはこちらです。

業務の視点=業務効率化
業務効率化とは、現在行っている業務や仕事を効率的に実行することです。仕事を進めるプロセスでの《ムリ》、《ムダ》があるもの、《ムラ》があるものを見つけ出し、それらを省いたり、減らしたりしながら、会社の生産性を高める取り組みです。

業務効率化〈 生産性向上
生産性向上とは、設備投資をしたり業務課題を解決したりすることにより、成果が増加することです。どれだけの資源(ヒト・モノ・カネ)を投入した結果、どれだけの成果が得られたかという「生産性」を向上させる取り組みです。また、生産性向上は成果を軸に測られる施策であり、多くの場合は業務効率化よりも大きな視点で論じられます。

よって、生産性向上という目的を達成する手段の一つが業務効率化ということです。

生産性向上の4つのメリットとは?

企業が目指している「生産性向上」を達成することによって、どのようなメリットがあるでしょうか?代表的なものを4つご紹介します。

⒈コスト削減

職場内の生産性が向上すれば、コスト削減に繋がります。生産物やサービスを効率的に生み出すことができれば、生産にかかるコストを削減することができるのです。

つまり「コスト削減=生産性向上」です。例えば、効率的に業務を遂行できれば社員の残業が減り、残業代などの人件費や光熱費を抑制することができます。特に人件費は企業の変動費の中でも大部分を占めるため、人件費を削減できると経営に与えるメリットは大きくなります。

⒉社員のワークライフバランスの向上

生産性向上により労働プロセスが効率化されると、社員はより効果的に作業ができるようになり、負担が軽減されることから、社員の満足度が向上します。

その結果、社員のモチベーションやパフォーマンスが向上し、長期的な雇用継続へと繋がります。良好な職場環境であることを対外的にアピールすることができれば、優秀な人材を確保できる可能性もあるのです。

⒊人手不足の対応

日本の労働人口は、高齢化社会に拍車がかかり今後数十年にわたって減少していきます。そのため、生産性向上に取り組まなかった企業は、人手不足になると言われています。生産性向上は、企業存続のためにも継続的に行なっていくべき企業の義務となっています。

⒋競争力の向上

同業他社に差をつけるために、生産性向上はとても大事です。他社よりも企業規模が小さくても、充分な生産性が常に確保できていれば生き残ることが可能なのです。これからは、大規模な事業よりも企業規模が小さくても生産性をしっかりと確保している方が良いとされています。


また、日本国民1人当たりの労働生産性は、OECD加盟37か国中26位です。先進国の中では最下位という結果です。国際社会でも闘うことができる「国際競争力」が期待されています。

生産性向上によるデメリットとは?

上記ではメリットをご紹介しましたが、良いところばかりではありません。デメリットもあるため、対策を考えましょう。

⒈人間関係の悪化

生産性向上のために効率化や自動化が進められると、社員同士のコミュニケーションやチームワークが犠牲になる場合があります。

例えば、機械による作業が増えることで、人と人とのコミュニケーションが減り、チームの一体感が損なわれる可能性があります。また、リモートワークが進み必要なやり取り以外で連絡をとることがなくなり、社内の人間関係が希薄になり結果的に離職率が上がってしまうという報告もあります。

⒉労働条件の悪化

生産性向上を追求するあまり、労働条件が悪化してしまうことも考えられます。

例えば、労働時間の延長や休暇の減少、労働負荷の増加などが考えられます。これにより、社員のワークライフバランスが悪化し、健康や幸福度が低下する可能性があるのです。

⒊社員へのストレスレベルの増加

生産性向上が優先されると、社員に対する業績の期待も高まります。結果的に、効率化や生産性向上のプレッシャーにより、社員へのストレスレベルが増加し、労働環境が悪化する可能性があります。

結果重視の生産性向上を求めると、社員への負担が大きくなってしまうため、結果より過程を評価して進めるようにしましょう。

生産性向上に必要な6つのステップとは?

生産性向上を実現するためには、以下のような段階を追って行うと漏れなく洗い出すことができます。ぜひ参考にしてみてください

⒈目標の設定

まず最初に、しっかりと明確な目標を設定することが重要です。具体的で測定可能な目標を定め、社内全体で共有し、明確な方向性を持つことが必要です。社員全員が同じ方向を向いて取り組めるようにしましょう。

⒉業務の取捨選択と分析

現行の業務プロセスを詳細に分析し、効率化のポイントを見つけ出しましょう。洗い出した情報を分析し、注力すべき要素と現状維持の要素を分けましょう。ムダを排除し、プロセスの効率性を最適化するための改善点を見つけ出します。

⒊テクノロジーの導入

効率化を促進するために、適切なテクノロジーを導入することが重要です。近年は、DXやネット環境の普及、テレワークの広がりにより、さまざまなツールを気軽に利用することができるようになりました。自動化、ペーパーレス化、マニュアル作成ツール、コミュニケーション改善、知識や情報のスムーズな共有など、さまざまなツールがあります。業務自動化や情報システムの最適化などを検討し、効率的なツールやシステムを導入することで、生産性を向上させることができます。

例えば、ビジネスチャットツールなどのITツールを導入してタスク管理や進捗状況を報告しなくても確認できるようになれば生産性は一気に向上します。

⒋社員のスキル向上

生産性向上には、社員のスキル向上が不可欠です。各社員に必要なスキルや知識を、必要に応じて研修や教育プログラムを実施し、社員の能力を高めることで生産性を向上させることができます。

