【後編】ルール化とコミュニケーションで「テレワーク」は上手くいく Mamasan & Companyが行き着いた”まずはやってみる”の精神

時間や場所を柔軟に活用できる「テレワーク」の導入は、より働きやすい環境を実現するための、有効な施策のひとつです。特に、かつてはフルタイムの求人しかなく、就労を諦めざるを得なかった育児中の女性にとって、在宅や遠方でも仕事ができる環境は“キャリア形成の場”ともなります。

「テレワーク」の導入は企業にとっても、スキルの高い女性を雇用できるチャンスです。“在宅”のテレワーカーが多く働いているMamasan & Company(ママサン・アンド・カンパニー)も、国内外問わず300名以上の“高スキルなママさんスタッフ”が在籍しています。前編では育児と仕事をどのように両立しているのかについて紹介してきましたが、後編では「テレワーク」を進める上での具体的なルールや工夫している点について、Mamasan & Company COOの齊藤加奈子さんと、在宅ワーカーの佐野美世さんに伺いました。

>>前編はこちら

ルールは”ガッチリ”でも、チャットで”気軽なやり取り”も実現

同社での業務は、部長的な役割の「ボスママ」を中心としたチームで進められます。たとえば、外部にメールを送信する際も「下書きをする人」「チェックして送信ボタンを押す人」というふうに業務を振り分け、リスクを低減しています。

齊藤さん:在宅ワーカーのチームで仕事を進める上で、どこまでルール設定するのかというのは難しい問題です。当社は人数も多いので、比較的ガッチリ決めています。このルールをきちっと守ってもらうためにも、日々のコミュニケーションは大事。“なんでこういうルールになっているか、その理由はね…”というところから話すと、みんな自分で考えてくれます。

案件を進めるマニュアルにも、必ず“仕事の目的”を最初のページに付けるようにしています。そうすると自分で考えて判断できるので、在宅で作業をしていても仕事が進められる。“みんなが一緒になって仕事を進めている”という意識づけができるような仕掛けを、色々なところに散りばめています。

佐野さん:コミュニケーションという点では“チャット文化”だったのが、在宅を始めたときチームにとても馴染みやすかったです。メールのように“○○様”なんて言う必要がなくて、一緒に働いているメンバー同士、とても気軽なやり取りができて新鮮でした。職場でちょっと雑談するみたいなことも、チャットならできて良いですね。

みんなチャットリテラシーが高いので、ちょっと業務で失敗したりしてもすぐにフォローしてくれて。一人で仕事をして失敗すると、どうしても自分を責めがちなんですが、励ましてもらえると“次がんばろう”と思えるようになります。チャットがなくなったら回らないと思いますよ、仕事が。

齊藤さん:あと、オフ会もやります。クライアントさんもお呼びして、“関東ママ会”は3ヶ月に1回、関西は半年に1回。チャットにもプロフィールには必ず顔写真を載せるようにしてるんですけど、みんな若いときの写真をアップしがちなので、初めて会って“あの声の人はこんな顔だったのね!”みたいな(笑)

在宅ワークが初めてのママさんでも、オンライン・オフライン問わず先輩ママから色々とアドバイスをもらって、仕事もやりやすくなる。チーム持ち回りでブログもやっていたり、“チーム”を意識してもらうためのコミュニケーションは積極的に行っていますね。

“チーム”と”ルール”でリスクを常にゼロに

こうした普段からのコミュニケーションは、日常的に顔の見えないテレワークでの“リスクの芽“を摘むことにもつながるそう。経理や採用関連の業務では機密情報を扱うこともあるため、システム上のセキュリティ対策と同じくらい、個人の意識を向上させることも肝要といえます。

齊藤さん:日頃のコミュニケーションが円滑にできているとチーム意識が芽生えるので、“これやっちゃったらチームに迷惑かかるよね…”みたいな精神的な歯止めのようなものが利くようになります。これは本当に気を遣っているところ。たとえば小さなケアレスミス…メールの送信先が違うだけで、機密情報が違う会社に届いてしまったりしますから、そうしたリスクを常にゼロにするようチームでバックアップします。

業務にあたっては、事細かなルールを意識してもらう。スマホで閲覧を許可しているTocaro(チャット)に画面キャプチャを貼っちゃダメとか、お子さんがスマホをいじってもワンタップで開かないように業務用アプリはDocに格納するとか。“こういうリスクがあるかもね”という時点から逆算して、どんなルールにするかを『ボスママ会議』で決めています。新しいメンバーが入って、仮にミスをしても致命的なことにならないようなルールを常に話し合って、日々改善していますよ。

まずは小さい規模でも”一度やってみる”ことが大事

こうした点は、今後テレワークを導入したいと思う企業にも参考になるかもしれません。人手不足が深刻化し、働き方の多様化が求められる時代。企業に様々なバックグラウンドの人が働くようになれば、既存のモデルとは違う新たな事業や収益源が見えてくる可能性もあります。

齊藤さん:私もよく企業の働き方改革を推進される部門の方々と話をするんですが、まずは小さくても一度“やってみる“ということだと思うんです。私たちも最初は3人からスタートして、現在は300人を超えています。その中で、時期や体制に合わせてたくさんルールを変えてきました。

働き方の選択肢って、もっともっと増えてきてしかるべきだと思っているんです。育児中の方だけではなくて、介護中の人もいるでしょうし、シニア層だって多様な働き方の可能性があるかもしれない。便利なツールもたくさん増えてきていますし、“まずはやってみる”ということが何よりも重要なんじゃないかと思います。

Mamasan&Company株式会社

設立:2012年4月6日

本社所在地:〒163-1306 東京都新宿区西新宿6-5-1新宿アイランドタワー6F
沖縄BPOセンター:〒904-2244 沖縄県うるま市字江洲547番地4みらいビル2F
浦和BPOセンター:〒336-0031埼玉県さいたま市南区鹿手袋3-1-1
熊本BPOセンター:〒862-0954熊本県熊本市中央区神水1-8-8 フォレストビル1F

事業概要:クラウドワーク環境による事務処理業務全般の請負・業務プロセス可視化および最適化コンサルティング・企業再生コンサルティングおよび派生業務の請負・メール・チャットその他ツールによる顧客対応請負・コールセンター業務請負
在宅ワーカーのチームを作りたい企業様へ、1年でプラットフォーム構築から専用在宅ワーカーチーム形成のサービスのご提供もしています。
詳しくはホームページをご覧ください。 https://mamabpo.jp/
また、Mamasan&Companyではママさんを募集しています。https://mamabpo.jp/mama_recruit/

 

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