【前編】国内・海外在住のママ”300名”が「在宅ワーク」 Mamasan & Companyが実現した育児との「両立方法」

現在の日本では、スキルがあっても妊娠・出産を機に退職し、その後も無職の期間が長くなってしまう女性が多くいます。「育児との両立ができるかどうか…」「ブランクが心配で…」といった不安も、そうした期間が長くなってしまう理由のひとつです。

2012年に設立されたMamasan & Company(ママサン・アンド・カンパニー)は、多くのママが“在宅”でのテレワークを中心に働いています。日本のみならず、海外在住のママも多く働いているとか。こうした柔軟な働き方は、育児中でも仕事との両立を叶える方法のひとつ。前編では、こうした働き方を可能にしている仕組みやルールについて、Mamasan & Company COOの齊藤加奈子さんと、在宅ワーカーの佐野美世さんに伺いました。

国内外の在宅ワーカー300名が、“育児と仕事”を両立

Mamasan & Companyは、出産や育児等々、これまでのキャリアを中断せざるを得ない諸事情のある国内外の在宅ワーカーが、クライアント各社様ごとに一つのチームを構成し、財務経理や給与計算や労務事務等バックオフィス系業務をはじめとして、受発注業務やコール業務、最近ではエンジニア経験のあるママさん方が受託開発案件で活躍、企業の業務プロセスの一部を請け負う「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」事業を展開しています。

齊藤さん:新宿オフィスには営業兼コンサルタントが5名います。沖縄・熊本・浦和には『BPOセンター』という拠点を設けていて、そこには30名ほど。あとは在宅ワーカーが約300名という体制になっています。

在宅ワーカーは国内だけでなく、海外在住の方もたくさん在籍しています。ご主人が海外に転勤されると、女性は現地でなかなか仕事がない。そこで当社の在宅ワークを探していただいて、仕事をしているという方が多いです。


齊藤さん

家事・育児をこなしながら、平日4~5時間の“在宅ワーク”

実際の在宅ママスタッフは、どのように一日を過ごしているのでしょうか。3人の子育てと並行してMamasan & Companyの業務を行っている佐野さんの1日からは、家事・育児と業務を効率よく並行させていることが窺えます。

佐野さん:朝は7時くらいに起きて、8時くらいに小学生の娘を送り出します。その後30分くらい、メッセージや急ぎの案件のチェックに時間をかけてから、2番目の息子を保育園に送ります。家事をこなして、9時半頃から業務スタート、というのが朝のパターンですね。

12時くらいまで、3番目の子どもを見つつ、作業メインで仕事をします。昼ご飯を食べたらまた16時過ぎまで作業やミーティングをして、子どものお迎えと買い物に行くと。夜は1時間くらい、夕食かお風呂のあとに残務をチェックして、平日はだいたい4~5時間を業務に当てる感じですね。自分のペースでできるので、土日も2時間くらいは仕事をしています。

佐野さん

在宅ワークを支える「研修」と「マニュアル」

こうした在宅ワークを支えているのは、徹底した研修と、業務プロセスの詳細なマニュアル化です。効率化と並行して、セキュリティ面のリスクは考えられる限り排除する。そのために、在宅ワークを行うにあたってのルールや、業務成果を出すためのプロセスはきっちりと決められています。

齊藤さん:とにかく採用後はがちがちの研修をします。ルールブックもありますよ。eラーニングで定期的にテストもしていますし、在宅ワーカーの動きをパトロールしているチームも設置しています。システム面でもシンクライアントで一元管理し、スマホからファイルは開けられない、データのコピーもできないなど、セキュリティ遵守の運用を厳格に行っています。

マニュアルも、どのクライアント様でもフローチャート化されたものが5~10冊くらいはあります。全部ママさんたちが作るので、テンプレートも決まっていて、いつ誰が見てもわかりやすいものが作れるようシステム化されています。

佐野さん:在宅で業務委託なので、当初は業務の進め方もフリーなのかなと思っていたのですが、そこはしっかりマネジメントされています。詳細まで仕組み化されていることによるメリットは、子どもが熱を出すなどして急にその日の業務が不可能になったときでも、チームで誰かがカバーしてくれるシステムになっていること。安心して働けるので、そこはすごく良いところです。

成果を表彰する制度は”やりがい”につながる

こうして業務を円滑に進めるため、Mamasan & Companyでは在宅ワーカーのチーム化を行っています。チームは、部長的存在である「ボスママ」、その補佐をする「サブママ」、作業を中心に行う「オペママ」の階層構造。良い成果や模範的な仕事をした在宅ワーカーを表彰する制度もあると言います。

齊藤さん:“良い先輩賞”が毎月。さらに四半期に1度“新人賞”と“MVP”を決めます。表彰制度はけっこう意識して作っていて、見えないところで“縁の下の力持ち”的な仕事をしてくれている人もきちんと評価してあげる。そうするとモチベーション、やりがいにつながります。佐野さんは新人賞も、MVPも獲りましたよね。

佐野さん:たまたまです(笑)でも、やっぱり嬉しいですよ。“あ、見てくれているんだ”って思うので。自分の仕事、行動が評価されていれば“これで大丈夫なんだ”となるし、他のワーカーさんの良い仕事が表彰されていたら“そういうやり方もあるんだ”という発見につながる。仕事のやりがいになっていると思います。

>>後編に続く

Mamasan&Company株式会社

設立:2012年4月6日

本社所在地:〒163-1306 東京都新宿区西新宿6-5-1新宿アイランドタワー6F
沖縄BPOセンター:〒904-2244 沖縄県うるま市字江洲547番地4みらいビル2F
浦和BPOセンター:〒336-0031埼玉県さいたま市南区鹿手袋3-1-1
熊本BPOセンター:〒862-0954熊本県熊本市中央区神水1-8-8 フォレストビル1F

事業概要:クラウドワーク環境による事務処理業務全般の請負・業務プロセス可視化および最適化コンサルティング・企業再生コンサルティングおよび派生業務の請負・メール・チャットその他ツールによる顧客対応請負・コールセンター業務請負
在宅ワーカーのチームを作りたい企業様へ、1年でプラットフォーム構築から専用在宅ワーカーチーム形成のサービスのご提供もしています。
詳しくはホームページをご覧ください。 https://mamabpo.jp/
また、Mamasan&Companyではママさんを募集しています。https://mamabpo.jp/mama_recruit/

 

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