新型コロナウイルスの影響により、働き方に大きな変化が生じました。多くの企業でリモートワークが導入されて、通勤時間の短縮や柔軟な働き方が可能になり、その利便性が認知されました。
また、リモートワークが定着する一方で、オフィスでの共同作業や社員同士の交流が必要な場合もあります。そのためアフターコロナ後は、オフィスとリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークが増加すると考えられます。
とても便利な一方、リモートワークが増加することで対面でのコミュニケーションが減少しています。そのため、オンラインでの気軽なコミュニケーションがより重要な役割を担うようになるため、ビジネスチャットを導入する企業が増加しています。ビジネスチャットを導入することで、社内コミュニケーションだけではなく、生産性が向上したという企業が増えています。
生産性の向上とは、限られた能力や資金で成果を得るという意味であり、コストカットや人的な削減をするという意味ではありません。自社が保有する人材などの資源を活用し、最大限の効果を発揮することなのです。
この記事では、ビジネスチャットで生産性が向上する4つのポイントや活用方法、おすすめのビジネスチャットツールを徹底解説します。
ビジネスチャットを導入するメリットとは?
ビジネスチャットを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか?基本的な4つのメリットをご紹介します。
⒈コミュニケーションのスピードが上がり生産性が向上する
ビジネスチャットを利用すれば、コミュニケーションがスピーディーになり、業務の生産性が向上します。チャットでは、相手に敬称や挨拶文を付ける手間が省け、プロジェクトごとにグループを作れるので、複数名へのメッセージの発信もスムーズになります。気軽にやり取りできることで社内コミュニケーション活性化にも繋がります。
⒉高いセキュリティレベルでの情報共有で安心
個人用SNSとビジネスチャットの違いはセキュリティの高さです。ビジネスチャット内で、企業の情報や個人情報のやり取りをすることもよくあるため、情報が流失しないように高いセキュリティレベルで安心です。
金融レベルの環境を求める場合には、クラウドではなく自社ネットワークを利用するオンプレミス型のビジネスチャットツールを選ぶのがおすすめです。
⒊スピーディな情報共有が可能
ビジネスチャットツールは、会議の資料や議事録、スケジュールといったドキュメント共有もスピーディーに行えます。複数名が関わるプロジェクトの場合、全員に向けて同じ資料を一斉送信し共有できます。プロジェクト別、あるいは部署別などでチャットルームを設けてやりとりできるため、周知させたいことの共有やファイルのシェアなども簡単に行えるのです。
また、LINEなどの一般的なチャットツールと同様にポップアップ通知が届くため、スピーディにやり取りができます。既読機能がついているものであれば、いつメッセージを見てもらえたのか確認することも可能です。
⒋自由な場所でのワーキングスタイルが可能
インターネット環境さえあれば、社内外どこからでもどの端末からでもアクセスができます。そのため場所や時間を問わないコミュニケーションが可能です。コロナ禍でのテレワークや出張で社外にいる場合にも、リアルタイムな情報の共有が簡単にできるので様々な勤務体系に対応できます。
ビジネスチャットで生産性を高める4つのポイントとは?
ビジネスチャット導入により、たくさんのメリットがありますが使いこなせなければ意味がありません。ここでは、生産性を高めるための4つのポイントをご紹介します。
⒈ビジネスチャットツールの適切な選択
ビジネスチャットには、様々なツールがあります。自社でどのようなサービスが必要なのかよく検討してから導入しましょう。目的に応じて、適切なツールを選択することが重要です。例えば、緊急性の高い情報共有には、即時性が高いチャットツールを使用することが有効になります。便利なサービスが多く搭載しているツールでも、社員が使いこなせるのかしっかり確認しましょう。
⒉コミュニケーションルールの明確化
ビジネスチャットを導入したら、社内でコミュニケーションルールを明確に定めることが必要です。例えば、メッセージは業務の内容のみ、返信の期限はどの程度であるかなどを定めることで、メンバー間の認識差を減らして無駄なトラブルを回避することができます。
⒊フォローアップの徹底
ビジネスチャットでは、メンバーが連絡を取り合うことが容易ですが、気軽にコミュニケーションがとれるが故にメッセージが混雑してしまうこともあります。そのため、フォローアップを徹底することが重要です。例えば、未読のメッセージを後回しにせず、適切なタイミングで返信することで、情報漏れを防止することができます。ツールによっては、未読や返信してないメッセージの色を変える、既読機能など見える化してくれる機能もあります。
⒋タスク管理を統合できる
ビジネスチャットのタスク管理機能を活用することで、タスクの進捗状況を共有し、生産性を高めることができます。例えば、ToDoリストを共有することで、メンバーのタスクの進捗状況を把握することができます。今までバラバラに管理していたタスク管理を一元化することで、リモートワークでも簡単にメンバーの進捗状況が分かり、すべき業務がすぐに分かるのです。
ビジネスチャットは生産性の向上に有効なのか
ビジネスチャットを活用することで、これまで電話やメールで浪費してきたコミュニケーションコストを軽減し、生産性を向上することが可能です。
例えば、ビジネスチャットは業務をしながらでも返信が可能です。メールと同じで返事を待つこと自体は変わりはありませんが、メールと違い枕詞や畏まった表現を省略することが可能で、話をするようにすぐに返事をすることができます。その結果、メールより時間をかける必要がなく、集中して仕事をすることが出来るのです。
電話の場合は、一方的な長話でも、相槌を打つ必要があり、きちんと聞かなければ失礼に当たるためその間は電話に集中しなければならず作業が滞ってしまいます。
一方、ビジネスチャットの場合では、返事がくるまで別の仕事をしていても問題ありません。既読機能があれば既読したことは相手に伝わるため、急ぎの案件でなければ、返事を後からすることも可能です。
このように、生産性を向上するコミュニケーションツールとして、ビジネスチャットは注目されています。
生産性を上げる!おすすめのビジネスチャット5サービスを徹底解説
生産性を上げたい方必見!おすすめのビジネスチャット5サービスをご紹介します。
⒈導入費や維持費が安価で国産だから安心安全「Chatwork」



