社会人として身につけるべきことは様々です。多くの人が思い浮かべるのは、コミュニケーション能力や論理的思考力、パソコンスキルや英語力といったところでしょうか。
しかし、優秀なスキルを持ってさえいれば、誰でも社会人としてうまくやっていける、というわけではないでしょう。それらのスキルを支える、社会人としての土台が盤石でなければなりません。
そこで今回は、仕事をする際の基本的な心構えと言われる「8つの意識」をご紹介します。
8つの意識とは何か?それぞれの意識に沿った行動とは?
8つの意識は、顧客意識、品質意識、納期意識、時間意識、目標意識、協調意識、改善意識、コスト意識を指します。
1.顧客意識
仕事をする上で全ての根底にあり、いつ何時でも優先すべきなのが「お客様第一」の姿勢です。
仕事をするということは、一言で言えば、顧客のニーズを理解し、顧客に役立つ商品やサービスを提供することです。
そしてそうするために顧客意識を持つには、直接顧客と関わる部門でなくとも顧客への配慮を忘れない、顧客の満足度を仕事の方針を決める指標にする等、日頃からの取り組みが必要です。
2.品質意識
品質の高い仕事をしようとすることです。
品質の高さというのは、顧客からの要求にただ応えるだけでは成し遂げられません。求められた以上の成果を出して初めて、顧客の満足度につながり、質の高い仕事であると評価されるのです。
まずは自分の仕事に要求されていることを正確に理解し、それを確実に達成しましょう。そのことが相手の視点に立ち、質の高い価値とは何かを考える次のステップに役立ちます。
3.納期意識
どんな仕事をする際にも必ず守らねばならないのが、納期です。
どんなに品質が高くても、必要とされるときに提供できなければ意味がありません。これは社外の顧客に対してのみではなく、社内においても言えることです。
ひとつのプロジェクトを複数人で分担して取り掛かる際、自分の仕事が遅れてしまえば、プロジェクト全体が遅れてしまいます。
また、期日を守ることは社内・社外を問わず基本的なことでありつつも、確実に期日を守り続けることは信頼につながります。余裕を持って仕事を進めるようにしましょう。
4.時間意識
時間を無駄にしないよう、手際よく仕事を進めることです。
時間は限られているため、漫然と作業していては時間が足りなくなってしまいます。そのため、計画をうまく立てることが必要になってきます。計画を立てることを通じて、仕事の手順を確認するとともに、どのくらいの時間をかけるべきか、適切に見積りましょう。
日頃の時間への意識の違いは、品質意識や納期意識にも影響します。重要な仕事に充分な時間を割けてこそ品質の向上は見込めますし、限られた時間内でうまくやりくりしてこそ納期に余裕を持って仕事を完遂することができます。
5.目標意識
目標を設定し、それに向かって仕事をすることです。
何をいつまでに達成するかという具体的な目標を立てることで、そこから逆算して「今、何をすべきか」が明確に分かるようになります。
また、目標の達成度を測定可能なものに設定することで、仕事の達成度も客観的に把握できるようになります。
仮に目標通りに仕事が進まなかった場合も、無計画に失敗するのとは異なり、失敗の原因を突き止めやすくなり、次に活かすことができるようになります。
6.協調意識
仕事は一人ではできないことを理解し、関係者と協力することです。
どのような環境であっても、社会人である以上、多かれ少なかれ人と接しながら仕事をすることになります。
特に、何らかの組織に属している場合は、その組織の中での自身の役割を正しく把握し、自身の小さな仕事も全体の大きな成果につながっていることを理解する必要があります。
普段からコミュニケーションの機会を大切にすることで、徐々に組織内の信頼は構築され、協調意識が芽生え、組織の力を最大限発揮できるようになります。
まずは日頃の報告・連絡・相談を欠かさず行うことから始めましょう。
7.改善意識
自身の仕事のやり方を客観的に見直し、問題を発見して改善することです。
仕事にある程度慣れると、自分なりの仕事のやり方が身についてきます。このこと自体は、仕事の効率化の観点から悪いことではありません。
しかし、仕事のやり方がパターン化すると、修正が難しくなることも事実です。仕事内容に応じて柔軟に対応すべき局面において、自分流に固執してしまってはかえって効率が落ちてしまいます。
現状に満足せず、つねに問題意識を持ちながら自身の仕事ぶりを評価するようにしましょう。
8.コスト意識
仕事のコストを把握し、無駄をなくすことです。
納期と同様に、品質の高い仕事と対立しうる要素がコストです。どんなに品質の高い仕事でも、コストが利益を上回ると意味がありません。
いま、この「コスト」を、企業が人を雇うコスト、つまり人件費と考えてみましょう。すると、自分の時間の使い方を振り返り、無駄を省くことが、結果的にコストパフォーマンスを上げることにつながります。
その点ではコスト意識は、時間意識や目標意識とも密接に関係していると言えるでしょう。
8つの意識のどれを優先すべきか?
ここまで、8つの意識を紹介してきました。冒頭でも述べた通り、この8つの意識はいずれも、仕事をするうえでの基本的な心構えですから、8つ全てを常に意識できる状態が理想ではあります。
しかし、実際に仕事をするとなると、その仕事の条件や環境故に、8つ全ての並立が困難な状況もあります。そんなときはどの意識を優先すべきで、どの意識を最低限維持するに留めるかを判断せねばなりません。
ひとつ覚えておくべきことは、8つの中で常に最優先すべきものが顧客意識であるということ。
すべての基本は「お客様第一」という考え方であるということを忘れないようにしましょう。
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