ビジネスチャットが医療現場のコミュニケーションを変える

医療の現場では医師や看護師、薬剤師などのさまざまな職種が連携して働いています。その中においてコミュニケーションをいかに素早く、かつミスを起こさず行うかは、命を預かる医療の現場においては重要な課題です。特に病床数の多い病院は、限られた医師、看護師やその他のスタッフで、多くの患者に対して的確なケアを施すことが求められます。

そんな中、医療の現場でも注目されているのがビジネスチャットです。現在、病院での一般的なコミュニケーション手段として選ばれているのは構内PHSですが、PHSは2020年7月に公衆PHSサービスを終了し、構内PHSも近いうちにサービスが終了する見込みです。それにより、現在PHSに代わるコミュニケーションツールとしてビジネスチャットを導入しようという取り組みが活発化してきているのです。

病院におけるコミュニケーションにミスは許されない

病院におけるコミュニケーションの目的は、物事を正確に伝え、患者の安全を守り医療事故を防ぐことにあります。医療現場でのコミュニケーションは、職員間に必要となるスキルです。コミュニケーションとは、企業でよく使われるホウ・レン・ソウのことを指します。

医療の現場では、報告や連絡は最低限のコミュニケーションとされ、その先の「共有」がされて初めてコミュニケーションが取れたとされる厳しい世界です。命や健康といったかけがえのないものを対象として、さまざまな情報の交換を行う医療の現場では、ちょっとした理解、解釈、判断のズレが大変な結果を招くこともあるからです。皆が同じレベルで共通の認識を持って初めてコミュニケーションが取れたということになるのです。

文字にして共有することが理想的なやり取り

また、医療や看護において、文字にする行為と、その結果作られる記録や文書がとても重要な役割を果たすとされます。日本では多くの人が理屈を並べるのを嫌い、気を利かして互いの心を察したり、気遣うことを大切にします。しかし、本当に重要なことは伝えなければなりません。言わないと分かってもらえないことは、分かってくれるように文字化することが重要です。医療機関では分かってくれているはずというコミュニケーションレベルではアクシデントを招きかねません。

口頭では表現しにくい、複雑で専門性の高い内容を伝えたり、自分自身で後から確認し、さらにその考え方を深めるために、情報の共有を可能にするのが文字化するということです。口頭のやり取りでは記録として残らず、後になって確認することはできません。このように医療の現場のコミュニケーションでは物事を正確に伝えるだけでなく、伝わった情報が文字として残り、共有されることが理想的なやり取りなのです。

医療現場のコミュニケーションの課題にビジネスチャットが有効

これらの課題は、現在どの医療の現場でも顕在化していて、インターネットの普及もあり、新しいコミュニケーションの形が模索されています。その中において、ビジネスチャットの導入が広がっているのです。その理由は、医療が必要とするコミュニケーションの課題の多くを解決する手立てになるからです。

PHSや電話などによるやり取りでは、漏れがあったり、患者さんを接遇している際に電話に出られなかったりすることもあり、情報を伝達する側も、改めて連絡する手間が生まれ、業務にムダが生まれてしまいます。しかし、ビジネスチャットを使えば、情報はログに残るので、連絡したい時に連絡できる上、伝え漏れや、聞きそびれなどが発生するリスクが軽減されます。

また、ビジネスチャットを使用することで、連絡事項を文字で残すことができます。医療の現場では伝えなければならない情報が何かの原因で伝わらなかったというミスは致命的です。チャットによって文字で情報が残ることにより、正確な情報を確実に伝えることができます。

院内の情報伝達にビジネスチャットが適している理由

看護師の間では、情報を共有することが重要となります。毎日行われる看護師のミーティングは、それぞれ持ち場を持っている看護師にとって負担になります。ビジネスチャットを使い、各セクションの看護師をグループ分けし、それぞれに必要な情報を流せば、各セクションごとに必要な情報を伝えることができ、一つの場所に看護師が集まる時間を削減することができます。

院内では、医師と看護師間のコミュニケーションもとても重要になります。しかし、医師も一人ひとりの看護師と直接コミュニケーションを取れるほど時間に余裕がない場合が多く、看護師長経由での伝達になってしまうことが多くあります。医師が判断する治療に対する方針などは、医師から直接看護師まで届けば、医療ミスの軽減にも繋がります。そのような場合もビジネスチャットが活用できます。

ITの発達で医療現場のコミュニケーションツールも変わる時代に

ITが発達した今、医療の現場では、どのようなデバイスやツールを使えば、円滑な情報のやりとりを実現するのか模索されています。多職種にまたがる連携を支え、質の高い医療を安定的に提供するためのツールが、どのように従来の課題を克服して、医療現場のコミュニケーションを支えるのか注目されています。

また、多くの病院では深刻な労働者不足が続いていて、一人あたりの業務が相当な負担となっています。業務量が増えれば医療ミスにつながる可能性も増えるので、病院内にはITツールを導入して、各種業務を効率的に行えるようにする必要があると考えられます。効率的なコミュニケーションが実現できれば、情報の共有が活発化され、院内の連携強化にも繋がるでしょう。

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