Chatworkは、Chatwork株式会社が提供する導入社数38.6万社を超える国産ビジネスチャットツールです。ツールには珍しく既読機能がないので、外部とのやり取りにおすすめです。国産ツールのため、タスク管理機能に優れており、チームでのコラボレーション機能が充実しています。
他の同様のサービスと比較しても、導入費や維持費が安価なのも魅力的です。また、セキュリティは非常に堅牢です。
送受信できるファイルの容量が無制限になったので、作り込んだ資料や大きなデータの共有が簡単にできます。ビデオ通話で円滑なコミュニケーションも可能なので、リモートワークでもサクサクと利用できます。
大企業や官公庁も導入できるセキュリティ水準で、サーバーとの通信はすべて暗号化されており、送信したデータは高い信頼性と実績をもつデータセンターに厳重に保管されています。セキュリティに厳しい銀行でも導入しているので、安心して使えます。日本の企業のため、サポートに相談しやすいというメリットも安心です。
その他にも、iOS、Android両方のアプリに対応しており、多言語対応で日本語含め4言語に対応出来ます。業務効率を高めるAOI連携が可能なので、GmailやTwitter、ジョブカンなどと連携できる機能が人気です。
Chatworkサービスサイト : https://go.chatwork.com/ja/
⒉LINEの使いやすさはそのままのビジネス版「LINE WORKS」



ワークスモバイルジャパン株式会社が提供している「LINE WORK」は、チャットやスタンプはもちろん、掲示板、カレンダー、アドレス帳、アンケートなど、現場で活用できる充実したグループウェア機能を揃えたLINEのビジネス版ビジネスチャットツールです。LINEでお馴染みの使用感を踏襲しているので、どの年代の方もすぐに使いこなせる点が人気のポイントです。
セキュリティにおいてはユーザーの利用履歴をモニタリングできるためリスクを事前に察知し、トラブルが発生したあとの追跡も迅速に行えます
LINEと同じく「既読」表示機能があります。トークの既読確認では、トークで送信した重要なメッセージを相手が読んだかどうか一目で確認できます。複数人のトークルームでも「既読」をタップすることで誰が読んで、誰が読んでいないかまで詳細を確認することができます。
掲示板既読確認では、お知らせや情報共有の投稿を誰が読んだか確認することができます。まだ投稿を確認していない未読メンバーがいれば、大事な情報を見落とさないよう再通知することが可能です。
LINEであればつかえるという学生インターンや20代の社員が多いカジュアルな企業におすすめです。
無料で使えるボットプラットフォームで、タスク管理や会議室の予約などを専用のチャットールームで簡単に行えるようになります。テキストメッセージ以外にもボタンやスタンプなど様々なメッセージ形式に対応しており、ユーザーに親しみやすいメッセージを送ることができ、人気です。
LINE WORKSサービスサイト : https://line.worksmobile.com/jp/
⒊入力中の表示でスムーズにやり取りできる「Slack」



