トヨタが他の企業に先駆けて自社の工場の生産ラインに取り入れた『見える化』。色々な試行錯誤があり、やっとの思いでたどり着いた画期的な方式でした。生産ラインの業務を見える化する”プロセスマップ”が注目されて、現在でも尚、見える化は進化を続けています。
プロセスマップと並び、業務を見える化するシートをご存知でしょうか。こちらも見える化の初期の頃より注目されている、作業の見える化を可能にするシートです。こちらのシートの特徴は「工数」と「進捗」「スケジュール」がひと目で分かるシートです。
今回は「ガントチャート」と呼ばれるこのシートがどのように優れていいるかについて見ていきましょう。
スケジュール管理の父「ガントチャート」生みの親とは?
ガントチャートは、20世紀初頭大量生産が始まったばかりの頃、アメリカ人のエンジニアで経営コンサルタントでもあったヘンリー・ガントにより、職場の監督者が進捗状況を即座に把握できることを目的として考案されました。名前も発明者の彼の名にちなんで名付けられました。
スケジュールが可視化され、即座に見える化完了!
プロジェクトを円滑に進めていこうと思ったら、タスクごとの優先順位を考慮してスケジュールを組み立てる必要があります。また、誰がどの作業を担当するのかという手順なども決めます。仮に、プロジェクトに何らかのトラブルが生じ、作業の進行が止まってしまった時には、そのプロジェクトに関わる様々なところで大きな損失が生じてしまいます。
進捗状況が一目でわかるようにプロジェクトの全体像を可視化して、スケジュール、担当、作業工程などを正確に把握することは、作業開始前の準備として非常に重要と言えます。これを具体化してくれるのがガントチャートです。
ガントチャートで「見える化」と「情報共有」!
ガントチャートを作る目的は主に2つあります。具体的に見ていきましょう。
1.情報の見える化
チームでプロジェクトを進めていく際に、一人ひとりの作業を個別にスケジュールや工数を作り、後でチームで見合わせて作業しようとしても時間と労力が必要となります。そこで作業ごとの担当や工数がひと目で分かるガントチャートを作成すれば、プロジェクト全体のスケジュール、作業工程、進捗が見える化され、プロジェクトの進行中でもチーム全体の作業感を把握できるようになります。
2.情報の共有
チームでプロジェクトを進めていると、作業員が欠勤する、作業に遅れが出ている、など、予期せぬトラブルに見舞われることがあります。こういった場合に事前にガントチャートが作られていれば、チーム全員で事前にプロジェクトに関する情報が共有されているので即座に対応できます。
また、プロジェクトを止めずに、各タスクごとでの微調整も可能となります。
スケジュール管理の見える化、定番ツールといえば『エクセル』
エクセルでスケジュール管理と聞いて、一覧表のような形式を頭に浮かべる方もいるかも知れませんが、近年、より効率の良いスケジュール管理する方法として、このガントチャートが見直されています。
ガントチャートはグラフになっているために視覚的で見やすく、共有もしやすく、そして何よりタスクの最適化が行えるという、万能なツールです。
このガントチャートをエクセルに組み込めば、お手軽にタスク管理が行えます。しかも、普段から使い慣れているエクセルなら、自分の好きなように項目を増やしたり、関数を加えたり、フォーマットも変えられます。さらに、シート別やリンク機能、関数で紐付けなど行えるので、ファイルの一元管理ができます。現在ではエクセル版のフリーソフトも多く出回っています。
仕事に活かそうスケジュール管理の見える化!
より質の高い仕事をしていくためには、どのように仕事を管理するのかを考える必要があります。そのためには、まずやるべきことを洗い出して、チームの人間と共有することが大切です。ワークフローや進捗状況がわかるようにすることで、チーム一丸となって課題に取り組めるようになります。
ガントチャートを使うことで、例えば、計画通りに作業が進んでいないといったケースに対し、早い段階で解決に向け手を打つことができます。また、スケジュール管理はもちろん、工程そのもののムラやムダを見つけるために役立たせることができます。
以上見てきたように、古典的な見える化の手法でありながら近年見直されてきているガントチャート。作業を始める前にプロジェクト全体を見渡せるスケール感と、都度修正できる柔軟性が特徴です。プロジェクトマネージャー、作業員誰にとっても使いやすいというメリットがあり、おすすめです。
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