⒌労働環境の改善

労働環境の改善も生産性向上には欠かせません。快適な職場環境や労働条件の整備、社員の声を受け入れる仕組みの整備などを行い、働きやすさを向上させることで、生産性を高めることができます。最近では、リモートワークなどの多様化した働き方を取り入れる企業が増えています。

⒍モニタリングと改善

一度やったら終わりではなく、生産性向上の取り組みを継続的にモニタリングし、定期的な改善を行うことが重要です。生産性の指標を定め、実績を分析し、問題点を洗い出し、改善策を見つけ出して実施することで、持続的な生産性向上を実現することができます。また、社員に負担がかかっていないか、指標が無理な目標ではないかなど、専門の部署を作り見守りましょう。

生産性向上に不可欠なおすすめのITツール3選

上記で生産性向上のステップをご紹介しました。その中に「テクノロジーの導入」があります。今回は生産性向上に不可欠なおすすめのITツールを3つご紹介します。

⒈既読文化のパイオニアLINEのビジネス版「LINE WORKS」

出典:https://line.worksmobile.com/jp/

ワークスモバイルジャパン株式会社が提供している「LINE WORK」は、チャットやスタンプはもちろん、掲示板、カレンダー、アドレス帳、アンケートなど、現場で活用できる充実したグループウェア機能を揃えたLINEのビジネス版ビジネスチャットツールです。LINEでお馴染みの使用感を踏襲しているので、どの年代の方もすぐに使いこなせる点が人気のポイントです。

セキュリティにおいてはユーザーの利用履歴をモニタリングできるためリスクを事前に察知し、トラブルが発生したあとの追跡も迅速に行えます。

LINEと同じく「既読」表示機能があります。トークの既読確認では、トークで送信した重要なメッセージを相手が読んだかどうか一目で確認できます。複数人のトークルームでも「既読」をタップすることで誰が読んで、誰が読んでいないかまで詳細を確認することができます。

掲示板既読確認では、お知らせや情報共有の投稿を誰が読んだか確認することができます。まだ投稿を確認していない未読メンバーがいれば、大事な情報を見落とさないよう再通知することが可能です。

LINEであればつかえるという学生インターンや20代の社員が多いカジュアルな企業におすすめです。

LINE WORKSサービスサイト : https://line.worksmobile.com/jp/

ビジュアル重視!カードでタスク管理する感覚で生産性向上「Trello」

出典:https://trello.com/ja

アトラシアンが提供する「Trello(トレロ)は、タスクをカード(かんばん方式)で視覚的に管理し、チームでの効率的なタスク共有を強力に支援するコラボレーションツールです。ホワイトボードにリストを貼り付けるように、リスト内のカードにタスクを登録が出来ます。

クラウド型でスマートフォンやパソコンを使っていつでもどこでも簡単にアクセスでき、さまざまな就業環境下にある複数のチームメンバーが必要な情報を共有し、チームの誰もがタスクの進行状況をすぐに把握することができます。画像や動画を貼り付けることもでき、ビジュアルが明確で操作が簡単、タスク管理が捗りそうです。

また、単純作業を自動化できるButler機能が搭載されています。

Visa、ZOOM、グランドハイアットなど世界中の 200 万を超える企業が導入しています。

Trelloサービスサイト:https://trello.com/ja

タスク管理とビジネスチャットが一体化して生産性向上をサポート「Tocaro」

出典:https://tocaro.im/

伊藤忠テクノソリューションズが提供する「Tocaro」は、ビジネスチャット、タスク管理。プロジェクト管理などビジネスシーンの全てをサポートするオールインコラボレーションツールです。仕事に必要なあらゆる情報を、簡単かつ安全に共有するための様々な機能が満載で、業務の依頼や仕様変更など重要な連絡を見える化して、業務の抜け漏れや遅れを防ぎます。

ワークボードという機能は、ワークボードを見ることで、自分が担当者として追加されているタスクやワークフローをひと目で把握することができます。各チームメイトがどんな作業を抱えていて、いつ締め切りかを把握できる基本的なタスク機能はもちろん、それらを可視化し直感的に把握することができるので、どのような経緯や背景でその作業が必要になったかが一目で分かります。

ビジネスチャットなので、各々のタスクやワークフローにはコメントをすることができ、何らかのコメントが付いた場合は、そのグループのチャットに通知が来る仕組みになっています。

『プロジェクト管理』『リアルタイムチャット』『ワークボード』の3つの特徴的な機能を始め、『ワークフロー』『ファイル共有』『既読管理』『ビデオ通話』『検索』『​​API・連携機能』『アクセス管理』『専用アプリケーション』などを装備しています。

独自の素早い検索機能によってスムーズなコミュニケーションを促します。

Tocaroサービスサイト:https://tocaro.im/

長時間労働で生産性が上がるという時代は終了

労働生産性は、長時間労働や労働集約で向上するものではありません。長時間働けば、生産性が上がるという時代はもう終わったのです。

まずは業務を見直すことで無駄をなくし、効率化を推進するなど、できることから生産性向上のための取り組みを始めることが大切です。

ワークプロセスマネジメントプラットフォーム
Tocaro(トカロ)

仕事のあらゆる行動を定量化し、成果につながるプロセスを見える化します。結果、意思決定の柔軟性を高め、チームの生産性を高めることが可能です。さっそくワークプロセスマネジメントプラットフォームのTocaroを使ってみましょう。