Slack Technologies, Incが提供する「Slack」は、日本はもちろん、世界的にも広く認知されているビジネスチャットのパイオニアです。世界150ヵ国以上で利用されているだけでなく、有料プランの利用企業数も16万9,000社以上と多くの国と企業で利用されています。
定型的なアクションやコミュニケーションを自動化してSlackワークスペースのワークフローに変換できるツールが「ワークフロービルダー」です。業務に必要なメンバーを探し出す時間が短縮でき、情報を適切な担当チームへ自動で収集して受け渡すことが可能です。
他社の既読機能とは違い、「〇〇さんが入力しています」と表示する機能があり、相手の対応状況をリアルタイムで把握できるようになっています。チャットは、迅速な情報交換ができるために短いメッセージが相手とのやりとりで交差しがちですが、この機能の「入力中」の表示があれば、相手の返答を待ってから返信でき、スムーズに会話を進められるため生産性の向上に役立ちます。
Slackサービスサイト : https://slack.com/intl/ja-jp/
⒋最大1万人が参加できる社内イベントの中継も可能「Microsoft Teams」



Microsoft Corporationが提供する「Microsoft Teams」は、Teams はチャットだけのツールではなく、Office 365 のサービス各種と連携する機能を持っており、業務に必要なあらゆるリソースと繋がったチャットツールです。
最大の特徴は、Office製品との連携に重点をおいている点になります。業務で利用している人も多いWord、Excel、PowerPoint、SharePointなどOffice系との連携が可能で、チーム内のメンバーで共同編集を行うこともできます。共有のワークスペースにファイルなどをまとめられるので、場所に制限されず仕事をしたり、チームとチャットが行えます。Officeをすでに利用している場合や、会議中以外にもチャットやファイル共有を行いビジネス上のコミュニケーションを活性化します。
数人~数十人単位のWeb会議だけでなく、最大1万人が参加できるライブイベントも開催可能です。ストリーミングや倍速再生機能があるため、配信を好きなタイミングで見ることができたり、社外の人に参加してもらうこともできます。社長の講話や全体研修、決算発表会といった大人数が参加するイベントに活用できる機能となっていて、コロナ禍で研修や式典などが難しい中で利用する企業が増えています。
チャットの自動翻訳機能が付いているため、様々な国の人とグローバルに仕事をする職種の方にもおすすめです。
※Microsoft Teams無料版は2023年4月12日サービス終了。新しい「Microsoft Teams (無料版)」が始まります。
Microsoft Teamsサービスサイト : https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-teams/group-chat-software
⒌独自の横断検索技術が人気オールインワンコラボレーションツール「Tocaro」



伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が提供する「Tocaro(トカロ)」は、組織で働くビジネスマンがより効率的に働くことをサポートすることを目的として自社開発したビジネスチャットツールです。仕事に必要なあらゆる情報を、簡単かつ安全に共有するための様々な機能が満載で、業務の依頼や仕様変更など重要な連絡を見える化して、業務の抜け漏れや遅れを防ぎます。
独自の大量のデータの中から必要なデータを簡単に見つけ出す優れた検索機能が特徴で、検索したいワードを入力すると、メッセージや共有されたファイル全てを検索し、必要な情報を探し出せます。社内で様々なツールを同時に使用していると、必要なデータを見つけるためにツールごとに検索を行わなければいけなくなりますが、一度の操作で横断的に検索できるのは、メッセージ機能とファイル共有機能を一つのサービスで提供しているからです。
金融レベルの高セキュリティが人気の秘訣で、IPアドレス制限・モバイル端末制限・機能制限・ユーザー権限など、多くのセキュリティ機能を組み合わせることで、あらゆるセキュリティ問題・社内ルールの壁を乗り越えて、利便性を損なわずに安全なコミュニケーション環境を構築します。
また、世界中で数十万社が利用するセキュアなファイルストレージサービスBox®︎と強度な連携ができる唯一のツールです。
その他にも、『プロジェクト管理』『リアルタイムチャット』『ワークボード』の3つの特徴的な機能を始め、『ワークフロー』『ファイル共有』『既読管理』『ビデオ通話』『検索』『API・連携機能』『アクセス管理』『専用アプリケーション』などを装備していて、生産性の向上に役立ちます。
Tocaroサービスサイト:https://tocaro.im/
生産性を上げるためにはビジネスチャットツールを導入しましょう
多様化する働き方に対応するために、電話やメールに変えてビジネスチャットを導入する企業が増加しています。ビジネスチャットは、電話とメール、両方の特性をあわせ持ち、更に業務効率化に繋がる機能を兼ね備えたコミュニケーションツールです。
少子高齢化などで深刻な人手不足は今後も続くと言われています。人口減少の中で、海外企業の進出や国内の新興企業に勝るためには、今ある人材で生産性を向上させるしかありません。
自社でどのようなビジネスチャットの機能が必要なのか良く検討し、生産性が上がるツールを見つけましょう。